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RV78DS3 - 自分の思考を観察できますか。
学生との議論、第3回
インド、リシ・ヴァレー
1978年12月7日



0:24 クリシュナムルティ: 君たちは、恐れの問いについて、 もっと考えたり、入ったりしたのかどうかと、思われます - 私たちは先日、それについて話をしました。 君は、そうしましたか。 君たちは、私たちがそれについて話したのを、憶えていますか。 私の友だちは、どこにいますか。 さあ、来てください。 私は、支援が必要です。 他の子は、どこにいますか。

K: よし。おはよう。

学生: おはよう。
1:31 私は君たちに、訊ねていました- よければ、ですが - 君たちは、恐れについて、考えたのか、または、 自分の教師たちと話し合ったのかどうか、です。 そうしましたか。

学生たち: はい。
1:47 K: はい?

学生: はい。
1:50 K: 君たちの議論や君たちの話から出てきたものは、何でしたか。
1:57 学生: 私たちはまだ、それを実践しなくてはいけません。 

K: それを実践できなかった?
2:01 学生: 私たちは、それを、さらにいっそう、実践しなくてはいけません。
2:03 K: さて、君がいう実践とは、どういう意味ですか。 反復し、反復し、反復し、反復する。
2:09 学生: はい。
2:13 学生: 怯えないようにする。
2:18 K: 怯えないようにする。 君は、コブラを見るとき、怯えないようにしますか。
2:26 学生: いいえ。
2:28 K: 君は、そうしようとしますか。 または、ただそれから逃げ去りますか。
2:33 学生: 逃げ去ります。

K: 逃げ去る。
2:35 で、なぜ君は、恐れから、逃げ去りませんか- そうしようとしないでください。
2:39 学生: 僕たちは、それが見えません。 僕たちは、何も恐れが、見えません。
2:45 K: 君は、全く正しい。 蛇は、目に見えますが、恐れは、目に見えません。 で、それを見つめることのほうが、はるかに困難です - それを観察する、 それに向き合う、 それを理解するほうが、です。 ですね? で、君は、理解するよう、それに向き合うよう、 それを見つめるよう、何をするのでしょうか - 完全に・・・そのものの内的な本性を、です。 君はどのように、進行しますか。 質問を理解できますか。
3:22 学生: どうやって、それを取り除くのか、です。
3:24 K: どうやってそれを取り除くのか、だけではなく、 どうやって、それを見つめるのか、です。 初めに君は、それを見つめなければならないでしょう。 君は、それを取り除ける前に、それを見つめなければなりません。 いいですか? 君は、自分の恐れを見つめるのでしょうか。 そうするでしょうか。 君は、何かを見つめるとは、どういう意味かを、知っていますか。
3:49 学生: それから逃げ去らない。
3:51 K: ええ、そのとおりです。 それから逃げ去らない、 それを抑圧しない、 それを説明しようとしない。 それを分析しようとしないのです。 君は、「それを分析する」とは、どういう意味かを、知っていますか。 「分析(アナリシス)」という言葉は? いいえ?

学生: もっと詳細へ入ることです。
4:09 K: それを検討すること、それについて、詳細へ入ること。 それらをしないで、ただそれを見つめます。ですね? 先日の朝、私が、君たちへ言いましたように、 ただ、花を見つめてください。 君はそれを、ばらばらに引き裂けますが、そのときそれは、もはや花ではありません。 ただそれを見つめる。 いいですね? 同じように、君は、恐れを見つめられますか。
4:34 学生: 僕たちは、その時間を持っていないかもしれません - 誰かが、自分に何かをしているなら、です。
4:39 K: ええ。 誰かが君に、何かをしています。 そのとき、君は怯えますね。 さて、君は、その恐れを見守れますか。
4:51 学生: いつの時も、自分の思考を、見守らなくてはいけません。
4:57 ナラヤン: いつの時も、自分の思考を、見守らなくてはいけません。
5:02 K: 誰が君に、それを語りましたか。
5:04 学生: 私は、それを試してきましたが、 私は、それより、滑り落ちつづけます。
5:09 K: で、君は、自分の思考を、見守ります。 いいですか。 君は、自分の思考を、見守ったことが、ありますか。
5:16 学生: あまり多くはありません。
5:18 K: あまり多くはない。 ですが、君はそもそも、そうしたことが、ありますか - 一回か、二回か?
5:24 学生: 時々、はい。

K: はい。君はそうしてきたとき、
5:28 君は、自分の思考を見つめてきたとき、 何を見つけましたか。
5:36 学生: 私は、自分自身を理解しただけです。 

K: 何?
5:39 学生: 私は、自分自身を理解しました。
5:44 K: 君は今、思考を持っています。 そうでないですか。
5:47 学生: はい。
5:51 K: では、その思考は、観察されますか。 進んでください。君は、かなり賢いね。 進んで、私に言ってください。 君は今、考えているでしょう?

学生: はい。
6:04 K: で、君は考えているとき、自分の考えを、観察できますか。
6:08 学生: はい。

K: 君は、観察できるでしょう?
6:11 学生: はい、私たちはできます。

K: はい。さて、ちょっと待ってください。 君は、自分の思考を観察するとき、何を見つけますか。
6:17 学生: それはいつも、駆けています。 それはいつも、飛び回っています。
6:19 K: ええ。それは、いつも飛び回っています。 さて、君は、一つの思考を、飛び回らさせずに、見つめられますか。
6:30 学生: それはできます。
6:32 K: それはできます。 では、君は今、それをできますか。 君は、自分の思考が精神に入ってくるとき、それを見守れますか。 君は、それを見守れますか。
6:49 学生: それはできます。

K: はい? では、君は、思考を見守るとき、何を見つけますか。
6:56 学生: 自分が何について考えているかを、理解します。
6:59 K: もぞもぞしないで。
7:01 学生: 自分が何について考えているかを、理解します。
7:03 K: さて、ちょっと待って。 ええ、君は理解します。 思考を一つ、取り上げてください。 君の思考は、何ですか。思考を一つ、取り上げてください。
7:15 学生: 僕はそこを見つめました - 集会を、です。 僕はそこを見つめたとき、試験について考えました。 ICSE(インド中等教育修了証)試験、です。
7:23 K: さて、君は、集会を見つめて、自分の試験について、考えます。 君が、自分の試験について考えるとき、試験についての思考は、何ですか。 君は、私の質問を、聞いていましたか。 彼は、試験について、考えています - ですね? さて、その思考は、何ですか。 試験について、ではなく、 考えることこそ、です。
7:58 学生: 未来についての恐れです。
8:03 K: 未来についての恐れ。
8:08 さて、君は、未来についてのその恐れを、観察できますか。 恐れを、 それが浮かんでくるとき、です。 君は、蕾が花開いていく映画を、 見たことがありますか。 ありますか。 それは、きわめて、きわめてゆっくり行われます。 それには、たくさんの時間が、掛かります。蕾が・・・花が咲きます。 同じように、君は、自分が考えるのを、見守れますか。 試験について、ではなく、考えることを、です。 できない? できますか。
8:47 学生: 僕は、やってみたことが、ありません。
8:49 K: まだない。なぜですか。
8:51 学生: やってみていません。

学生: 私たちは、まだ試していません。
8:55 K: 試してください。 今、そうしてください。 時間を掛けてください。 なぜなら、考えるとは何であるかを、理解することは、とても重要であるからです。 何かについて、ではない。 君の試験について、 君の両親について、君の教師について、 君が次の瞬間に何をしようとしているかについて、ではなく、 考えること自体を、です。 理解できますか。
9:18 学生: それは、どういう意味ですか。 僕は理解できません。
9:21 K: 君は、理解できません。 説明しましょう。 君は、あの男の子を見つめて、「彼は僕の友だちだ」と言えますね。 または、君は、自分の試験について、考えられます。 それについて考えることが、恐れを、引き起こします。 または、自分の家について考えます。 そして君は、家に帰りたいと思います。 で、それら考えるのは、何かについて、です。 いいですか。明らかですか。 何かについて、考える。 私は君に、 考えるとは、どういうことかを、見出すように、頼んでいます。 何かについて、ではない。 質問を理解しましたか。
10:07 学生: はい。あなたは、考えることが何であるかだけを、知りたいんです。
10:09 K: そのとおりです。
10:15 学生: 考えるのは、実際は、精神の動きだけです。 なぜなら、精神は、まったくじっとしていられないからです。 で、それは、動きまわりつづけます。
10:26 K: で、君は、考えることは、精神の中から生まれると、言います。
10:33 学生: はい。

K: 同意しますか。いいです。
10:36 同意しますか。 

学生: はい。

K: 君たちは、みんな聞いていますか。
10:39 学生たち: はい。

K: よし。
10:45 で、考えることは、精神の中から生まれます。 それが、生まれてくるところの背景は、何ですか。
10:57 学生: 思考は、いつも何かに、関係しています。
11:00 K: ええ。私は、思考は何かに関係していると、言いました。
11:03 学生: はい。いつも、何かについて、考えています。
11:06 K: 今、私は君に、考えることのみは何であるかを、見出すように、 頼んでいます - 彼が指摘したように、何かについて、ではない。
11:15 学生: それは、自分の思考です。
11:17 K: 精神に生ずる、純粋な思考です。 さて、土の中から、花は生長しますね。ですね? 土なしに、花はありえません。 で、考えるのが出てくるところの土が、なければなりません。
11:33 学生: 自分の精神です。
11:35 K: 待って。君は、私の質問を、理解しましたか。
11:37 理解しましたか。
11:38 学生: はい、基礎です。
11:41 K: 基礎、地盤、土 - それが、出てこられるところの畑ですね。 で、私は君に、訊ねています - その畑、基礎、大地とは、 何ですか。 思考が出てくるところの、畑です。 よく気をつけて、考えぬいてください。
12:08 質問を理解しましたか。

学生: はい。
12:10 K: 考えることの原因は、何ですか。 君は、それを理解しましたか。
12:17 学生: 理解です。
12:18 K: いえ、気をつけて聞いてください。 花は、土の中から出てきます。 思考は、何らかの土の中から出てきます。 その土は、何ですか。 気をつけて、ゆっくり考えぬき、時間を掛けてください。 辛抱してください。
12:39 学生: 或ることが、起きるとき、それについて、考えはじめます。
12:43 学生: 或ることが、起きるとき、それについて、考えます。
12:50 学生: 記憶です。
12:53 ナラヤン: 彼は、土は記憶であると、言います。
12:57 K: 誰が、そう言いますか。 君は、土は記憶であると、言います。 おやまあ。 そのとおりですか。 それは正しいでしょうね。
13:10 学生: はい。
13:12 K: 君は昨日、蛇を見ました。 君は、それを憶えていますね。 それは、精神に入っています。 君は、蛇について、考えています。 なぜなら、それを憶えているからです。 で、思考は、記憶の中から出てきます。
13:30 学生: 理解です。
13:31 K: それは、後で来ます。私が話していることを、ただ観察してください。 理解ではない。 理解は、はるか後に、来ます。 思考が、出てくるか、 生じてくるところの土 - その土は、記憶です。 いいですか? 明らかですか。 記憶とは、何ですか。
13:58 学生: 自分の過去の経験について、考えること、 過去についての知識。

K: そのとおりです。留めてください・・・
14:06 で、考えることが、発生します - 記憶の中から、出てきます。 ですね? 記憶は、過去の経験です。 ですね? さて、過去の経験は、記憶です。 そして、思考は、記憶より発生します。 記憶から来ます。 さて、経験とは何ですか。
14:36 学生: 自分自身を、何かへ露出することです。
14:39 K: 自分自身を、何かへ露出すること。 進んで、入ってください。 私は、君に訊ねています - どうぞ、君たちの幾人にも、です。私は、これら二人だけに、話していません。
14:57 学生: 或る出来事に、関与していて、それについて、考えます。
15:00 K: 君は、或る出来事に、関与しています。 すなわち、 君は、車を運転しています。 そして、事故を起こします。 そうならないことを、願いますが、君は、事故を起こすかもしれません。 そのとき、それは、事件です。 で、経験は、過去に起きた事件です。
15:27 学生: はい。
15:29 K: 君は、明らかですか。 いいですか? 理解しましたか。 君は、運転しています。 君は、誰かにぶつけます。 それは、経験です。 経験は、何か過去に起きてきたことです。ですね? で、一歩一歩、行ってくださいね。 出来事、 経験、 あの出来事の記憶 - 記憶が、思考が中から出てくるところの土です。 君は、それを分かりましたか。 明らかですか。 で、考えることは、記憶です。 記憶の応答です。 応答は、中から出てくることを、意味しています - 応答することです。 私は君に、質問をします。 そして君は、応答します。 ですね? で、事件、 経験、 その経験の知識、ですね? それは、記憶です。 そして、記憶から、思考が来ます。 順序が、分かりましたか。
16:50 学生: でも、そのとき私たちは、過去の世界に生きていると、思いませんか。
16:54 K: 君はいつも、過去の中に、生きています。 君は全く正しいよ。 いいですか?
17:02 学生: でも、それは必要です。 でも、過去は必要です。
17:04 K: 君は、過去が必要です。 君たちはみんな、どこで育っていますか。 君たちはみんな、私にとって、あまりに頭が良すぎます。 で、初めに、思考がどう来るのか、 思考がどう生ずるのかを、理解してください。 経験は、車のように - 出来事、経験、記憶、思考です。 さて、数学は、順序なのでしょう。

学生: はい。

K: 順序は、秩序を意味しています。 いいですか、分かりましたか。 すなわち、出来事、 経験、 記憶、思考。 分かりましたか。 君は、はっきりしていますね。 よし。
18:11 学生: でも、初めて、何かを見て、 それについて考えているとき、それは何ですか。
18:19 K: 君は、初めて、何かをします・・・
18:24 ナラヤン: 何かを初めて見ていて、 そして、考えているとき、それについては、どうですか。
18:30 K: で、君は初めて、何かを見ますね。 それは、事件です。 それは、出来事でしょう。
18:45 学生: でも、あなたは、それを他の何へも、関係させられません。
18:47 K: ええ。

学生: その時に、 その経験を、他の何へも、関係させられません。
18:51 K: そのとおりです。 で、その出来事・・・ そのものを、初めて見る。 そして、それを憶えている。 ですね? 憶えているのは、それを見たことの記憶です。 その記憶から、思考が来ます。 分かりましたか。 それは、まさに初めての時であるとしても、です。 いいです。 ふぅー!
19:22 学生: あなたが、花を見るなら、 初めて、花を見ています。 あなたは、その花を、他の何へも関係させられないでしょう。 前に、花を見たことがなかったなら、 あなたは、それを、他の何へも関係させられないでしょう。
19:36 K: ええ、そのとおりです。でも、君は、それについて、考えます。 君は、それを見つめます。 君の精神は、それを憶えます。 憶えているのが、記憶と思考です。ですね?
19:49 学生: それは、後です。

K: それは、後です。
19:54 学生: その時に、その花について、考えるなら、 それの記憶は、ありません。
19:59 K: もちろん、あります。
20:01 学生: その花を、前に見たことが、ありません。
20:04 K: 君はその花を、前に見たことがありませんね。 それを、前に見たことがなかったなら、君はそれを、花と名づけるでしょうか。 私の問いに、答えてください。 君は、それを、花と呼ばないでしょう。 呼ぶでしょうか。 で、君は、何かを学んだのです。 気をつけて、聞いてください。 君は初めて、何かを見ます。 君は、それに名づけられませんね。 君がそれに、名づけた瞬間、それは、記憶になります。
20:41 学生: あなたは、それについて、考えはじめます。

K: ええ。分かりましたか。 すなわち、何でも、初めて見るもの、 それを名づけないで、見つめてください。 君がそれに名づけた瞬間、それはすでに、認識です。 ゆえに、それは記憶です。 分かりましたか。 いいです。 で、君は順次、考えるのか、 あるいは、無秩序に考える - それは、順序立っていない。 分かりましたか。
21:22 学生: 私たちは毎回、何かを見つめるたびに、 それを新たな形で見なくてはいけないって、仰るつもりでしょうか。
21:30 K: 君が、何かを見つめるとき、 まるで初めてかのように、見つめられますか。 君は、あの花を見つめられますか - いえ。私はそれを、花と呼ばないでしょう。 君は、その色を見つめられますか - そこのあのもの、です。 それを初めて、見られますか。 できますか。 

学生: 私たちは、すでにそれを、前に見ています。
21:51 K: 待って。私は知っていますが、ただ見出してください。 答えをすばやくしないでください。 君は、まるで初めてかのように、あのものを、見つめられますか。
22:02 学生: なぜ私たちは、そうすべきですか。
22:09 K: なぜ私たちは、そうすべきですか。 なぜ私たちは、まるで初めてかのように何かを、見つめるべきですか。 なぜですか。 君は、どう考えますか。 それは、それについて考えるのに、私が時間を掛けている、と いう意味ではありません。 君は、どう考えますか。
22:33 学生: それを適切に見つめるように、です。
22:39 N: そのとき、それを適切に見つめられると、彼は言います。
22:41 K: 全くそのとおり。 君は、何かを学んだのです。 すなわち、君は、あのものを、見つめるなら、 それを、何回も、見つめてきたのです。 ゆえに君は、「あれは花だ。赤い」と言って、先へ動いていきます。
22:55 学生: 今、僕は、それが花であると、知っています。 僕がそこへ行って、花を適切に見つめるなら、 僕は花を、適切に見ています。
23:02 K: そのとおりです。 すなわち、君が初めて、花を見つめるなら、 それを、記憶なく、 思考なく、見つめる、という意味です。 ただ、それを見つめる。 そのとき、それは初めてです。
23:21 学生: 僕は、それが花であるのを、知っています。
23:24 K: ええ。それを花と呼ばないでください。
23:27 学生: いいですよ。 

K: いいですよ、って、言わないでください。
23:31 学生: でも、僕はそれを、すでに知っています。

K: さて、君は、過去三日か、四日の間か、何であれ、
23:44 私の横に、座ってきましたね。 私は、君を見つめてきましたね。 私は、君の名前を知っています。 なぜなら、ナラヤンさんが私に、君の名前、 君がどこから来ているのかなどを、語ってくれたからです。 で、私は、それらの記憶を、持っています。ですね? 私が君を見つめるとき、それらの記憶が、作動しています。 記憶が、作動していますね。 で、私はけっして、君を見つめません。記憶が作動しています。
24:13 学生: あなたはけっして、考えません。

K: 君はけっして、見ません。
24:17 理解できますか。いいえ、まだまだか。君は理解しません。
24:28 学生: その人物を見ないって、仰るんですか。
24:32 K: そのとおりです。 君は、その人物を見ません。 君は、記憶を見ます。 分かりましたか。 私が言っていることを、理解できますか。
24:42 学生: はい。

K: いえ、はっきりしてください。
24:44 君はそれを理解しないのなら、私は、それを十回、説明するでしょう。
24:47 学生: その人物を何かへ関係づけるとき、 彼について考えるとき、彼を、見ません。
24:52 K: そのとおりです。すなわち、私は、君について、考えています - 君の名前、君がどこから来ているのか、 君のお父さんが何をするのか、君の街がどこにあるのか、などを、です。 で、私は、君を見ません。 私は、それらを経てゆかないなら、 君を見つめられますね。 分かりましたか。
25:11 学生: 私たちは、記憶を持っているなら、 正しいように、その人物を研究しない、っていう意味ですか。
25:17 K: そのとおりです。
25:19 学生: 何も記憶なし、という意味ですか。

K: いいえ、見てください。 君は、私を傷つけました。 仮に、君が私を傷つけた、とします。 私の悪口とか何かを、言いました。 君は、私を叩きました。 で、私は、それの記憶を、持っていますね。 で、私は次回、君に会うとき、 私は、君を見つめません。 私は、その傷を、 その傷の記憶を、持っています。ですね? で、私はけっして、君を見ません。 それを理解できますか。
25:47 学生: 僕たちは、これを乗り切ることが、できていません。
25:49 K: いいえ。私は後で、君に、それをどう乗り切るのかを、 示すでしょうが、初めに見てください - 君が私を傷つけてきて、私はその傷を憶えているなら、 そして、私が君に、次回会うとき、その傷が、浮かんできます。 で、私は、君を見ません。 分かりましたか。 分かりましたか。 よし。
26:11 学生: あなたが、見ると仰るのは、実際に、どういう意味ですか。 それは、思考ではないですか。

K: ないです。
26:18 私がいう、見るとは、私は君を見つめる、ということです。
26:22 学生: 記憶がない。

K: 記憶がない。 私は、君を見つめます。私は、君が何であるかを、見ます。私は、君の色を見ます。 そのとき、私は検討します。よろしいですか。私は、君を見つめています - 私の傷の記憶をとおして、君を見つめていません。 それを理解しましたか。 よし。
26:38 学生: こういう意味で仰いますか- もし、蛇が進んでいるなら、 私はそれを突っつく。 それは、振り向いて、私を咬む。 そのとき私は、毒を取り除かないといけません。 次回、私はそれを見るとき、私は、再びそれを突っついて、 何が起きるかを、見なくてはいけない、って意味ですか。
26:52 K: もちろん、そうではありません。 それは、あまりに愚かでしょうね。
26:54 学生: はい。そのとき、その記憶が・・・

K: 待って。で、見出してください。
26:57 それがどういう意味かを、見出してください。 すなわち、君は、蛇を見てきました。 それは、君を咬んできました。 そして、君は、痛みを乗り切ったのです。 再び君は、散歩へ行っています。 君は、その蛇を見ます。 君は、それが自分を咬むのを、許すでしょうか。 

学生: いいえ。
27:15 K: いいえ。それは、どういう意味ですか。

学生: 過去の経験のせいです。
27:18 K: 待って、気をつけて、聞いてください。 すなわち、君はまだ、過去から考えています。 そうでないですか。 さて、それは、智恵の作動ですか。
27:37 学生: はい。

学生: はい。 でも、それにはまた、記憶も関与しています。
27:44 K: 関与しているのは、知っています。 君は、私の質問を、理解していません。 老いた人々さえも、これを理解しません。 だから、ゆっくり受け取ってください。 私は、散歩のために行っています。 私は、注意を払っていません。 そして、蛇に、私は咬まれます。 痛み、 痛みが癒える。 そのとき、それは記憶です。 記憶が、そこにある - 咬まれたこと、 痛みがあること、病院へ行くことの、です。 それらの記憶が、そこにある。 さて、次回、散歩に出かけるとき、私は、蛇に出会います。 私は、その蛇を見つめて、 それに怯えないことが、できますか。
28:40 学生: それはできますが・・・

K: いいえ。できますが、ではない。
28:46 学生: 記憶なしには、あなたは、 その人物は毎回、変化しつつあると、結論できる、という意味ですか。
28:54 K: 何ですか。 

N: 記憶なしには、あなたは、その人物は毎回、 変化しつつあると、結論できる、という意味ですか。
29:02 K: 全くそのとおり。 なぜなら・・・ 君は、私を傷つけてきました。ですね? 私は、それの記憶を、持っています。 次回、私は、君に会うとき、 その記憶をとおして、君を見つめますが、 君は、変化したのかもしれません。 君は、「すみません。私は君を傷つけてきました」と、言うかもしれません。 君は、変化してしまったが、 私は、傷を憶えています。 で、私は、変化していませんが、君は、変化したのです。 いいですか。 論点を捉えましたか。
29:47 学生: 蛇は、たいがい、変化していないでしょう。
29:55 K: 君は私を、からかっていますか。 もちろん、そうではない。 蛇は、変化しようとしていません。 なぜなら、蛇は、君に怯えているからです - 君が蛇に怯えているのと同じように、です。 で、それは、蛇の本性です。 それは、傷つきたくないのです。 ゆえに、それは咬むんです。
30:22 学生: で、それを回避します。

K: 回避します。
30:26 で、私たちは今、何について、話していますか。戻ってきましょう。 私は、君たちに言いました - 君は、恐れについて考えましたか、と。 ですね?君は、それについて、 君たちの教師たちと、話し合ってきました - そうしたなら、です。 そうしてきましたか。 いいえ。そうしてきていない。 なぜですか。
30:49 学生: 僕は、それについて、考えただけです。
30:51 K: 君は、それについて考えましたが、 君は、それについて話しませんでした。よし。 さて、君は、恐れより自由ですか。
30:57 学生: いいえ。

K: なぜですか。
30:59 学生: いつも、思考があるからです。
31:02 K: で、君は、何かを見つけたのです。 さて、気をつけて。 気をつけて、聞いてください。 君は、見つけたのです - 考えることが、恐れをもたらす、と。 君は見つけましたか。

学生: はい。
31:14 K: 自分の試験について考えることで、君は、恐ろしくなります。
31:19 学生: 記憶をとおして。
31:20 K: いいえ。私は、「気をつけて聞きなさい」と、言いました。
31:23 あまりに急がないでください。 試験について考えることが、君に恐れを、もたらします。 さて、それは、未来について考えることで、 君は恐ろしくなる、という意味です。 ですね? で、君は、未来について、考えるのを、止められますか - 屋根が落ちてくるかもしれない。 私は、けがをするかもしれない、と。 で、私は、怯えています。 私は、怯えています - 私は、明日、死ぬかもしれません。 ゆえに、私は怯えています。 で、未来について考えることが、恐れの始まりです。 分かりましたか。 それを理解しましたか。
32:13 学生: はい。ですが、どうすれば、それについて、 考えるのを止められるのでしょうか。
32:17 K: 初めに私は、君に示そうとしています。
32:20 学生: 私たちが、過去と現在について考えるのを、止めなくてはいけないなら、 未来には、何が起きようとしていますか。
32:27 K: 私は君に、示そうとしています。 初めに、考える過程全体を、理解してください。 そのとき君は、それへ、はるかに入れます。 ですが、初めに、その原理、その法則、その順序を、得てください。 分かりましたか。 さて、未来について考えることは、恐れを引き起こします。 死について考える。 世論について、考える - 人々が何と言うかもしれない、と。 試験について考える。 ゆえに、未来について考えることが、恐れをもたらします。 または、過去について、考えること - 自分はどこで蛇に咬まれたのか。 ゆえに、恐れがあります。 ですね? 未来について考えるとか、過去について考えることが、恐れをもたらします。 これを、理解しましたか。 これは、明らかですか。 これを、理解しましたか。 本当に理解しましたか。 ここで、ではない。 言語的にではなく、それを理解する。
33:38 学生: あなたは、現在にのみ、いるべきです。
33:40 K: 私はそこへ、来ようとしています。 過去について考えることや、未来について考えることが、 恐れをもたらします。 いいですか?これを理解しましたか。 君は、あれがマイクロフォンであるのを、理解したような意味で、 それを理解しましたか。 あれほどに明らかですか。
34:03 学生: で、何かを理解しないとき、 それに怯えています。
34:08 K: そのとおりです。 それは、君は、それを見つめて、それを検討しないとき、 それについて怯えるかもしれない、という意味です。
34:16 で、検討、今、それを見つめることが、 恐れを引き起こしません。 ゆっくり、ゆっくり行ってください。 今、見ている。 すなわち、君は、過去や未来について、考えていません。 ゆえに、恐れがありません。 いいですか。 で、初めに、その法則を理解してください。 法則とは、順序を、意味しています。 すなわち、死について考えること、 お父さんが言うかもしれないことについて、考えること、 自分の教師について、考えること- 彼は、君を叱るかもしれません - または、過去に受けていた痛みについて考えて、 それに怯える。 で、未来と過去について考えることが、恐れです。 分かりましたか。 さて、ゆっくり、きわめてゆっくり行ってください。 で、私たちは、言いました - 考えることは、出来事です - 事件、経験、 記憶、思考です。 で、思考は - 気をつけて聞いてください - 思考は、いつも過去です。 いいですか。
35:55 学生: 未来は・・・
35:58 K: 未来は、思考が投影するものです。 それは、分かりましたか。 気をつけて。 きわめて明らかに、これを理解してください。 すると、君は、そこに何が関与しているのかが、分かるでしょう - 事件、出来事、経験、記憶、思考です。 で、思考は、記憶から出てきたものです - すなわち、過去からです。 すべての思考は、過去からです。
36:35 分かりましたか。 

学生: それは、現在からでも、ありえます。
36:40 K: 君は、今すぐ見出すでしょう。 初めに、言われつつあることを、聞いてください - すなわち、記憶の中から生まれた思考は、いつも過去です。
36:54 学生: 自分が気をつけないから、恐れがあります。

K: すなわち、君が気をつけないから、恐れ、です。
37:07 すなわち、気をつけないことは、 君が、思考の動き全体を理解してこなかったときの、 精神の状態です。 で、はっきりと見てください。 君が考えるのは、いつも過去からです。
37:35 学生: はい。

K: 明らかですか。
37:41 K: その考えが、未来を投影するか、見るのです。 で、過去から考えることが、現在を通ってゆき、 未来になります。 いいですか。 

学生: はい。

K: 明らかですか。
38:00 K: で、そのとき、問いは、こうです - 君は、この思考の動きなしに、何かを、見つめられますか。
38:11 学生: 僕は、それをどうやるのかを、知りません。
38:14 K: 何をするのか、ではない。 私はそれを、君に説明しましょう。 君は、自分がいつも過去に生きることを、悟りますか。 すべての人間は、過去に生きます。
38:27 学生: はい。
38:29 K: 明らかですか。いつも過去です。 お父さんが言ったこと、私がしたこと、私が未来にすべきこと、 すなわち、未来は、過去なのです。

学生: はい。

K: で、人間は、すべての人間は、 過去に生きます。 待って。
38:49 学生: それだけではなく、私たちはまた、過去について、学びます。
38:52 学生: 私たちはまた、過去について、学びます。
38:59 K: 君は今、過去について学んでいます。
39:03 学生: 私たちは、歴史を持っています。
39:06 学生: 歴史です。 歴史は、過去について、です。
39:10 K: いいえ、いいえ。ただ、気をつけて聞いてください。 歴史とは何ですか。
39:15 学生: 過去について、学ぶことです。
39:17 K: 過去について、学ぶこと。 何を学ぶのですか。
39:21 学生: 僕たち自身について、です。
39:27 学生: 彼は、僕たち自身について、と言います。
39:30 ナラヤン: 私たち自身について、学ぶ。
39:32 K: 君自身について。 すなわち、歴史は、人、男と女の物語です。 いいですか? で、男と女が、 この社会を、創り出してきました。ですね? すみません。私は、それを錯綜させてはいけません。 で、男と女について学ぶことが、歴史ですね。 それは、君自身について学ぶ、という意味です。 なぜなら、君は、過去の結果であるからです。ですね? で、君は、歴史を研究するとき、君自身について、学んでいます - 自分の暴力、自分の心配、自分の恐れ、自分の戦争、自分の王たち。 そのすべてを、君は学んでいます。 いいですか? 神様! 二、三分、もらってもいいですか。
40:39 学生: 過去について学ぶことから、何を得ますか。
40:44 K: 何を得ますか。君のいう、得るとは、どういう意味ですか。
40:50 学生: それはただ、人の好奇心を、満足させます。 それはただ、人の好奇心と学びを、満足させます。
40:57 K: ええ。それは、人の好奇心を、満足させます - 自分が何であったのか、自分の曾祖父たちが、何をしたのか、 そのまた曾祖父たちが、何をしたのかについて、です。 人は、好奇心があって、知りたいのです- 人間たちが、どのようであったのか、 今、人間たちが、何であるのか、 そして、人間たちは、変化しないなら、どうなるだろうかを、です。
41:19 学生: 好奇心とは、何ですか。
41:22 K: 好奇心とは、何ですか。
41:25 学生: 何かについて、知りたいと思うことです。
41:27 K: そのとおりです - 何かについて、知りたいことです。 さて、一分間、止まってください。 私は君に、訊ねています - 君は、いかに恐れが生まれるかを、見ましたか - 過去について考える、未来について考える。 過去や未来について考えるのを、止めることは、可能ですか。
42:04 学生: すると、私たちは、空白の精神をもって、生きなくてはいけません。
42:08 学生: 空白の精神をもって生きる。
42:10 K: 空白の精神をもって生きる。 それは、どういう意味ですか。
42:13 学生: それについて、何も知らないんです。
42:16 K: いいえ。君は、あらゆることについて、知っています。君は、大変多くを知っています。 どうして君は、空白の精神を、持てますか。
42:22 学生: すると、それは、自分の記憶からです。
42:28 K: いいえ。気をつけて聞いてください。 君は、聞いてきませんでした。 私は君に、何かを訊ねています - 君が気にしないなら、 私が訊いていいなら、ですが、君は、理解しましたか。 ただ言葉だけからではなく、君の心から、です。 心から君は、理解しましたか - 過去について考えること、 未来について考えることが、恐れをもたらすことを、です。
42:53 学生: はい。
42:57 K: 恐れから自由であること - 何が、含意されていますか。
43:02 学生: 過去や未来について、考えるべきではない。
43:04 K: そのとおりです。 恐れから自由であるとは、 過去や未来に関与していないことです。 君は、それをできますか。
43:15 学生: 僕は知りません。
43:17 K: 君は、知らない。 してください。 すなわち、過去や未来について、考えないでください - それが、恐れをもたらします。 ゆえに、恐れを持たないことは、 過去と未来より、自由であることです。 分かりましたか。 君は、過去から自由でありえますか - 過去の痛み、過去の傷、過去の記憶、 そして、過去から未来へ考えることが、恐れを、もたらします。 ゆえに、過去や未来について、考えることが、ありません。
44:06 学生: で、私たちは、あらゆる物事を、新たな形で、見つめなくてはいけません。
44:09 K: 初めに、原理を得てください。 初めに、です。 これを初めに、理解してください。 そのとき、君はそれを応用できます。 君は、何かを発見したのでしょう。 すなわち、考えること自体が、恐れであるのです。
44:27 学生: それは、なぜなら・・・

K: 待って。君は、それを理解しましたか。 考えること自体が、恐れの動きであるのです。
44:45 学生: はい。

K: で、君は・・・

学生: 考えることは、継続できます - 過去について考える代わりに、 現在についてのみ、考えられるなら、です。
44:59 K: ええ。で、君はどうやって、現在について、考えられますか。 なぜなら、考えることは、記憶であるからです - それは、過去です。 で、君が、現在について考えるなら、 それはやはり、過去の動きです。 ですね? そうね、ここには - 君は、そうすることが、できないかもしれません - ここには、本当の冥想が、関与しています。 これが、冥想の真の本性です。 私は、それに入らないでしょうが、私はただ、君に語っています。 君が、過去と未来は、恐れを収容していることを、理解したなら、 思考自体が、恐れを作っています。 ゆえに、恐れがあるとき、愛がありません。
45:54 学生: はい。

K: 理解しましたか。 ゆえに、考えることは、愛ではありません。
46:04 学生: なぜ私たちは、互いに愛し合わなければなりませんか。
46:10 K: なぜ私たちは、互いに愛し合わなければなりませんか。 君は、なぜ、自分がそうすべきだと、考えますか - しなければならない、ではない。 なぜ君は、愛を持たなければならないと、考えますか。
46:25 学生: 協調がない。
46:31 K: すなわち、君は、愛を持たないなら、 協調はない、 調和はない、と言っていますか。
46:39 学生: はい。あらゆる人が、違ったように、考えるでしょう。
46:41 K: はい。 君は、これを見出したのですか。

学生: はい。
46:47 K: それは、君が人々を愛している、という意味です。 

学生: はい。
46:54 K: 君は、お父さんやお母さんを、愛していますか。 

学生: はい。
46:59 K: もちろんですか。

学生: はい。
47:02 K: でも、君はまた、彼らに怯えています。 そうでないですか。 

学生: 時々です。
47:06 K: 時々。 で、愛と恐れは、伴えますか。
47:13 K: 私の問いに答えてください。 原理を得てください。 

学生: 伴えません。
47:17 K: ゆえに、君が恐れを持っているとき、愛がありません。 

学生: はい。

K: ですね? で、憎しみ、怒り、嫉妬、妬みは・・・
47:33 学生: ・・・愛と伴えない。

K: ・・・愛を拒否します。 いいですか? 君は、嫉妬深いなら、愛せません。 君は、怯えているなら、愛せません。 君は、憎むなら、愛せません。 そして、愛は必要です。 なぜなら、それなしでは、君は生に、調和を持っていないからです - 君が呼ぶように、協調を、です。
48:06 学生: でも、ときに、お父さんに叩かれるなら、 それを忘れてしまい、それから再び・・・
48:14 N: お父さんに叩かれるなら、 それを忘れてしまう。 それから再び、彼を愛します。
48:20 K: お父さんに叩かれるとき、それを忘れてしまい、再び彼を愛します。 でも、君は、その叩かれたことの記憶を、持っているでしょう。
48:32 学生: しばらくの間だけです。
48:37 K: 君はそれを、しばらくの間だけ、持っています。 その時の間に、君は、彼を愛しません。 

学生: はい。
48:45 でも、それは、いつもではありません。 それは、ごく稀な時です。
48:49 K: 君のお父さんは、君を叩きますか。

学生: いいえ。
48:52 K: いいえ。よかった。 誰にも、叩かれないでください。 それを許さないでください。 誰かが、君を叩こうとするなら、 「すみません。叩かないでください」と言ってください。
49:08 学生: それを言う時までには・・・

K: いえ。ただ気をつけて、聞いてください。
49:12 理解できますか。 叩くことは、きわめて間違っています - 特に、君が幼いとき、です。 君は、敏感です。 君は、叩かれてはなりません。
49:24 学生: 幼いとき、傷つけない。
49:27 K: はい。
49:32 学生: それは、どこでも実行されていません。
49:40 K: それは、どこでも実行されていません。 それは、どういう意味ですか。 君は叩かれる、ということです。
49:47 学生: いえ、叱られます。 叱ることで、十分です。 叩くより、その方が傷つきます。
49:51 K: そのとおりです。 叱られるのを、許さないでください。 叱られるのは、間違っています。
49:58 学生: 彼らは、私たち自身のために、そうしてくれています。
50:02 K: 私は君のために、君を叩くの? 私は、君に怒っています。
50:07 学生: で、二度とその誤りを、しないんです。
50:10 K: 叩かれる、叱られるのを、受け入れないでください。 それにより、君は鈍感になります。
50:18 学生: でも、私たちは、他の人物の口を、制御できません。
50:21 K: できますよ。彼に言うんです -「私を叱らないでください」と。
50:26 学生: 彼は、こちらの話を聞かなくていいんです。
50:30 K: 君が本気なら、彼は聞くでしょう。
50:33 学生: こちらが本気だと、彼はどうやって、見出しますか。
50:36 K: 君の声によって、君の身振りによって、です - 「すみません。私は、あなたが私を叩くのを、許しません!」と。 聞いてください。そうしてください!
50:49 学生: 彼は、そうしたいのなら、無理やり、できるかもしれません。
50:53 K: 君は、そうしたいなら、そうするでしょう。 いいですか。 君は、それが間違っていると考えるなら- 自分が叱られるなんてことが、です - 立ち上がって、「それはさせません」と言いなさい。
51:10 学生: でも彼が、気にしないで、叩きのめすなら?
51:16 学生: 彼は、こちらが言うことに、同意しません。 彼は、こちらを叩きます。 そのとき、どうしますか。 彼に対して、何もできません。
51:23 K: 待って、待って。何もできないと、言わないでください。 君は、「私は叩かれませんよ」と言うが、彼は君を叩きます。 そのとき、(校長の)ナラヤンさんへ行って、「これが起きました」と言いなさい。
51:35 学生: お母さんに叩かれるなら、私は、ナラヤン先生へ行けません。
51:56 K: お母さんに叩かれるなら、 彼女の手を取って、「大切なお母さん、私を叩かないでください」と、言ってください。
52:04 学生: すると、彼女は、もう一回、私を、叩くかもしれません。
52:07 K: 君は、そうするのでしょうか。
52:09 学生: はい、彼女が私を叩くなら。

K: そうです。そうしなさい。 「大切なお母ちゃん、私を叩かないでください」と。 そのとき、彼女は、それが君を傷つけることを、理解するでしょう。 理解できますか。 そのとき、お母さんは、敏感になります。
52:30 学生: はい。

K: 理解できますか。
52:45 先日、 一昨日、私たちがここで、会ったとき、 私は、君はじっと座ってくれるだろうかと、頼みました。 誰かが、あのお方が、私に訊ねました - 残念ながら、かなり冷笑的に、ですが - なぜ私たちは、じっと座るべきですか、と。 女の子たちの一人が - 私は、それが誰だったのかを知りませんが・・・
53:07 学生: あの子です。
53:09 K: あの女の子が、エネルギーを集めるためだと、言いました。
53:14 君は、それに同意しますか。
53:17 学生: いいえ、しません。

K: なぜですか。
53:20 学生: 自分が寛いでいるとき、エネルギーは自分に来ると、思います。
53:24 K: それが、論点全部です。 静かに座ることで、君は寛ぎます。
53:31 学生: 彼は、私たちは無理やりそうしている、と言うつもりです。
53:34 K: いいえ。 無理やりしないでください。 君が、じっと座りたいなら、じっと座ってください。 ここで、私が君たちに、じっと座るよう、頼むとき、 君は、そうしたい気持ちでなければ、じっと座らないで、 ただ歩いて、行ってしまってください。 いいですか。 君が正しいと思うことを、してください。よろしいですか。
54:03 学生: あらゆる人が、自分が正しいと思うことを、するなら、 たくさんの騒動が、あるでしょう。
54:10 K: 全くそのとおり。 あらゆる人が、自分が正しいと思うことを、するなら、 たくさんの混乱が、あるでしょう。 さて、何が正しいのですか。
54:20 学生: 誰も知りません。
54:22 K: 誰も知りません。 で、誰も知らないので、あらゆる人が、間違ったことを、しようとしています。
54:30 学生: 僕たちは知りません。先生、僕たちはけっして、見出せません。
54:34 学生: 正しいことが何なのかを、ご存じですか。
54:41 K: 何が正しいことなのかを、私は知っていますか。 何に関して、正しいのですか。
54:47 学生: 仰るような、正しい行為です。
54:49 K: 正しい行為。
54:50 学生: どこで、線を引きますか。
54:53 K: 私は、それを、君に示そうとしています - 君がそれに興味があって、 冷笑的ではないなら、です。 そうね、それは、私たちの惨禍の一つです。 私たちが成長するにつれて、学校の中で、ですが、 彼らは、育って、十三、十四を越えるとき、 あらゆる種類の紛糾、問題へ入り込んでしまいます。 彼らは、かなり頑なに、冷笑的になってしまいます。 そうね、なかなか、気取って、世間的に、です。 何が、正しい行為ですか。 それは、正しい行為ですか- 私たちは、時間がありません。 私はただこれを、君に指摘しようとしています - それが、先入観に基づいているとき、それは、正しい行為ですか。
55:42 学生: いいえ。僕は、そう言うつもりは、ありません。
55:44 K: 待って。私たちは、見出そうとしています。ゆっくり行ってください。 もし私は、先入観を持っていて、その先入観に沿って、行為するなら、 それは、正しい行為ですか。

学生: いいえ。
55:53 K: いいえ。もし私が意見を持っているなら、それは、正しい行為ですか。
55:57 学生: いいえ。 

K: もし私が、「私は信じている」と言い、 その信念に沿って行為するなら、それは、正しい行為ですか。
56:05 学生: いいえ。

K: いいえ。
56:08 K: で、意見、信念、先入観、 その中から生まれた、どの行為も、正しい行為ではありません。 君は、何かを学んだのでしょう。 で、正しい行為は、信念がないとき、 先入観がないとき、 意見がないとき、あるのです。 そこで、止めておきましょう。 私は、次の二週間、ここにいます。 だから、私たちはさらに、それに入るでしょう。 それで、だいじょうぶですか。

学生: はい。
56:44 K: 君は、じっと座りたいですか。

学生たち: はい。

K: 私は、君に訊ねています。 あのお方は、そこにいます。 私は彼に、訊ねています。 君は、じっと座りたいですか。 そうでないなら、立ち上がって、行ってください。 いいですか。 誰も、君を叱ろうとしていません - 少なくとも、私はそうしないでしょう。 そして、誰にも、叱られないでください。
57:47 よろしいです。