Krishnamurti Subtitles home


RV78DS5 - 言葉ではなく、人間を見なさい。
学生との議論、第5回
インド、リシ・ヴァレー
1978年12月14日



0:28 クリシュナムルティ: これが、私たちの間の、最後の講話だと、思います。 で、私たちは、何について、話しましょうか。
0:43 学生: 観察です。

K: 何ですか。
0:47 君は、観察について、議論したいでしょう。 他に何か?
0:54 学生: 怒りです。
0:56 K: 怒り。 他に、君たちは、何について議論したいのでしょうか。
1:03 学生: 精神を静かに保つことについて。
1:08 K: 精神を静かに教えることについて。
1:13 学生: 精神を静かに保つこと。
1:16 K: 精神を静かに保つこと。
1:22 学生: なぜそもそも、規則があるべきなのでしょうか。
1:28 K: なぜ規則が、あるべきなのでしょうか。 他に何か? 私の二人の友だちは、どこにいますか。 さあ、どうぞ。 もう一人は?
2:14 K: おはよう。おはよう。

学生: おはよう。

K: 観察、怒りと、 精神をどう静かに保つのか。
2:38 学生: 貧困。
2:42 K: なぜ私たちは、規則を持つべきなのか。 君は、それが好きですか。 私たちは、精神をどう静かに保つのか、から、始めましょうか。 君はそれについて、議論したいでしょうか。 

学生: はい。
3:01 K: なぜですか。 なぜ君は、精神は静かに保たれるべきだと、考えますか。
3:10 学生: エネルギーを、むだにしません。
3:18 K: 精神が静かでないなら・・・私の友だちは、言います - エネルギーをむだにしないだろう、と。 それを静かに保つなら、君は、 大変多くのエネルギーを、持ちます。 君は、それについて、話したいと思いますか。 または、君は、なぜ私たちは、学校に規則を 持つべきなのかについて、話をしたいと思いますか。 そういうことですか。 そして、怒りについて、などですか。 君は、何について、話をしたいのでしょうか。
3:58 学生: 精神、です。
4:00 K: 精神。 精神を静かに保つこと。 あの子は、観察することは、可能なのかを、訊ねました - 観察するというのは、どういう意味ですか、と。 さて、君は、自分の精神を観察するのでしょうか。 君は、自分が考えるのを、観察できますか。
4:33 学生: はい。
4:35 学生: 私たちがそれに、深く入るなら。
4:38 K: 私たちは、ゆっくり始めましょう。 それから、きわめて深く行きましょう。 私たちは、初めに、 自分の精神が働いているのを、観察することから、始めます - 私たちが、樹々、丘、人々、村人を、 見つめているとき、です。 (学校付属の)農村センター、 そして、君自身を、です。 さて、君が、観察する、と言うとき、 君がいうそれは、どういう意味ですか。 私は山々を観察します。
5:13 学生: 気をつけて見ること。 気をつけて見て、それを研究することです。
5:18 K: 初めに、気をつけて見る。 君がいう、気をつけて見るとは、どういう意味ですか。
5:26 学生: それへ深く集中することです。
5:31 K: それへ集中すること。 すなわち、見ることは、 注意をもって見ることを、意味すると、君は言っています。 それが、君がいう意味ですか。
5:44 学生: いいえ。 それを深く覗きみます。
5:49 K: さて、君がいう、それを深く覗きみるとは、どういう意味ですか。
5:52 学生: それを理解することです。
5:55 K: 君は、あの樹を見つめています。 そうでしょう? そこにあの樹が、あります。 それを見つめてください。 君は、それを深く見つめますか。 それを理解しますか。
6:09 学生: 僕たちはそれを、自分が前にやった何かへ、関係づけます。
6:16 K: そのとおりです。 君はそれを、何かへ、関係づけます - 自分が前に、 それに関して、憶えたことへ、です。 いいですか? 気をつけて、ゆっくり、考えてください。 君は、山を見つめます。 君は、あそこの、あのものを、見つめます。 君は、「山」という言葉を、使ってきました - それは、過去へ関係しています。ですね?そして、「あれは山だ」と言います。 いいですか。それは明らかですか。

学生: はい。
6:49 K: で、樹を見つめるとき、君はすでに、 そう呼ばれるものを、憶えています- すなわち、樹を、です。 で、君は、「あれは樹だ」と言います。 さて、気をつけて、ただ聞いてください。 君は、あのものを、見つめて、それを山と呼ばないことが、できますか。
7:09 学生: いいえ。

K: やってみてください。
7:12 「いいえ」と言わずに、してください。 ごらん、それが観察です。 理解できますか。
7:17 その言葉なしに観察する。
7:23 学生: それを叙述することなく。
7:26 K: ええ。その言葉なしに、 過去を、作用させることなしに、です。
7:35 学生: それが山であることを、知っているとき、 どうして、それは山ではないと、言えますか。
7:39 K: 何ですか。
7:40 学生: それは山であると知っているなら、 どうして、それは山ではないと、言えますか。
7:44 K: 私は、それは山ではないと、言いませんでした。 私はただ、こう言いました - 君は、あそこの高いあのものを、 それに名づけることなく、見つめられますか、と。 それに名づけることは、それを山と名づけることを、意味しています。 「山」という言葉を使わずに、ただそれを見つめてください。
8:06 学生: なぜ私たちは、そうすべきですか。
8:12 K: なぜ君は、そうすべきですか。 なぜなら、君が「山」と言った瞬間、君の精神はすでに、 見ることより、離れてしまったからです。分かりましたか。 さて、私が言ったことを、気をつけて検討してください。 私が言ったことを、受け入れないで、私が言ったことを、見つめてください。 私は、こう言いました - 「山」という言葉を使うとき、 君はすでに、それより離れてしまった、と。 ただ聞いて、聞いて、聞いて。
8:43 君の名前は、何ですか。

学生: サンジャイです。
8:46 K: サンジャイね。 君は、(元首相、インディラ・)ガンディーの息子ではないよね?
8:54 学生: いいえ。
9:03 K: 君はサンジャイです。 さて、私が、「君はサンジャイだ」と言うとき、何が起きましたか。 「サンジャイ」という言葉は、 私がその言葉なしに、君を見つめるのを、阻止してきました。 なぜなら、私は、サンジャイという言葉に、慣れているからです。 私は、繰り返してきました - サンジャイ、サンジャイ、と。ですね? ですが、その言葉は、私が君を見つめるのを、阻止します。 気をつけて。初めに、私が言っていることを、捉えてください。
9:36 学生: 僕はそれを捉えられません。 なぜなら、僕は、山が見えるなら、 山を見つめられるし、それが何であるかが、見えるからです。 それは、岩々を持っている、それは、樹々とあらゆるものを持っているのが、見えます。 僕は初めに、それに「山」と名づけられます。
9:47 K: でも、君は、それに名づけることなく、それを見つめられますか。
9:50 学生: それを見つめるというのは、どういう意味ですか。
9:52 K: それを見つめて、それを山と呼ばないでください。 ただ見つめる。 これは、君が理解するのが、とても重要です。
10:06 学生: それは、どう役立ちますか。

K: 私は一分間で、君に示しましょう。 辛抱してください。いいね?
10:12 学生: それは、私たちは過去を忘れなくてはいけない、って意味です。
10:14 K: いいえ。 ゆっくり行ってください。 お姉さん、私はそれを、君に説明しましょう。 私が言っていることを、理解してください。
10:23 君の名前は、何ですか。

学生: デーチューです。
10:26 K: デーチュー、ですね。 私は君を、デーチューとして知っています。 デーチューという言葉は、君ではありません。
10:39 学生: それは、どういう意味ですか。
10:42 K: 気をつけて、聞いてください。 デーチューという言葉は、君ではないですね。
10:49 学生: 私です。
10:52 K: それは、部分的には君です。 君の全体ではない。 

学生: ええ。

K: で、デーチューという言葉は、君の全体ではない。 いいですか。

学生: はい。
11:03 K: サンジャイは、この全部のものではないですね。 それは、名前です。 で、ただ、気をつけて聞いてください。 マイクロフォンという言葉は、あれではありません。 言葉は、あれではありません。 いいですか?分かりますか。
11:23 学生: はい。全体のものは、何か違ったものです。
11:26 K: ええ。 で、言葉、例えば、屋根は、 実際の事実ではないですね。
11:36 学生: 僕は、これを理解できません。
11:41 K: 君は、ドアを知っていますね?

学生: はい。
11:45 ドアという言葉は、ドアが作られているところの、 実際の木材ではありません。 で、言葉は、そのものではありません。 それは明らかですか。

学生: はい。
11:59 K: さて、憶えておいてください。よくよく気をつけて、これを心に留めてください。
12:03 学生: それは、屋根がセメントから作られていることを、意味します。 で、それは屋根であるとは、言えません。 それが何であるかを、けっして言えません。
12:08 K: そのとおり、そのとおりです。 屋根は、そのものではありません。 ですね? ドアは、実際のドアではありません。
12:17 学生: そのように作られたとき、それは、ドアとして知られます。
12:20 K: ええ。そのように作られますが、 それは、実際の事実ではないですね?
12:26 学生: 木材はドアではない、と仰っているわけです。
12:30 K: いいえ、違うよ。 さて、私の名前は、Kです。 ですね? ですが、私はKではありません。 言葉は、私ではありません。 分かりましたか。 その言葉は、私ではありません。 その言葉はただ、私を表現するだけです。ですね? で、その言葉は実際には、私ではありません。
13:05 学生: あなたは、呼ばれるだけです。

K: ええ。
13:08 サンジャイは、人物の名前ですが、 その人物は、その言葉ではありません。 分かりましたか。

学生: はい。
13:17 K: これを明らかにしてください。 これは理解するのが、とても重要です。 山という言葉は、あれではありません。 それを捉えましたか。

学生: はい。
13:29 K: 確かですか。 で、君は、何か、生においてとても重要なことを、学んだのです - 言葉は、そのものではありません。
13:40 学生: 言葉は、対象物を表現します。
13:43 K: それで、すべてです。
13:45 学生: ええ。ですが、対象物を表現する言葉が、 なぜ自分と、実際の観察との間に、入ってくるんでしょうか。
13:51 K: 何ですか?
13:53 ナラヤン: 言葉は、対象物を表現します。 なぜ言葉は、自分と実際の観察との間に、入ってくるのでしょうか。
14:00 K: そうなんです。ですが、一般的に、言葉は、間に入ってきます。
14:05 学生: いえ。あなたは、それを、山と呼びます。 山という言葉は、対象物を表示しますが、 あなたは、山を見つめます。 あなたはそれを、何かと呼ばなくてはいけませんが、 山を、そうであるものに、見られます - あなたがそれを、山と呼んでいるという事実に関わらず、です。
14:21 K: そうです。でも、ちょっと待ってください。それより、もう少し複雑です。 私は君を、もう少し連れて行きましょう。 すなわち、言葉は - 私が言ったことを、どうぞ、心に留めてください - 言葉は、そのものではない。 いいですか? サンジャイという言葉は、彼ではありません。 いいですか?明らかですか。 さて、言葉が、観察者と観察されるものとの間に、入って来るとき、 そのとき、言葉は、散漫にさせます。
14:58 学生: それは、自分がそれを見つめるのを、止めさせます。
15:01 K: そのとおりです。それは、君が自分を、デーチューを見つめるのを、止めさせます。 その言葉は、私が君を見つめるのを、阻止します。 その言葉は- 気をつけて聞いてください - 言葉、象徴、評判。 例えば、私は、評判を取っていると、します、 なぜかは、誰も知りませんが、私は、評判を取っています。 君は、私について、イメージを築いてきました。ですね? 私を見つめるには、君は、イメージ、評判、名前より、 自由でなければなりません。 そのときにだけ、君は、私を適切に見つめられます。 分かりましたか。 確かですか。

学生: はい。
15:48 K: で、君が観察するとき、言葉が介入してはなりません。 ゆっくり行ってください。私はそれを、進めようとしています。 なぜなら、言葉は、私が君を検討するのを、阻止するであろうからです。
16:04 学生: でも、僕は、知らない内に、すぐにそれに、名づけるでしょう。 なぜなら、僕はいつも、それに名づけてきたからです。
16:09 K: まさにそうなんです。君はいつも、私に名づけています。 君はいつも、名づけています- ちょっと待って - 君はいつも、私のイメージを、持ちつつあります。 それは、君に語られてきたのです。 君は、それを聞いてきた、などです。 君は、私について、イメージを作ってきました。 そのイメージは、言葉です。 ですが、そのイメージ、その言葉は、 実際に、このものではありません。 で、君が、私を見つめたいとき、君は、言葉、イメージ、名前から 自由でなければなりません- 理解できますか - そのとき私は、君を見つめられます。 もし私が君に、もし私が、「おまえは共産主義者だ」と言うなら、 それで終了です。 私は、君を見つめられません。 理解されますか。
17:00 学生: 介入するのは、イメージです。名前ではありません。
17:05 K: そうなんです。 それは、イメージ、言葉、名前です - 君が共産主義者であるなら、私が君を見つめるのを、阻止するのは。 私は、君を見つめたいと思います。 言葉ではない。名前ではない。 分かりましたか。 で、これを理解することは、とても重要です。 例えば、人々は、「ああ、彼はイスラム教徒だ」と、言います。 いいですか? 「イスラム教徒」という言葉は、大変多くの連想を、持っています。 その言葉は、私が人間を見つめるのを、阻止するでしょう。 分かりましたか。
17:46 学生: 彼をイスラム教徒と呼ぶままに、しておきます。
17:50 K: 彼をイスラム教徒と呼ばないでください。

学生: ええ、でも、そのままにしておきます。
17:53 K: そのままにしておく。 そのとおりです。
17:56 学生: もし、山を見つめるのなら、 「それは山だ」と言うだけです。 それを見つめません。 それが山であるのを、知らないなら、それを検討します。
18:03 K: そのとおりです。 君は、分かりました。 君は、分かりましたね?君は、そうするのでしょうか。 「はい」と言わないで、そうしてください。 あのものを、見つめてください。 あの非常な高さ、幾らかの高さ。 それを見つめてください。 その線すべて、 そこの石などを、見てください。 ですが、君が、「山」と言った瞬間、それは終了しました。君は見ません。 分かりましたか。
18:31 学生: はい。それは真実ですが、僕たちは、どうやってそうしますか。 なぜなら、僕たちは、それが山であるのを、知っているからです。僕たちは知っています。
18:39 K: もちろん、君は、それが山であるのを、知っていますよ。お兄さん。
18:41 学生: で、僕たちはそれを、山と呼びます。 

K: いいえ!
18:45 君がそれを、「山」と呼ぶのは、知っていますよ。いいかな、 山を忘れてください。 私は君を見つめています。 君の名前は、サンジャイです。 さて、サンジャイという言葉は、君ではありません。 言葉は、君ではありません。
19:05 学生: はい。

K: で、言葉は君ではありません。
19:09 山という言葉は、あれではありません。 分かりましたか。

学生: 同意します。 でも、僕は、それを山と呼ぶよう、いつも条件づけられてきました。
19:19 K: ええ、そのとおりです。 

学生: で、僕はどうやって、それを取り除きますか。
19:22 K: いえ、君は、それを取り除きません。 でも、言葉がいかに、君が見るのを阻止するのかを、見てください。
19:30 学生: ええ。

K: それで、すべてです。
19:34 学生: 仮に、教えている間、 初めに、学生に、対象物を示し、それから彼に、名前を語ります。
19:42 K: そのとおりです。
19:44 学生: 教える間、と彼は、言います -あなたは初めに、対象物へ名づけ、 それから、それが何であるかの物語を語らなくてはなりません。
19:49 ナラヤン: いえ、いえ。彼は、正反対のことを、言っています。 教えている間、初めに、対象物を示し、それから名前を与えるべきです。
19:55 K: それが、彼が言っていることです。 全くそのとおり。 これがいかに重要なのかを、理解できますか。 初めに、対象物を見る。 対象物を検討する。 対象物を、覗きみる。 それから、それに名づけます。 が、私たちはそれに、名づけます。 そして、それを検討するのを、忘れます。分かりましたか。 君は確かに、分かったんですか。

学生: はい。
20:18 K: 君は、観察について、あの質問をしました。 さて、これが、私が観察ということの意味です - 言葉なしに見る。 名前なしに、象徴なしに、です。 理解できますか。
20:36 学生: いいえ。
20:37 K: 「いいえ」というのは、どういう意味ですか。 私は、説明してきました。 君は、聞いていなかったね?
20:46 学生: たぶんそうです。
20:48 K: 全くそのとおり。 君は、質問をしましたが、君は、忘れてしまい、 答えを聞きませんでした。 で、私はそれを、もう一回、繰り返しましょう。 「マイクロフォン」という言葉は、このものではないですね? いいですか?それは、明らかですか。 で、言葉は、けっして現実のものではない。 私は、現実のものを見つめたいのなら、言葉を、脇に置かなければなりません。 私が、君を見たいのなら、 私は名前を、脇に置かなければなりません - それにより君が認識されるものを、です。 私はそのとき、君を見つめられます。理解できますか。 仮に、君が、イスラム教徒を嫌う先入観を持っている、とします。 「イスラム教徒」という言葉を、君は、他のたくさんの連想とともに、憶えています。 が、君が「イスラム教徒」と呼んできたあの人間を、見つめるには、 君は、その言葉を、忘れなければなりません。 そのとき君は、彼と或る種の関係を、持ちます。 理解できますか。 で、君は、学んだのです - 気をつけて聞いてください - 君は、生の中できわめて重要な一つのことを、学んだのです。 すなわち、言葉を、ではなく、 人間を見つめることです。 ですね? 彼が、(カースト制度の)不可触民やハリジャンであるのか、 ヴァイシャ、ヒンドゥー、あれやこれであるのかどうか、ではない。 君は、対象物を観察します。 君は、対象物です。 そして君は、名前ではありません。 これを、きわめて明らかに分かりましたか。
22:35 学生: もし外国人を見て、彼を前に見たことがなかったなら、 初めにすることは、彼に名前を訊くことです。
22:43 K: 初めに、それを見つめてください。
22:45 学生: はい。でも、ふつう、初めにすることは、彼に名前を訊くことです。
22:50 K: 私は理解できません。
22:52 学生: ふつう、外国人を見るとき、
22:55 前に見たことがない人を、ですが。

K: 私は外国人です。はい。
22:58 学生: そのときすぐに、僕があなたに訊ねる、初めのことは、
23:01 あなたの名前です。

K: ええ。なぜですか。
23:03 学生: なぜなら、それは、私たちが持っている、
23:06 ただ一つの同一視、身元であるからです。

K: それで、すべてです。 ですが、同一視は、君が人間を見つめるのを、阻止します。 ですね? 分かりましたか。

学生: はい。

K: 明らかであってください。 なぜなら、私は、何かへ、入ろうとしているからです - 君は今すぐ、それを理解するでしょう。 これが明らかでないなら、君は、私が言っていることを、理解しないでしょう。 いいですか?理解しましたか。 で、私は言っています - 観察する。 言葉やイメージに、介入をさせないでください。
23:36 学生: あなたは、全体のことを、見つめるよう、仰いました。
23:40 K: 全体のことを、ですね。
23:42 学生: 全体のことを、見つめなくてはいけないのなら、 名前をも、取り入れなくてはいけません。
23:47 K: ですが、私は、言いました - 名前に、君が全体を見つめるのを、阻止させないでください、と。 いいですか。分かりましたか。 で、君は、学んできました - もし君が、訊いてきたなら、もし君が、注意を払ってきたなら、ですが - 君は、言葉なく観察することを、学んできました。 いいですか? よし。 それが、私が観察と言っていることの意味です。 さて、君は、自分の精神がおしゃべりしているのを、観察できますか。 君はそれを、観察できますか。

学生: はい。
24:24 K: できますね? たとえば、ほら、私はおしゃべりしている、としますね。 さて、気をつけて聞いてください。 聞いて、初めに聞いてください。 反応しないで、初めに聞いてください。 すなわち、 君は、精神がおしゃべりしているのを、観察できますね。 さて、観察者は、観察をする者は、 彼が観察しているものより、異なっていますか。 気をつけて、考えぬいてください。
24:57 学生: 繰り返してもらえますか。

K: 私は、繰り返しましょう。
25:01 私の精神は、おしゃべりをしています。 私は、自分自身に言います - それはおしゃべりしている、と。 私は、それがおしゃべりしているのを、知っています。 さて、観察者が、それはおしゃべりしていると、言うとき、 観察者は、おしゃべりしているものより、異なっていますか。 気をつけて、考えぬいてください。 すばやく答えないでください。
25:34 学生: いいえ。
25:36 K: 彼らは、「いいえ」と言います。 彼らに、なぜかを訊ねてください。 なぜ彼らは、そうでないと、言いますか。
25:46 学生: 僕は知りません。

K: まさにそうなんです。
25:50 あの女の子は、訊ねました。 君は、怒りについて話しました。 すみません。 君は、女の子ではないね。 それは、私が女の子を好きでない、という意味ではありません。 私は、すごく気をつけなくてはいけませんね? 君は、怒っています。 君は、怒りますね。
26:17 学生: はい。
26:19 K: 君はなぜ、怒りますか。
26:22 学生: なぜなら、僕は、その人物がしていることが、嫌いであるからです。
26:27 K: でも、彼がしていることは、正確なのかもしれません。 でも、君は、彼がしていることが、好きではない。で、君は、怒りますね。
26:37 君は、怒るとき - 気をつけて、質問を聞いてください。 初めに、気をつけて、聞いてください - 怒りの瞬間に、 何が、起きつつありますか。
26:51 学生: 愛がありません。 自分は、その人物を、愛していません。 

K: いえ、いえ。
26:58 私は、君がその人物を愛していないと、言っていません。 君が怒っているとき - 君は、怒ってきましたね? ほとんどの人間は、そうです。 君は怒っているとき、 その瞬間に、「私は怒っている」と言う「君」は、ありませんね。 いいですか? その瞬間に、君は、「私は怒っている」と、言います。 君はただ、怒りだけです。 明らかですか。
27:27 学生: 自分が怒っているのを、知っています。 

K: いいえ。
27:30 私が言っていることを、聞いてください。 気をつけて、私が言っていることを、聞いてください。 怒りの瞬間に、 君は、「私は怒っている」と言いません。ですね? それが過ぎ去ったときにだけ、君は、「私は怒っている」と言います。 ですね? その点について、明らかであってください。 で、怒りの瞬間に、 怒りと呼ばれる状態だけが、あります。 一秒後か、一分後に、私は、 「私は怒っていた」と言います。 いいですか?
28:14 学生: また、怒るときにも、知ることができるかもしれません。 僕が怒りつつあることを、知ることができるかもしれません。
28:19 K: それは、どういう意味ですか。 気をつけて、考えぬいてください。 手助けしましょう。 これは、私たちの教育です。 理解できますか。 これは、教育の一部です。 代数と数学や、地理や歴史だけではない。 これは、君自身を教育することの一部です - どう考えるのかの道です。 何を考えるのか、ではありません。 違いを理解できますか。 何を考えるのか、ではなく、どう考えるのか。 いいですか? で、君が怒っているとき、怒りの瞬間に、 「君」はありません。 一秒後にのみ、君は、「私は怒っていた」と、言います。 私は、質問をしています。 その怒りは- 気をつけて聞いてください - その怒りは、君より異なっていますか。
29:24 学生: もちろんです。 異なっています。
29:27 K: 君は、聞いていませんでした。 怒りは、君より異なっていますか。 妬みは、君より異なっていますか。 君が嫉妬しているとき、それは、君より異なっていますか。
29:44 学生: いいえ。それが形成されるのは、自分のせいです。
29:47 K: ええ。君のせいで、それは存在します。 ですが、君はそれです。
29:53 学生: はい。
29:54 K: いいですか。明らかですか。

学生: いいえ。
30:01 学生: それは、自分自身より生じます。すなわち、
30:05 自分は、自分が知っていることに応じて、行為します。 時々、怒るし、時々、幸せであるように、です。 で、それは、自分の中にあります。
30:13 K: ごらん。君は、痛みを持っているとき、 その痛みは、君より異なっていますか。
30:20 学生: いいえ。
30:21 K: 気をつけて、考えぬいてください。 すばやく答えないでください。 君は、歯の痛みを持っています。 その歯の痛みは君より、異なっていますか。 なぜなら、君は身体であり、 君は名前であり、 君は、自分が持つ性質すべてであるからです。ですね? 君は、こうも多く学習してきました。 そのすべてが、君です。 ですね? 君の名前、君の形態 - 君が女の子であっても、男の子であっても - 君の形態、 君の特徴 - 言っていることを理解できますか - 君の傾向、 君のお父さん、お母さん、伝統。 そのすべてが、君です。 そして、君の一部はまた、怒りです。
31:19 学生: はい。

K: 君は、聞いてきましたか。
31:22 学生: はい。怒りは、自分の一部です。

K: そのとおりです。
31:25 で、君はけっして、怒りは自分より異なっているとは、言えません。 これを理解することは、とても重要です。
31:32 学生: 僕たちは、けっしてそう言いません。
31:35 K: ええ。でも、君が怒るとき、君はそれを、制御しようとします。 君は、怒ることは、間違っていると、言おうとします。 で、君がそれを非難するとき、君は・・・
31:47 学生: ・・・自分自身の一部を非難している。
31:53 K: で、私は、考える者は・・・と、言っています - 気をつけて聞いてください - 考える者は、思考です。 これは、少し困難です。 で、それを、ごく単純なままにしておきましょう。 観察する、 それを見つめる。対象物を見つめる- それに名づけることなく、です。 それは明らかです。 そのとき君は、観察できます。 私は、君を観察したいと思うなら、 君の名が、介入してはなりません。 そのとき私は、君を見つめられます。
32:35 学生: ですが、あなたは、私に話しかけることでは、私を見つめられませんね?
32:38 K: 私はただ、君を見つめます。
32:44 学生: 同じように、 自分の情動を、それらに名づけずに、観察する。
32:49 N: 彼女は、こう言います- 同じように、自分の情動を、 それらに名づけずに、観察しなければなりません。
32:55 K: そのとおりです。 君が怒るとき、それに名づけずに、それを見つめてください。 分かりましたか。 君がこれを学ぶなら- 本当に学ぶなら - それは、一生をとおして、君を助けるでしょう。
33:13 学生: どのように、ですか。
33:18 K: もし君が、怒りから、自分自身を分離するなら、 そのとき君は、それを制御しようとします。ですね? そのとき君は、それを抑圧しようとします。 君は、それより逃げ去ろうとします。 ですが、君は、それであるなら、逃げ去れません。 そのとき、奇妙なことが、起きるのです。 君が怒りと呼んできたものこそが、完全に変化します。 君は、よく気をつけて、これに入らなくてはいけません。 君は、たぶんこれに入るには、あまりに若すぎます。
33:51 学生: どのようにそれを、制御しますか。
33:55 K: ちょっと待ってください。 君はどのように、それを制御しますか - 怒りを、です。 いいですか? なぜ君は、それを制御したいと思いますか。
34:09 学生: それが好きではありません。 その状況が、好きではありません。
34:13 K: 君は、その状況が、好きではない。 君は、何か楽しめるものが、好きです。君はそれが好きです。
34:19 学生: それをつづけたいと思います。
34:21 K: 自分が、何をやっているかを、見てください。 君は、何か好きなものを、保っておきます。 君は、何か好きでないものを、放り捨てますが、 怒りは、 それは、楽しみ、情動より、大いに異なっていますか。 私はそれに、入らないでしょう。 君は、あまりに若すぎます。 で、名づけることなく、何かを見つめる。 それを単純なままにしておいてください。 さて、君は、知りたいと思います - なぜ自分の精神がおしゃべりしているのかと、 それについて、何をすべきか、です。ですね? まず第一に、君は、なぜ自分の精神がおしゃべりするかを、 見出したことが、ありますか。
35:11 学生: なぜなら、それに対して、制御をできていないからです。
35:14 K: いいえ。 制御しないでください。 私は初めに、言いました。君は観察しましたか。君は、見つめましたか。 君は検討しましたか - なぜ自分の精神は、おしゃべりし、 一つのことから別へ行くのかを、です。いいですか?
35:29 学生: なぜなら、自分は、多くのことを、知っているからです。
35:33 K: 君は、多くのことを知っている。 いいですよ。 が、なぜ、一つのことから別へ、蝶々のように、行きますか。
35:40 学生: 僕は、歩いているとき、多くの物事を見ます。 すべての思考が、僕の頭に入ってきます。 それらは、ぐるぐる回りつづけます。

K: ええ、それが・・・ 

学生: すでに自分が見てきたことについても、 僕はやはり、それについて考えています。
35:50 K: 見出してください。 私は、君に訊ねています。 なぜ君の精神が、一つのことから別へ行くのかを、見出してください。
35:59 学生: なぜなら、自分が注意深くないからです。
36:06 学生: 観察しません。 

K: いいえ。 私は、君に訊ねていません。 君は、私の問いに答えていません。 君は、自分の試験について、考えています。 君は、山を登ることについて、考えています。 君は、テニスをすることについて、考えています。 よろしいですか。ごちゃ混ぜです。 なぜですか。
36:31 学生: 自分の精神は、自分自身です。

K: いいえ!
36:34 学生: 記憶ですか。
36:36 K: 君の精神は、なぜおしゃべりしていますか。
36:41 学生: 観察しません。
36:44 K: それが、一つの理由ですが・・・ それは - 気をつけて、聞いてください - それが習慣であるから、君の精神は、おしゃべりしていますか。
36:55 学生: 習慣?

K: 習慣です。
36:57 学生: いいえ。 

K: いいえ?

学生: それは、習慣ではありません。
37:00 K: なぜですか。

学生: それは、自然に出てきます。
37:03 K: それは、習慣なのかもしれません。 それは、たぶん、君がお父さんから相続したのかもしれません。
37:08 そのまたお父さんも・・・

学生: それは、習慣なのかもしれません。
37:10 K: はい。それは、習慣でありえます。ですね?
37:16 学生: どうして、そうなりえますか。 自分のせいです。 自分が、考えはじめるとき、「僕はおしゃべりを始めよう」、 「僕は今、自分の精神におしゃべりをさせよう」 とは、言わないでしょう。 「僕は、自分の精神に、おしゃべりをさせよう」とは、言いません。
37:32 K: ええ。それは、おしゃべりします。

学生: それは、自分で勝手におしゃべりします。 

K: そうです。
37:36 学生: 習慣さえも、そのように自分へ訪れます。 

K: ええ。
37:40 君は、それを理解できませんか。 ええ、私は説明しましょう。 まず第一に、習慣とは何ですか。 君は、私たちが話していることに、興味がありますか。 習慣とは何ですか。
37:57 学生: 何か、自分が維持するものです。
38:01 K: 維持する。 習慣は、一般的に、 何かを、何度も何度も繰り返して、することを、意味しています - 意識的にか、無意識的にか、です。 意識的と無意識的という言葉を、理解できますか。
38:18 学生: はい。
38:19 K: 考えながらか、考えずにか。 ですね? さて、私は君に訊ねています - 君のおしゃべりは、習慣ですか。
38:31 学生: はい。

K: そうです。
38:33 学生: それは、無意識的です。 自分は、それを意識していません。
38:36 K: そのとおりです。 で、君は反復的に、そうします。 で、君の精神は、おしゃべりします。 なぜなら、それが習慣になったからです。
38:50 いいえ?

学生: はい。
38:53 K: 何ですか。
38:55 学生: 自分が、それを習慣にしたんです。
38:59 K: いいですよ。君はそれを、無意識的な習慣に、してきました。ですね? すなわち、君の精神は、おしゃべりしています。 そのおしゃべりは、習慣のせいで、来たのです。 そしてまた、 もしも、それがおしゃべりを止めたなら、何が起きるのでしょうか。
39:22 学生: 自分は、空白になるでしょう。

K: いいえ。見てください・・・
39:26 学生: 退屈を感じはじめるでしょう。
39:28 K: いいえ。いいですよ。君は、退屈を感じはじめるでしょう。
39:32 または、君は、怯えるかもしれません。
39:34 学生: はい。そのとき僕たちは、自分自身を占有するための何かを、探求します。 そこには、不安全があって・・・
39:39 K: いいえ。まだ、難しすぎる大人の言葉を、導入しないでください。 私はそれを、きわめて、きわめて単純なままに、しておきたいのです。 それは、習慣です。 ですね? また、人間の精神は、伝統の中、課業の中で、 機械的に働きます。 私は昨日、これをした。 私は今日、これをする。ですね? 反復しつづける機械のように、です。
40:09 学生: それは、課業があるべきでない、という意味ですか。
40:17 N: それは、課業があるべきでない、という意味ですか。
40:26 K: 初めに、何が含意されているかを、理解してください。 私たちは、課業があるべきでないのかどうかに、入るでしょう。 私個人は、何の課業をも持っていません。 それは、全く違った事柄です。 さて、それに入りましょう。 精神は、おしゃべりをします。 なぜなら、それが習慣であるからか、 あるいは、それは、起きるかもしれないことに、怯えているからです - それは、おしゃべりしていないなら、 退屈するかもしれません。 それは、空っぽで、神経質で、さびしいのかもしれません。 で、それは、占有されつづけます。 君は、占有されているとは、どういうことかを、知っていますか。 

学生: はい。
41:14 でも、自分は、いつも何かをしています。
41:17 K: いつも、何かをしています。 で、習慣、恐れ、占有です。 いいですか? で、精神は、これらの理由のために、おしゃべりします。 さて、それは、おしゃべりをしていないとき、 なぜ、怯えたり、退屈したりしていますか。 ゆえに、それは、無意識的に、知らずに、 怯えるかもしれないからです。 ゆえに、それは、占有されつづけます。 たとえば、母親は、 自分の料理、家事、家の掃除 ベッドを整えること、などなどなどに、 占有されています。 ですが、もしも、彼女は、占有されて、それらをしなくてもよかったなら、 彼女は、何をするのでしょうか。 彼女は、神経質になるでしょう。 彼女は、怯えるでしょう。 で、精神は、こう言います - 「私は、怯えるかもしれない。 ゆえに、私は占有されていよう」と。
42:24 君は、それを分かりましたか。

学生: 考えるのを継続します。
42:26 K: 考えるのではない。 君は分かりましたか。
42:28 学生: なぜ自分は、怯えますか。
42:32 K: なぜ君は、怯えますか。 なぜなら・・・ 君はかつて、何もしないことを、試したことが、ありますか - まったく考えないことを、です。
42:40 学生: いいえ。

K: いいえ。
42:43 学生: 一種の冥想です。
42:45 K: 私は、冥想へ行こうとしています- それは、もっと難しい・・・ 私はゆっくりと、冥想という言葉へ、導いて行っています。 で、精神は、占有されています。 その占有は、習慣になったのです。 その習慣は、言います。 おしゃべりします。 進みつづけ、進みつづけ、進みつづけます。 君は目覚めて、眠りに就くとき、それは、おしゃべりしています。 またそれは、夢を見るとき、おしゃべりをしています。
43:22 学生: この習慣がいかに形成されたのかを、僕たちに、語ってもらえますか。
43:25 K: 私は君に、語っていきました。 私たちの精神は、機械的に働くのが、好きです - それは、最も容易い生き方です。ですね? 私は、何かを快適だと、見ます。 そして、私はそうします。 で、気をつけて、聞いてください。 私は、怯えています。 なぜなら、私は、 精神が占有されていないなら、何をすべきかを、知らないからです。 私は、さびしく感じます。 私は、怯えを感じます。 ゆえに、私は、おしゃべりをしつづけます。 いいですか?
44:07 学生: なぜなら、僕は自分自身を、おしゃべり箱に、したからです。
44:10 N: なぜなら、僕は自分自身を、おしゃべり箱に、したからです。
44:12 K: ええ、そのとおりです。 君は、自分自身をおしゃべり箱に、してしまいました。
44:22 学生: 僕たちは、どうやってそれを止めますか。
44:25 K: 私は君に、示そうとしています -どうやってそれを止めるのか、ではない。 そうね、君が何かを止めるなら、 それは、再び戻ってくるでしょう。 君は、何かを征服するなら、 またもや、それを、征服しなおさなくてはいけないでしょう。 これは少し、抽象的すぎます。 で、君は、なぜ自分の精神が、おしゃべりしているかを、知っています。 単に、「私はそれを止めなければならない」と 言うことにより、君は、それを止めようとしていませんね。 そのとき君は、それを止めることに、占有されるでしょう。 分かりましたか。

学生: はい。
45:16 すべきことは、何もありません。 

K: ええ。

学生: ただ、それとともに行くだけです。
45:20 K: そうなんです。君は、何かを学んでいます。 すなわち、反対しないで、制御しないで、 それを見つめてください。 きわめて間近で、それを観察してください。 分かりますか。 で、君の精神が、おしゃべりしている、とします。見てください - 精神がおしゃべりしているのを、見守ってください。
45:40 学生: そのとき、僕はただ、それを見守っているだけでしょう。 なぜなら、精神は、いつもおしゃべりしているからです。
45:44 K: いいえ。君は、聞いてきませんでした。
45:47 学生: もし、授業中のように、自分が何かをしているなら・・・
45:49 K: いえ、いえ。おしゃべりで通してください。
45:52 学生: ええ、そういうつもりです。
45:54 自分が何かをしていて、突然に、自分の精神がおしゃべりして まわっていることを、観察するなら、です。 

K: ええ。
46:00 学生: その時に、それを観察する時間が、ありません。
46:03 K: いえ、君は、何かを観察しています。
46:06 君の注意は、他のどこかへ逸れて行きます。 君の思考は、行き、別の思考が、やってきます。 で、それは、これをしつづけます。 さて、私は、こう言っています- 気をつけて、見守りなさい。 気をつけて、おしゃべりに注意しなさい、と。 君は、おしゃべりの原因を知ります。 君がそれを止めるなら、それは、戻ってくるでしょう。 で、それを見守ってください。 ただそれを見守ってください。 「私は、しゃべってはならない。 私は、しゃべらなければならない。 それは間違っている。それは正しい」 と言わずに、ただ、それを見守ってください。 君は、私が言ってきたことを、理解しましたか。
46:47 学生: はい。習慣は止められます。

K: はい。 が、それが習慣であるのなら、自分の精神が、しゃべるのを 止めることが、難しいのは、なぜですか。
46:56 K: 何ですか。
46:57 N: 彼女は、こう言っています - 習慣、外面的な習慣は、止められますが、 精神がおしゃべりするのを止めることは、はるかに困難です。

K: それは理解できます。

学生: なぜそうですか。
47:07 K: なぜなら・・・神様!
47:12 君は、タバコを吸うのを、止められます。 君は、タバコを吸ったことが、ありますか。
47:17 学生: いいえ。

K: よし。私はうれしいです。 私は一度も、タバコを吸ったことが、ありません。 私自身は、私は一度も、タバコを吸ったことが、ありません。 私は一度も、酒を飲んでいません- その他すべて、です。 で、君は、外面的な習慣を、止められます。 仮に、私は、引っ掻く習慣を持っていると、します。 私は、「まあ、これは愚かだ」と言えます。私は、それを見守れて、 「いや、私はそうすまい」と言えます。ですね? それは、相当に単純でしょう。 ですね?
47:42 学生: はい。

K: 何か外面的な習慣を、止めること
47:45 - もぞもぞすることのように、です。 これらの少年たちの数人は、いつの時も、そうします。 君は、それを見守られるし、それを止められます。ですね? さて、君が内側で形成してきた習慣は、 はるかに困難です。 なぜなら、それらの習慣は、とても長い物語を、持っているからです。 私は、自分の母親、父親がこうしているのを、見守ってきました。 そして、私はそうします- よろしいですか - その習慣は、とても長い物語を、持っています。 私が、その物語を解き明かし、 物語全体を読んでしまうまで、 私がそうするまで、習慣は、進んでいくでしょう。 私が、習慣の動き全体を知るまで、 習慣は、進んでいくでしょう。 私がそれを知るとき、習慣は、止まるでしょう。 それが、私が君に語ろうとしていることです。
48:43 学生: どのように、ですか。
48:46 K: それは、「どのように」ではありません。 「どのように」は、ありません。
48:50 学生: あらゆることを発見した後で、どうやって、 自分の習慣を止めるのか、って、言いたいんです。
48:55 K: 君は、それを止めません。
48:56 学生: それとともに進んでいく。

K: それとともに進んでいく。そうなんです。 それとともに進んでいく。それを理解する。それを見つめる。 抵抗しないで、ただ、それを見つめてください。
49:04 学生: それが起きるとき、見る。
49:06 K: ええ、そのとおりです。 君は、それを分かりつつあります。 ゆっくりと分かってください。 数学を学ぶには、どれほど長く掛かりましたか。 算数ですか。 

学生: それは、すごく長く掛かります。

K: すごく長くね。君は、これへ何分間、入ってきましたか。
49:22 学生: ゼロです。

K: ゼロ。全くそのとおり。
49:27 で、君は、それについて、学びたいと思います。 で、それを見つめ、学んでください。 「私はどうやって、それを止めることになるのか」と言わないでください。 それらを、です - 学んでください。 理解できますか。

学生: それについて、学ぶことは、何の役に立ちますか -
49:42 自分がそれを継続していこうとしているときに、です。
49:45 K: 君は、継続できません。 君は学ぶなら- ちょっと待って - 君は、タバコを吸うことは、 肺がんを起こす、君が適切に呼吸するのを 破壊することを、学ぶなら - それは、君の頭脳に影響します。 それは、君の健康に影響します。 医師たちは、これを示してきました。 君は、そもそも正気で、理性的であるなら、 君は、「いや、私はそうすまい」と、言います。
50:17 学生: でも、「タバコを吸うな」と言う医師たちですが、 彼らの手には、シガレットが、あるでしょう。
50:27 K: 「タバコを吸うな」と医師は言います。 そして、彼らは、自分の手に、シガレットを持っています。 君は、彼らが何であるかを、知っています。彼らは偽善者です。 いいですか? 今すぐ行きますよ。どうぞ、これを聞いてください。 私たちは、山をどう観察するかを、始めました。 いいですか? 言葉は、そのものではありません。
50:50 学生: はい。
50:51 K: 君の頭に、それを深く入れてください。 言葉は、けっして、そのものではありません。 私は、あの丘の絵画を描けます。 それを描きますが、 絵は、あれではありません。 私は、山を叙述できます・・・

学生: 絵は絵です。
51:11 K: それですべてですが、あれではないですね。 私は、大変美しい言語で、それを叙述できます - 線、美しさ、深さ、陰を、ですが、 叙述は、あれではありません。 いいですか? 明らかですか。

学生: はい。 

K: 絶対に、ですね? で、君は、象徴、言葉、イメージなく、 観察することを、学びますね。 君は、分かりましたか。 それをできますか。してください。 あの花を見つめてください。 見つめてください。 それに名づけないでください。 「それはバラである」と、言わないでください。 何だったか・・・「それは、タチアオイである」と。 それらのどれにも触れずに、ただ見てください。
52:02 N: あなたは、それに名づけることなく、見つめているなら、 それは、毎回、違った形で、それを見つめている、という意味ですか。
52:11 K: もちろんです。 それは、言葉が、君が見るのへ介入しているが、 君は、毎回違ったように、それを見つめている、という意味です。 なぜなら、花は、毎回違っているからです。 それは、朝に違っています。 それは、午後に違っています。 それは、夕日の中で、違っています。 君は、それが分かりましたか。
52:33 学生: 僕は、そこのあの花を見つめるなら、僕がそれを見つめるとき、 僕はそれを知らないなら、前にそれを一度も見たことがないなら、 僕は初めに、それを見つめます。 そのとき、後で見出しますが、 今、僕は、この女の子を、見てきました。 すると、僕は、再び彼女を見るとき、初めに、彼女に名づけているでしょう。 僕は、それを避けられません。

K: ええ、そうなんです。
52:51 で、君は、彼女に名づけるのを止めて、彼女を見つめられますか。
52:55 学生: できません。

K: 君は見るなら、そうするでしょう。
52:58 君が、彼女を理解したいのなら、 君が、彼女を見つめたいのなら、それが、君の興味であるのなら、 言葉を、介入させないでください。 理解できますか。 で、君は学んできました- 私はそう願います - 言葉はけっして、そのものでないことを、です。 夫は、「私の妻」と言います。 「妻」という言葉は、彼女ではありません。 分かりましたか。
53:27 学生: でも、それは、彼女を表示します。 「妻」という言葉は、そのご婦人を、表示します。
53:35 K: ええ。ですが、その言葉は、彼女ではありません。 それで、すべてです。
53:40 学生: それは、彼らの関係を、表示します。
53:42 K: ええ。それは、彼らの関係を、表示します。 私は、関係の問題全体に、入らないでしょうが、 言葉は、彼女を表示します。 で、その人が、「彼女は私の妻だ」と、言うとき、 彼はけっして、彼女を見つめたことがありません。よろしいですか。 彼女はただ、「私の妻」だけです。 論点は分かりますか。 または、君のお父さんは、「私の息子」と、言います。 で、彼はけっして、「息子よ、私は、彼を見つめよう。 彼を理解しよう。彼が何であるかを、見よう」と、言いません。 彼らは、わざわざしようとしない。 そうでしょう? が、「彼は私の息子だ」と言った瞬間・・・

学生: それは、理解できました。
54:23 K: それは理解できました。 君は、見当が付きましたか。
54:26 学生: はい。

学生: それは、何かを見つめることが、
54:28 それを理解することである、という意味ですか。
54:31 K: ええ。それを理解すること、その詳細すべてを見つめることです。 君は、あれら花々の詳細を、けっして見つめたことが、ないですね?
54:41 学生: はい。 

K: ない。なぜなら、君は、それに、興味を持っていないからです。
54:47 君は、「ああ、あれは花だ」と言って、通り過ぎます。
54:52 学生: 僕は、バラを見るなら、 やはり、それを覗きみて、各部分を見られます。 僕はやはり、それを見られます。 それを名づけた後でさえ、やはり、それを見られます。
55:01 K: ええ、そのとおりですが、 君が、「あれはバラだ」と言って、歩いて行ってしまうなら・・・
55:05 学生: でも、「それはバラだ」と言ってから、それをまじまじと
55:07 見つめられるかもしれません。

K: ええ。ですが、初めに、 それを、バラと呼ばないで、見つめてください。
55:11 学生: でも、それもまた、できます。
55:13 K: ええ、君は、どちらもできますが、初めに見てください。 それから、それに名づけてください- 君がそうしたいなら、です。 分かりましたか。 

学生: はい。

K: よし、ふぅー。 とても単純なことを、説明するのに、どれほど長く掛かりましたか - すなわち、ドアは、ドアという言葉は、そのものではない。
55:31 いいですか?

学生: はい。 

K: 明らかですか。
55:35 学生: はい。 

K: 曖昧に「はい」と言わないでください。
55:39 学生: あなたは、見ることは理解することであると、仰いました。
55:42 K: ええ。理解すること- 待って -
55:44 理解すること、それへ関係を持つこと、 関係へ入ること - 君が、実際の関係を持っているのか、想像上の関係なのか。 そのすべてが、含意されています。
55:57 学生: これは、マイクロフォンです。 私は今日、それを見つめます。 私はそこに、あらゆるものを理解します。 

K: 終了です。
56:03 学生: 明日、私がそれを再び見るとき、何の役に立ちますか・・・
56:06 K: 君は、そうしなくてもいい。なぜなら、それは、生きものではないからです。 それは、原子、その他すべてにおいて、生きているものですが、 それは、固定しています。
56:16 学生: で、翌日、私はそれに、名づけられますか。

K: でも、花は、生きています。 君の夫は、生きているものです。 君の妻は、生きているものです。 ですが、「ああ、それは、私の妻です」と言うとき、 君は、その生きものを、観察しません。 分かりましたか。
56:33 学生: 自分は、イメージを、名前に連結します。 毎回、何かに名づけるたびに、 そのイメージが、転がり込んできてしまいます。 で、それを、さほど明らかに見ません。
56:41 K: 彼女は、何と言っていますか。
56:44 N: 彼女は、こう言いました - 何かに名づけるとき、 イメージが入り込んでしまう。 見るのをじゃましてしまう、と。

K: それで、すべてです。
56:54 ああ、やれまあ。いいですか? 君は、これを理解しましたか。 さて、動きましょう。 君は、なぜ精神が、 おしゃべりをしているかを、知りたいと思います。 君は、おしゃべりの原因を、見出したのです。 君は、なぜ人々がおしゃべりするかを、理解したのです。 なぜなら、彼らは、神経質なのかもしれないし、 彼らは、怯えているのかもしれません。 彼らは、おしゃべりしないのなら、何をするのでしょうか。 君の精神が、占有されていないなら、 何が起きるでしょうか。

学生: 恐れを持ちます。
57:27 K: 恐れ。で、なぜ自分が恐れを持つかを、見出してください
57:32 - ゆえに、君がおしゃべりしないように、です。

学生: 誰かは、「私はおまえを、平手打ちしてやろう。
57:47 だから、おまえは、静かにしていろ」と言います。 そのとき、自動的に、自分は静かにしつづけています。問いません。
57:52 K: もちろんです。 君は、怯えています。
57:54 学生: もちろんですが、どうすれば、その恐れを取り除けますか。
57:57 K: 私は君に、示そうとしています。 私は君を、平手打ちするかもしれません- 私はそうしませんよ。
58:03 学生: いえ、彼は、「おまえが、これ以上話すなら、 私はおまえを、平手打ちにしよう」と言います。 で、自分は、もはや話しません。彼に聞くだけです。それで、すべてです。
58:11 K: ええ、君は神経質になり、怯えます。そして君は、そうしません。
58:13 学生: どうやって、あの恐れを取り除きますか。
58:15 K: あの恐れ? 教師に言いなさい - 「僕を平手打ちしないでください」と。

学生: 彼は、平手打ちをしてくるかもしれません。
58:23 K: いいえ。私は、平手打ちされたくありません。
58:25 学生: でも、先生、こちらが、間違ったことを、するなら・・・

K: 待って。そのとき、教師は、こう言います -
58:30 「君は、間違ったことをしているよ。 それについて、話しましょう。 なぜ君は、そうしていますか」と。
58:36 学生: 彼は辛抱強い教師ではない、と僕は思います。
58:39 K: そのとおりです。

学生: すると、どうしますか。
58:41 K: すると、辛抱強くあるよう、彼を、助けてください。
58:44 学生: どうやって、彼を助けますか。
58:46 K: 待って、待って。 首を、振らないでください。 辛抱強くあるように、彼を助けて、君自身を助けてください。
58:52 学生: どうやって、ですか。

K: そうしなさい!
58:55 学生: 教師が怒ることが、ありえます - こちらが彼に、平手打ちしないよう、言うときに、です。
59:02 学生: 彼は、「私と論争するな」と、言います。すると、何をできますか。
59:06 K: すると、(校長の)ナラヤン先生へ、行って、 「この教師は、きちんとしていません。 彼は、僕を怯えさせようとしています」と言ってください。
59:15 学生: でも、こちらが、誤りをしたんです。
59:18 K: ええ。私は、誤りをしてしまいました。
59:20 学生: それで? 

K: いいですよ。 誤りを訂正してください。
59:21 「僕に怒らないでください。僕を、平手打ちにしないでください」と。
59:23 学生: それは、何度も反復されてきたと、思います。
59:25 K: ええ。で、何が起きますか。 毎回、それを反復しないでください。
59:28 学生: で、それは、こちらの過失です。

K: ええ、君がそれを反復し、反復するなら、ね。
59:33 学生: で、それについて、何もできません。
59:35 K: そのとおりです。それが、君の過失であるなら、変化させてください。 それが、君の過失でないなら、教師に頼みなさい - 「どうぞ、それを見つめてください。 それは、私の過失ではありません。 私は誤っているかもしれませんが」と。 よろしいですか。 関係を確立してください。 理解できますか。

学生: はい。
59:56 K: 今、私はどこにいますか。

学生: リシ・ヴァレーです。
1:00:01 K: そのとおりです。 さて、今、10時半です。 ええ、25分過ぎて・・・11時まで25分、ということです。 今、君は、少なくとも、一つのことを、理解しましたか。 どのように、言葉なく、象徴なく、 名前なく、観察するのか。 君は、そうするのでしょうか。 そうしてください! 「はい、同意します。全くそのとおり」と言わないでください。 君がそうしないなら・・・
1:00:46 学生: 約束を破った。

K: はい、それだけです。
1:00:55 学生: 頭脳の基本的な機能は、考えることです。
1:00:58 で、私は、対象物を見守っているなら、 一部分は、私に、自分が対象物を見守っていることを、語ります。 で、あなたは、これらの思考なしに、見る形があると、 仄めかそうとなさっていますか。
1:01:09 K: あなたは、その問いを理解しましたか。 私は、よく分かりません。
1:01:14 N: 彼は、こう言います - 頭脳の基本的な機能は、考えることであり、 観察するとき、観察に伴って、 思考が入ってきます。 あなたは、違った種類の観察が、あると、仄めかしていますか。
1:01:29 K: ええ。明白です。 ちょっと待って。 頭脳の機能は、何ですか。
1:01:35 学生: 考えることです。
1:01:37 K: 待って。考えることだと、言わずに、見出してください。 君は、頭脳を持っています。 その機能は、何ですか。
1:01:45 学生: 自分を助けることです。
1:01:47 K: 助ける君は、誰ですか。君は、頭脳より、異なっていますか。 ごらん、お兄さん。私は、君に、何かを訊ねました。 頭脳の機能は、何ですか。
1:02:01 学生: 私たちの身体全体を制御することです。
1:02:07 K: ええ。神経組織を見守ること、 身体を見守ること。 他に何? 進んで、考えぬいてください。
1:02:19 学生: 考えて、自分の知識を蓄えることです。
1:02:22 K: 部分的には、全くそうです。 すなわち、頭脳は、身体を保存するために、 自分が取得してきた知識を蓄えておくために、機能します - 数学、あれやこれを、です。 いいですか? そして、他に何ですか。 進んでください。
1:02:40 学生: 自分を方向づける。

K: 何ですか。
1:02:42 学生: 何かをするよう、自分を方向づける。
1:02:44 N: 何かをするよう、自分を方向づける。
1:02:46 K: ええ。方向づける。 方向づける - 何かをするように、と言わないでください。 方向づける。他に何?
1:02:54 学生: その知識を蓄えようとしているなら、それを毎回、 違ったように、見つめようとするとき、何の役に立ちますか。
1:02:58 K: いいえ。私たちは、そこに来るでしょう。初めに、見出してください。 私は、頭脳の機能は、何であるかを、訊きました。 君たちは・・・一人は、身体組織を見守ることだと、言いましたね。 別の一人は、知識を持っていて、 その知識を、気をつけて上手に使うことだ、と。 他に何? 進んでください。
1:03:24 学生: 何かの間で、判別することです。
1:03:30 K: ええ、判別することです- 黒と白の間、 赤と青の間、 男、女の間、山と平野の間で、です。 それは、判別することです。 ですね? 進んでください。 他に何ですか。
1:03:46 学生: 物事を関係づけることです。
1:03:51 K: 物事を関係づける。 進んでください。 見守ってください。 君自身の頭脳を見守って、 考案しないでください。
1:03:59 学生: 考え出すこと。
1:04:03 K: 考え出すこと。 すなわち、憶えておく。 聞いてください。 君たちが私に語ってきたことは、こうです - 憶えておく。 設計する。 考え出す。 設計する。 そして、伝達する。
1:04:23 学生: また、区別するのも、です。

K: すなわち、設計が、そこに関与しています。
1:04:29 「設計」というその言葉の中の、それらは、区別すること、 白と黒を見ることなどなどを、意味しています。 で、憶えておくこと、 計画すること - 君が、設計という言葉が、好きでないなら、です。 それから、伝達する。 さて、気をつけて、聞いてください。 私は何を、言いましたか。

学生: 計画すること。
1:04:57 K: 計画する。

学生: 憶えておく。
1:04:59 K: 憶えておく。伝達する。 君は、間違ってか、正しく伝達するかもしれませんが、 私たちの頭脳は、百万年の後、 重く条件づけられています。 それは、「私はヒンドゥーだ。私はヒンドゥーだ。私はヒンドゥーだ」と、言います。 そして他のものは、「私はイスラム教徒だ。 私はイスラム教徒だ。 私はイスラム教徒だ」と、言います。 または、「私はキリスト教徒だ。 キリスト教徒だ」と、ね。 また、頭脳は、「私は保護を持たなければならない」とも、言います - 「私は、保護されなければならない。 さもないと、私は機能できない」と。 それは、頭脳は安全でなければならない、という意味です。 分かりましたか。 で、それは、「私はヒンドゥーだと言う中で、私は安全だ」と、言います。 いいですか?

学生: はい。
1:06:01 K: ですが、ヒンドゥーであることは、幻影です。 それはただ、考案だけです。
1:06:08 学生: はい。 神もまた、考案物です。
1:06:12 K: 全くそのとおり。 神は、考案物です。 ですが、頭脳は、 「神という言葉の中で、私は保護を受けよう」と、言います。 保護、設計、憶えておくこと、伝達 - それが、頭脳の機能です。 分かりましたか。ふぅー。
1:06:40 学生: 伝達というのは、どういう意味ですか。
1:06:43 K: 私は今、君に、何かを伝達しています。 いいですか? 私は、君たちに物語をしましょう。
1:06:59 学生: 安堵のため息です。 彼らの何人かは、安堵でため息をつきました。
1:07:05 K: 安堵のため息ね。 私は君に、物語をしましょう。 物語をする中で、君は、聞こうとしていますね? それが、伝達です - 語ることと聞くことです。 君はこれを、理解しましたか。 語ること - 私は君に、語っています。 そして、君は、聞いています。 君が聞かないなら、私は、君に語れません。 いいですか? 君は、物語をほしいですか。

学生たち: はい。
1:07:41 K: 安堵のため息 - この子が言うように、です。 私は知りません。 いいですよ。私は、君たちへ、物語をしましょう。 君は、(ヒマラヤに近い)ラーニケットと呼ばれる所を、聞いたことが、ありますか。 そこは、(首都)デリーの向こうにあります。 北東へ、100から200マイル(160から320キロメートル)ほどです。 そうでしょう? 私は、そこに、或る友だちと泊まっていました。 その友だちは、何かの理由のために、去りました。 彼の息子が病気であったからです。 で、彼は去りました。 二、三日後に、或る人が、私のところへ来ました。 私は、彼の言語を理解しませんでしたが、 (料理人の)パラメシュワランが、それを私に、翻訳してくれました。 パラメシュワランを、ご存じですか。

学生: はい。
1:08:49 K: 君は、彼を知りませんか。

学生: はい、僕は彼を知っています。
1:08:53 K: で、彼は、翻訳します - 彼は、「虎が雌牛を殺した」と、言います。 「もしあなたが、虎を見たいのなら、私は、それを手配しましょう」と。 彼は、「私は、マチャーン(見張り台)を設けましょう」と、言いました。 そうね、樹の上の足場です。 「私たちは、そのもとに、山羊を繋いでおきましょう。 山羊がメーメー鳴くのが、虎を誘引するでしょう。 そのとき、それを見られますよ」と。 私は、こう言いました - 「私は、それらの状況のもとで、 虎を見たくありません。 なぜなら、私の好奇心のために、 山羊を殺すことは、不条理で、残酷であるからです。 で、私は、「すみません。私は、それを見たくありません」と、言いました。 で、その午後、私は、「その林へ入って行こう」と、言いました - 「たぶん、それが見られるかもしれない」と。 物語を理解できますか。 理解できますか。

学生: はい。
1:09:48 K: 君は、何に微笑んでいますか。

学生: 何でもありません。
1:09:54 K: 君は、私が言っていることを、信じていませんか。 そういうことですか。 おおい、そういうことですか。

学生: いいえ。
1:10:06 K: では、君は何に、微笑んでいますか。 さあ! 君が微笑んでいるのは、何に、ですか。
1:10:21 学生: 何でもありません。

K: さあ! 勇気を出して! 私は、君を怯えさせませんよ。

学生: はい。先生は、私を怯えさせません。
1:10:29 K: で、君は聞くのか- 私は君に、事実を語っています - 私は、考案するだろう種類の人物ではありません。 理解できますか。 私は、嘘をつかないでしょう。
1:10:39 学生: ええ。あなたは、聞くことをとおして、 僕たちに、理解させようとしています。 あなたは、僕たちは聞くべきだと、仰りました。 で、あなたは、僕たちに聞かせるよう、物語をなさっています。
1:10:48 K: いいえ。 それは、その一部分だけです。 君がそれに、興味を持っていないなら、聞かないでください。 理解できますか。

学生: はい。
1:11:03 K: で、あの午後、夕方にかけて、 私は、自分は行って、虎を見なければならないと、言いました。 私は君に、事実を語っています。 私は、誇張していません。 私は、嘘をついていません。 私は、そうしないでしょう。 なぜなら、私は偽善者ではないからです。 私は、偽善者でありたくありません。 私は、英雄であるふりを、したくありません。いいですか? 私は、偉人であるふりを、したくありません。何もない。 私はただ君に、事実を語っているだけです。 で、私は出発しました。 私は、高いところにいましたが、 丘を降りてきて、林に入りました。 私は、半時間ほど歩きました。 少し暗くなりつつありました。 突然に、まわりのあらゆるものが、静かになりました。 鳥たちは、歌うのを止めました。 絶対的な静寂。 私は、「これは、とても奇妙だ」と、言いました。 私は、何か危険なものが、近いことを、悟りました。 理解できますか。 すなわち、たぶん虎が、きわめて近い、と。 君は、林の中に入ったことが、ないでしょう。
1:12:18 学生: 僕は、あります。
1:12:20 K: そして、危険が現れるとき、静けさが、あります。 なぜなら、すべての動物が、怯えているからです。
1:12:28 学生: 僕は、それについて、本で読みました。
1:12:30 K: ええ。君は、それについて、本で読みます。 で、これが、私に起きました。 あらゆるものが、絶対的に静かでした。 私は、「おやまあ、危険がある」と、言いました - 気をつけて聞いてください。 私は君に、真理を語っています - 危険がありました。 で、私の精神は、言いました - それは知りたがっていました - それは、「行って、見出そう」と言いました。 私は、虎を見るために、ずっと道を降りてきました。 で、静寂は、何か危険があることを、指示していました。 たぶん、虎が、とても近かった。 で、私の精神は、行きたいと思いましたが、私の身体は、拒絶しました。 理解できますか。

学生: はい。
1:13:21 K: で、私は、「いや、行こう」と、言いました。 で、それは行って、樹の裏に着きました - 大きな樹です。 そして、そこに立ちました。 精神は、進みたいと思いましたが、身体は、拒絶しました。 これらを信じてください - 私は、君に信じさせようとはしていません。これらは、事実です - で、私は、そこに立ちました。 身体は、動こうとしませんでした。 まもなく、五分か、二分か、三分か後に、 鳥たちは、始めました。林の物音、その他すべてが、始まりました。 虎は、去ってしまったにちがいありません。 で、私は、「私は虎を見なくて、残念だ」と、言いました。 で、私は、戻ってきました。 そして私は、林の中で、空き地、開けたところを、通り過ぎます。 またもや、とてつもない静けさが、ありました。 小さな物音の静けさが、ありましたが、大きくはない。 で、身体は、怯えていませんでした。 そのとき、私は見回しましたが、何もありませんでした。 で、私は、上を見ました。 樹々のうえに、ラングールが、五十頭ほど、いました。 知っていますか - 大きな猿です。 知りませんか - 大きな猿たちです。 黒い顔をし、長く曲がった尻尾の、 大きな動物たち。 彼らが、あれほど上にいます。 彼らはみんな、樹のまわりに、座っていました。 小さな赤ちゃん猿をつれて、私を見つめていました。 理解できますか。 で、私は、彼らを見つめました。 彼らは、私を見つめました。 私たちは、しばしの間、そこに立って、互いに見つめ合っていました。 そして静寂は、破られました。 なぜなら、彼らは、自分たちの真ん中に、私を見て、少し神経質であったからです。 で、私は、戻ってゆきました。 私は、本当に見たいと思った虎を、けっして、見ませんでした。 いいです。 何ですか。 

学生: 何でもありません。

K: よし。
1:15:26 11時まで10分です。私たちは止めたほうが、いい。そう思いませんか。 君たちは、静かに座りたいと思いますか - 一分間。
1:15:36 学生: はい。
1:15:38 K: 君がそうしたいときだけ、そうしてください。 よろしいです。君が遊びたいなら、遊んでください。 君が静かに座りたいなら、静かに座ってください。
1:16:29 よろしいです。