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RV80DS1 - 君が自分自身にのみ関心を持つとき、何が起きますか。
学生たちとの議論、第1回
インド、リシ・ヴァレー
1980年12月11日



0:28 クリシュナムルティ: 昨夜の舞踊会に、私が出席しなかったことを、 君たちに、許していただきたいと、思います。 私がそこにいなかったことを、お詫びします。 私たちは、何について話しましょうか。 さあ、みなさん。私たちは、何について話しましょうか。 静寂ですか。 君たちは、話をすべきことが、何もない、ということですか。 学校について、 君の教師たちについて、君の食べ物について、 君の試験について、 君たちが、この場所(リシ・ヴァレー)を去るとき、 何に向き合おうとしているか -専門校(カレッジ)、大学。 仕事、結婚。 そして、余生の間、小さな住宅に落ち着くこと、 事務所や工場へ行くことや、化学研究所へ行くこと。 - 余生の間、9時から5時まで、です。 それが、君が話をしたいことですか。 で、お訊きしてよければ、君たちは、 私に、何について、話してほしいのでしょうか。 年上の男の子たちは、冷笑的ですか。 女の子たちも、ですか。 かなり冷淡で、無頓着ですか。 君たちが、そうであるなら - 私は、そうでないことを、願っています - 世界は、そのようになりつつあります - 冷淡で、無頓着で、 地球的に起きつつあることに、全然、気づかなくて、 自分の小さな問題に、自分の小さな悩み事に、 関心を持っているだけです - 自分たちのけんか、 自分たちの小さな野心などに、です。 これが、世界中で起きつつあることです。 あらゆる人物が、どこにいようと、 社会の一番低い階層でも、梯子の高く上でも、 彼らはみんな、自分自身に関心を持っています - 君のように、です。 そして、世界全体が、人間世界が、 自分自身にだけ関心を持っているとき、何が起きるかを、知っていますか。 君たちは、自分が、年上の学生や年下の学生が、 自分自身に関心を持つだけのとき、何が起きるかを、知っていますか。 君は、何が起きるかを、知っていますか。 私に質問してください。私と議論してください。私と対話をしてください。 ただそこに、多くの人間の塊のように、座っていないでください。 君は、自分自身について、関心を持つだけのとき、考えているだけのとき、 自分に何が起きるだろうかを、知っていますか。 君は、時折、他の人について、考えるかもしれません。 時折、おそらく自分の妻に、子どもに、隣人に、 または、貧しい人たちに、関心を持つかもしれません。 ですが、君が、日の出から日の入りまで、 生のほとんどを、使うとき、 君が、自分自身について考えているとき、 何が起きるだろうかを、知っていますか。 さあ、私とともに、その問いについて、議論してください。 君は、自分自身について、関心を持っているとき、 自分自身のまわりに、壁を築きます。 それは、気持ちいい壁や、 痛みと悲しみに満ちている壁や、 知的な、あるいは情動的な壁であるかもしれません。 その壁は何であっても、君により、創り出されています - 君の心配により、君の悩みにより、 君の恐れにより、君の混乱によって、です。 その壁は、君を、他の一人より、分離しようとしています。 これが、地球的に起きつつあることです。 リシ・ヴァレーに、だけではなく、 また、すべての大学、専門校、学校、 家族、民族、人種において、 これが、起きつつあることです。 それで、人は、別の一人に反しています。 で、彼らは、常に戦争になっています。 常に葛藤になっています。 今、世界には、戦争が、進んでいます。 イラク、イラン、アフガニスタン。 そして、世界中で、小さな戦争が、進んでいます。 家族の中にも、小さな戦争が、進んでいます。 小さな戦争 - 君が生きているところでの戦争、 ここ、リシ・ヴァレーでは、各人物が、自分自身に、関心を持っています - 自分の問題、自分の経歴、自分の職などに、です。 私たちは、これに気づいていますか。 君は、これに、気づいていますか- 世の中で、自分に 何が起きつつあるのかに、です。 この大地に居住する人間たちすべての中で、です。 大地は、とても美しい。 君がそれに、注目したことがあるのかどうか、私は知りません - 大地がいかに、とてつもなく美しく、 多様性に満ちているのか。 谷、山、流れ、川、 雪を被り、大いなる、動かしえない壮大な山々。 これは、私たちの大地です。 私たちは、そこに生きなくてはいけません。 それは、私たちが生きられるただ一つの所ですが、 私たちは、大地と自分たち自身をおぞましい所に、してきたのです。 君は、これらに気づいていますか。 君たちは、私に答えてくださるでしょうか。 君は、これらに気づいていますか - 大地はとても美しいが、 私たち人間は、あまり美しくないことに、です。 私たちはいつも、自惚れて、空疎で、傲慢で、 野心的で、破壊的です。 で、私たちは、大地を、破壊しつつあります。 空気を、海を汚染しています。 私たちの環境すべてが、次第に破壊されつつあります。 君は、五千万以上のクジラが、殺されてきたことを、知っていますか。 君は、私が言っていることを、聞いていますか。
11:01 学生たち: はい、先生。
11:06 K: 小さな子たちは、すごく速く答えますが、 彼らが、私が話していることを、 理解するのかどうかは、確かではありません。 ですが、少し年上の君たちは、答えません。 君たちは、どうしてしまったんですか。眠っていますか。 または、君は、私たちが話していることに、興味を持っていませんか。 君は、語り手が話していることに、興味を持っていないなら、 なぜ君は、ここにいますか。 質問を理解できますか。 何ですか。 

学生: 僕たちは、これらに、関心を持っています。
11:56 学生: 僕たちは、これらが事実であるのが、分かります。
12:10 K: 君は、これらに気づいているなら、それについて、何をしますか。 ただ、それについて話をし、それを叙述し、 それを書物で読んで、試験に通るだけですか。 君は、人間として、何をしますか - 若くても、おそらく少し年上でも、です。 教師たち、親たち、政府、社会全体 - 彼らは、これらについて、何をしますか。 質問を理解できますか。 君たちは、英語を理解できますか。
12:58 学生たち: はい。
13:01 K: それは、侮辱ですか。
13:09 学生: 私たちは、自分自身に関心を持っています。 私たちは、ふつう他の人たちについて、考えません。 なぜなら、政府と社会 - 彼らは、人々のために、いろいろとすることを、考えないからです。
13:21 K: それは全くそのとおりです。すると、君は、それについて、何をしますか。 みなさん、理解されますか。 私たちは、教育を受けつつあります。 君は、数学、物理学、理科、 生物学などを、学習します。 学業的に、君たちは、訓練され、修練され、条件づけられつつあります - 医師になるため、技術者になるため、 教授や実業家になるため、です。 が、けっして大工に、ではない。 ですね? けっして、一流の建築業者に、ではない。 で、君は、教育を受けつつありますが、 その教育は、ますます利己的になるよう、 ますます自分自身に関心を持つように、君を助けつつあります。 君は、これに気づいていますか。
15:13 学生: 事実は、私たちが学校に来るとき・・・
15:21 K: よし。こちらへ来なさい。 君が話をすると、罰が何になろうとしているか、分かりますね。 君が話をすると、罰が何になろうとしているか、理解できますか。 君は、ここへ来て、座ることになります。それは、すてきです。 私は、仲間がほしいんです。 私が言っていることを、理解できますか。 で、君は多く話せば話すほど、ここに来るでしょう。 すると、私はうれしいでしょう。 私は、自分一人でここに座っていたくありません。 いいですか。 で、君たちは、話をし、質問をし、懐疑的であり、 疑ってくださるでしょうか。 理解できますか。よし、さて、進行しましょう。
16:23 学生: 私たちは、学校へ来るとき、自分自身で学習するために、来ます。 それで、ただ、自分自身のために、来ています。 ただ、自分自身のために、教育されつつあります。 それで、他の何をも、していません。 学習しているから、学校へ来ます。 他の誰かのために、学習していません。 自分自身のために、学習しています。 で、自分自身のために、利己的に教育を受けつつあります。
16:50 K: 私は、そう言いました。 君が、数学や生物学や物理学を学習するとき、 君はそれを、自分自身のために、学習していますか。

学生: 自分自身のためです。

K: 初めに、ただ静かに聞いてください。 君は、これらの科目のどれかを、学習するとき、 君自身のために、それを学習していますか。 または、君は、試験に通るため、職を得るために、それを学習しています。ですね? で、この学習は、君が利己的になるよう、導きます、 君がますます閉じこもるよう、導きますね - このとてつもない精神を、小さな点へ、家、職、悩み事へ ますます狭めてしまうように、です。 付いてきていますか。

学生: はい。
17:56 K: これを悟りますか。
17:58 学生: 悟ります。

K: ちょっと待って。
18:01 私たちがいう悟るとは、どういう意味かを、理解しましょう。 君は、言葉を、言葉の意味を、悟りますか。 または、実際の事実を、悟りますか。
18:17 学生: 何かをお訊きしてもいいでしょうか。
18:19 K: ちょっと待って。君は、私にいっぱい質問を、するでしょう。 当分の間、それを保っておいてください。 君は、「私は悟る」と言うとき、その言葉は、どういう意味ですか。
18:30 学生: 私は、それをお訊きしたかったんです。悟るって、どういう意味ですか。
18:35 K: 私は、自分がいう意味を、君に言うでしょうが、 私は、君がいうのがどういう意味かを、知りたいです。 君は、その言葉を使ったとき、私をまねていましたか。
18:42 学生: いえ。私は・・・それを知っている、という意味で、 悟ると、言っていました- 知ることです。
18:50 K: さて、君がいう知るとは、どういう意味ですか。 気をつけて考えてください。考えぬいてしまう前に、答えないでください。 君が、「私は知っている」と言うとき、それは、どういう意味ですか。 君は、2+2が4になるのを、知っています。 一定の数を足していって、 それが正確でなければならないことを、知っています。 で、君が「私は知っている」と言うとき、それは、どういう意味ですか。 君は、自分のお父さんやお母さんを、知っていますか。 気をつけて、考えぬいてください。知る。 君は、自分の教師を知っていますか。 君は、(教頭の)トーマス夫人、(校長の)ナラヤンさんを、知っていますか。 知る - 君は、彼らを見守ってきた、 彼らを研究してきた、彼らの問題、彼らの困難を理解する、 という意味で、知っていますか。 または、君は、名前、姿形を知っているだけですか。
20:03 学生: そして、彼らが私にとって、何であるのか。それですべてです。
20:05 K: で、それは、どういう意味ですか。

学生: またもやそれは・・。 待って、待って。君は、彼らを知りません。それがすべてです。
20:14 学生: 私は彼らを知りません。
20:16 K: それで、言語の使用には、よく気をつけなくてはいけません。 すなわち、君が「私は知っている」と言うとき、 私は彼らを表面的に知っている、という意味です。 君は本当は、彼らを知りません。ですね? 理解しましたか。

学生: はい。 

K: よし。

K: さて、同じように、君が、 私は、自分が利己的であることを、知っている、と言うとき、 私は、自分が学習しているすべては、自分を、 職にのみ関心のある精神を持つよう、 導くだろうと、知っています。ですね? さて、「私は知っている」と言うとき、それは、どういう意味ですか。 これらに、付いてきていますか。

学生たち: はい、先生。
21:12 K: はい。私は理解します。
21:20 例えば、君が痛みを持っている、とします - 物理的な痛み、 歯の痛みや、それが何であっても、ですが、君は、自分が 痛みを受けていることを、知っています。 それは事実です。ですね? さて、同様に、君は、自分の学習、あらゆる物事が、 或る点へ、繋がっていることを、知っていますか - 君がほとんど、自分自身について、関心を持っているだけの所へ、です。 君は、それを知っていますか。 君は、それを感じますか。 または、それは、叙述だけですか。
21:55 学生: 私はそれを知っています。 なぜなら、それは真実であるからです。

K: 真実です。で、今、気をつけてください。
22:03 君は、それを真実だと知るとき、そういうことについて、何をしますか。 君は、歯が痛いとき、何をしますか。 君は、自分は歯が痛いことを、知っています。君は、歯医者へ行きます。 君は行って、何かをします。 同様に、君はこれを知るとき・・・
22:24 学生: ですが、そのとき、自分はそれが好きでないことを知るとき、 何かをしますが、自分はそれと一緒にいて、 自分がそのように生きるのが幸せであると、知るとき・・・
22:36 K: ああ、分かります。君は、そのように生きるのが、幸せです。
22:41 学生: そのとき、何をするんでしょうか。
22:43 K: 私は君に訊ねています - 君は幸せですか。そうですか。 すなわち、君は、閉ざされた壁の中に、生きています - 君自身の作った牢獄の中、です。 君はそれを楽しみます。
23:02 学生: でも、それは、それが私の知っている唯一つのものであるからです。
23:05 K: 待って、お嬢さん。 君は、それを楽しみますね。 なぜなら、それは、君が知っている唯一つのものであるからです。 いいですか?それは確かですか。
23:16 学生: 私は、もう幾らか、知っています - 他の何かも、です。
23:20 K: 君は、何を知っていますか- 他の何かとは。
23:22 学生: 違った生き方が、できる、ある、ということ、です。 あの壁より、避難できます。
23:30 K: で、君は今、二つのことを、知っています。 君は、自分が生きるように訓練されるさまを、知っています。 君はまた、違った生き方があるか、あるかもしれないことをも、知っています。 ですね? で、君は、何をしようとしていますか。
23:55 学生: 違った道があることを、知るとき、 どちらの道のほうがいいかを、考えようとします。
24:01 K: こちらへ来なさい。 ここには、たっぷり空きがあります。
24:40 学生: 自分にとって、どちらのほうが、いいだろうか、 どちらの道を行くべきかを、考えようとします。
24:48 K: で、君は、それへ訓練をされてきました - 学業的に、学校、専門校、大学、です。 君は、運がいいなら、試験に通り、職を得ます。 そして、それに関心を持つだけですね。 この女の子が指摘するように、また、別の道もありますね - そうでないかもしれない、違った生き方かもしれない道です。 君は、二つの間の違いを、知っていますか。
25:22 学生: はい。一つの道は、とても安全な生を、保証してくれます。 自分が職を得るだろうことを、知っています。 

K: そうですか?
25:27 それが、安全な生を保証してくれると、言わないでください。保証してくれますか。
25:34 学生: ええ。自分が利己的であるなら、です - それは、他の人たちについて、気を揉もうとしない、という意味です。
25:40 K: 君は安心です。 そうですか?
25:46 学生: 自分は安心だと、思います - 他の物事について知らないかぎりは、です。
25:51 K: そうなんです。ですが、君は、他の物事について、知っているのです。
25:55 学生: で、自分は安心ではありません。
25:58 K: 君は、彼女が言ったことを、理解できますか。 または、君は、自分自身に聞くだけですか。 君は、彼女が言ったことを、聞きましたか。 

学生: はい。
26:12 K: 君は、それについて、何と言いますか。
26:26 学生: 私は何か、言ってもいいですか。 私はここに座るでしょう。
26:30 K: いいですよ。
26:35 学生: 当初、あなたは、私たちが自分自身のまわりに、壁を築くことを、仰いました - それが快適であっても、違っていても、です。 それは、壁です - 私たち一人一人のまわりの、です。 しばらくの間、あなたに聞いた後、私は、自分自身のまわりに 壁を持っていることが、分かります。 本当にそれが分かります。 で、私は望むなら・・・

K: ・・・それを突き抜けたいと。
27:02 学生: ・・・壁を突き抜けたいと望むなら、私は、自分が良い人物でありたいとか、 全体的な人物でありたいとか、言うとしても、それは働きません。 なぜなら、それはまたもや、良い人物であるために、 働いて突き抜けようとする、自分の利己性であるからです。 で、私が見える唯一つのことは、 私が、壁の各煉瓦を、見つめなくてはいけない、っていうことです。 ただ、よく気をつけて、それを見つめる。 そして、私がその中から、或る種の理解をできるのかどうかを、見るんです。
27:35 K: そうです。君は、彼女の問いを、理解しましたか。
27:38 学生: はい。

K: それは確かですか。
27:41 学生: はい。
27:42 K: 君は、彼女の問いを、理解しましたか。 

学生: はい。
27:46 K: 君はかなり、疑っていますね。 私が間違っているなら、どうぞ、訂正してください。 彼女は訊ねています。 彼女は、訊ねています - 私は、自らが、自分自身にまわりに、壁を築いてきたことを、知っています。 私は、それが醜いことを、知っています。 私は、自分自身のまわりに壁を築いてきたのは、 良い人物でないだろう、と知っています。 また私は、それを壊したいとも思います。ですね? 私は、壁を壊してしまいたいのですが、 私はそれを、完全に壊してしまえません。ですね?
28:43 学生: それは、正しくは、私が言った意味ではないです。 私は、こういう意味で言いました - その壁を壊してしまおうとする中で、 私は、自分は良い人物でありたい、と言います。
28:52 K: そのとおりです。 それは、同じです。 さて、ちょっと待って。それを理解しましたか。 

学生: はい。
29:00 K: 君は、自分が言っていることを、理解しますか。 自分が言っていることを、ゆっくり理解してください。 行為者は - 私は、違った言葉を使っていますよ - 自分自身のまわりに壁を築く行為者は、 まさにその行為者が、壁を壊してしまいたいのです。 壁を壊してしまう中で、彼は、やはり同じです。 

学生: はい。 ですね?君はその意味を、分かりましたか。

学生: 私は理解しませんでした。
29:32 K: 君は、それを理解しましたか。
29:35 学生: あなたはちょうど、こう仰いました - 壁を壊してしまいたい中で、 彼は、何をも解決していない、と。 私は分からないんです・・・ そうね、私は全体的でないのなら、私は幸せでないのなら、 私がどうして、他の誰をも、全体的にできるのか、 他の誰をも、幸せにできるのか、分かりません。
29:54 K: 君は、彼女が言っているのと同じことを、言っています。 すなわち、私が、壁を築く者です。ですね? また私が、壁を壊してしまいたい人物です。
30:08 学生: ええ、では、人物が同じであるなら、 壁はまたもや同じです。
30:14 K: そのとおりです。全くそうです。 これを理解できますか。 いえ、気をつけてください - 君が本当にこれを理解するように、です。 私は、自分自身のまわりに、壁を築いてきました。 そして、私は、壁を壊してしまいたいと思います。 私は、良い人物でありたいと思います。 で、私はやはり、同じ人物です。 待って、気をつけて理解してください。 私は、壁を築くのと同じ人物です。 私は、壁を壊してしまいたいのと同じ人物です。 私は、良くありたいのと同じ人物です。 で、私は、いつの時も違っていようとしていて、同じに留まります。 これは分かりましたか。

学生: はい。
31:00 K: それは確かですか。

学生: はい。
31:04 K: 私は、君がこれを理解することが、 きわめて明らかでなければなりません - すなわち、私は、何をしようとも、やはり同じであり、 良くありたい、 自由になりたい、 車をほしい、 県長官になりたい、 より大きな住宅がほしいが、私は同じです。 それで、何ですか。 気をつけて。答えないで、ゆっくり考えぬいてください。 私たちは、いっぱい時間を、持っています。 君たちが望むなら、私は、午前中ずっと、ここにいられます。 で、気をつけて、考えぬいてください。 ちょっと待って。何ですか。
32:02 学生: 自分自身を変化させたいなら、 利己性の中から、自分自身を変化させたいと思うだけです。
32:07 K: ええ。で、君は、何をしようとも、同じに留まります。 

学生: ええ。

K: それについて、悲しがらず、朗らかでいてください。 それを理解できますか。 さて、見て、その裏へ行ってください。
32:28 学生: 先生・・・

K: ご婦人優先です。
32:34 学生: それを悟ってから - 私は、より良くなりたいのなら、 または、良くありたいのなら、私は同じですが、 私に分かる唯一つのことは、よく気をつけて、この「私」を、 検討することです - これらの壁を築き上げるものを、です。
32:56 K: で、誰が、それを検討しようとしていますか。 

学生: またもや、私です。
32:59 K: で、何ですか。 さて、そうね、君は、とても論理的になっています。ですね? 君はずっと、とても論理的だったのです。私もそうです。 何が起きるかを、見てください。 私はちょうど言いました - 良くあるため、尊くあるため、 壁を壊してしまうために、私が何をしても、同じです。 その裏には、何がありますか。 自分の頭脳を使ってください。 君たちはみんな、学業面で訓練されますが、自分の頭脳を使っていません。
33:49 学生: 僕が壁を壊してしまいたいと思うとき、 僕は、なぜ自分が壁を壊してしまいたいのかが、分かりますか。
33:56 K: なぜ君は、壁を壊してしまいたいのですか。 なぜですか。私に言ってください。
34:01 学生: それは、語り手が僕に、壁を壊すよう、頼んでいるからですか。
34:06 K: こちらに来て、座ってください。 私は、君の言葉が聞こえません。
34:10 学生: 私はここに座っていいですか。

K: いいですよ。そこに座ってください。
34:15 学生: 僕は、自分のこの壁を、壊してしまいたいとき、 語り手が僕に、それを壊すよう頼んでいるから、それを壊しますか。 語り手が、今の自分なるものより、何かはるかに良いことの 輪郭を示しているし、僕はそうなりたいから、ですか。 そういうわけで、僕はこの壁を壊しているのですか。 または、それは、他の何かのせいですか。

K: いいえ。彼女は言います -
34:33 私は、自分は壁を壊してしまわなければならないのが、分かります。 私は、壁が何をするのか、私を分離する等が、分かります。 彼女自身が、それを分かります。 それは誰かが・・・いや、気をつけて。 それは、私が指し示すからではありません。 私は指し示すかもしれませんが、彼女はそれを理解します。
34:55 学生: で、あなたは、彼女がそれを理解するのを、助けています。
34:57 K: それを理解するように。 それだけです。
35:00 学生: あなたがそう仰っているからではない。
35:02 K: すると、私は、愚かな人物になるでしょう。 私は、導師になるでしょう。 おそらくそれは、愚かであるのと、同じことです。 いいですね? さて、私の動機は、何ですか。 動機という言葉が、どういう意味かを、理解できますか。 いや、気をつけて。言わないで。 即時に言わないでください。 動機は、動きを意味しています。 ですね? それは理解できますか。 私はそれを、ひどく困難にしていますか。
35:49 学生: でも、僕たちが動機として知っているのは、動きではありません。
35:53 K: もちろん、それは動きです。 ただそれを検討してください。 それは、動きを意味しています - 一つの点からもう一つの点へ動くのです。
36:07 学生: ええ。動機ね、ええ。
36:09 K: 分かりますか。 君は分かりましたか。 君は聞いていますか。 君はそれを分かりましたか。 私は動機を持っています。 動機は、私の欲望の動きです。 いいですか? 分かりますか。 これを理解できますか。 で、私の欲望は、こう言います - 私は壁を壊してしまわなければならない。 私は良くあらねばならない、などと、です。 で、欲望が、私をして、対象を変化させさせつつあります。 ですね?これに付いてきていますか。 私は幼いとき、玩具で遊びます。 それから、私は少し年を取り、対象の変化が、あります。 で、君の変化は - 壁を壊してしまうことですが - 欲望の動きですか。 これは、あまりに困難ですか。 あの子は、「いいえ」と言います。
37:35 学生: 一瞬前にあなたは、教育は利己性へつながることを、指摘されました。
37:40 学生: あなたは、少し前に、教育は利己性へつながることを、 指摘されていました。
37:45 K: ああ、ちょっと待って。
37:48 学生: すると、教育は何のためですか。
37:51 K: それが、私が君たちに訊ねていることです。なぜ君は、教育を受けていますか。
37:55 学生: すると、なぜ教育が、あるべきでしょうか。 僕たちは何のために、ここにいますか - 教育は利己性へつながると仰るなら、です。
38:02 K: 私は、彼の英語を理解できません。
38:04 学生: 彼は、こう言っています - 教育は利己性へつながると仰るのなら、 私たちは、何のためにここにいますか。
38:09 K: 私は君に、訊ねています。
38:11 学生: 僕はそれを理解します。 ですが、すると、そのとき、あなたの教育の定義は、何ですか。
38:18 K: 定義は、ラテン語のエデュカーレすることです。それは、引き出すという意味です。 君は、捕らわれています。そうね、私は君にお訊きしていますよ。 いいですよ。 もう一回、始めましょう。 なぜ君は、教育されつつありますか- 君たちのみんなが、です。 私に言ってください。 君たちは、数学、地理、歴史、経済・・ 数学などを、学習しています。 なぜ君は、教育されていますか。
38:58 学生: 職を得るためです。
39:04 K: 全くそのとおりです。 ついに、君たちは、搔き立てられつつありますね。 よろしいですか。 そういうわけで、君は教育されつつあるのですか。職を得るため、ですか。 それは、どういう意味ですか - 職を得るとは。
39:27 学生: 良い生活を送るためです。
39:33 学生: それは、お金を持つし、ほしいものを買える、という意味です。
39:36 K: 全くそのとおりです。 彼女が言ったことを、理解できますか。 君は、お金を持っているなら、自分がほしいものを、得られます。 君は、お金を持っているなら、良い生活を送れますか。
39:49 学生: はい。 

K: 君は何を、良い生活と呼びますか。
39:53 学生: 金銭問題がない。
39:58 学生: 彼は、金銭問題がない、と言いました。
40:06 K: そうね、(イギリスの)BBCでの英語の番組で - 君は、BBCが何なのかを、知っていますか。もちろんです。 コメディアン、喜劇役者が、導師の衣装を着ていて、 彼らはみんな、このように座っています- 弟子のみんなが、彼のまわりに、です。 とりわけ、彼はこう言います - 「私に、あなたのお金すべてを、施しなさい。 すると、あなたは、何も金銭問題がなくなるだろう」と。 それが、導師たちが望むことであると、私は思います - 持ち金すべてを、自分たちに施せ。 あなたは、何の問題もなくなるだろう、と。 それが、君の言いたい意味ですか。
40:55 学生: ですが、私たちが毎日要るもの、 基礎的な必要物を持つことは、重要ではないですか。
41:02 K: 同意します。君たちは、生のために基礎的な必要物を、 持たなくてはいけません。 それは、衣、食、住です。ですね? 君たちは、それらが、生の必要物であることは、すっかり確かですか - 衣食住が、です。
41:31 学生: それらが、唯一つの生の必要物ではありません。 衣食住だけでは、生きられません。 幾らか面白いことが、なくてはいけません。
41:40 K: ああ、いいですよ。 君たちは、幾らか面白いことが、なくてはいけません。それを加えてください。 それらが、生の必要物です - 面白いこと、衣食住。 それが、君がほしいものですか。 君は、それらを、生の必要物と考えますか。 聞こえません。
42:08 学生: 彼はこう言いました - それは、教育は、未来に助けてくれる。 なぜなら、いろいろと知っているから、と。
42:21 K: やっと、彼らは、目覚めつつあります。 君たちに話してもらうために、45分が掛かりました。 で、君たちは、衣食住と、幾らか面白いことを持つために、 教育されつつある。ですね? それで、すべてですか。
42:49 学生: でも、理科、物理学、地理とそれらを学ぶのは、楽しいです。
42:54 K: ええ。それらを加えてください。 地理、歴史、物理、数学、生物 木登りの仕方など。 それから、何ですか。
43:09 学生: すみません。僕たちは、自分の足で立つために、 そして、誰にも依存しないために、教育が必要です。
43:17 K: そうです。君は教育されつつありますが・・・ こちらに来てください、お兄さん。 君が、ここに来なさい。 彼女は、降りてしまいました。 で、君は、教育は、自分の足で立つのを助けてくれると、言っています。
43:43 学生: はい。

K: そして、一人で立つ。
43:46 学生: いえ。僕たちが誰にも依存しないように、です。そして、 僕たちが、成長して大きくなるとき、 自分自身でいられて、他の人たちを助けられます。
43:56 それが、君の両親がしていることですか。 君のまわりの人々が、していることですか - 一人で立って、他の人たちを助けるのですか。
44:05 学生: いいえ。 

K: いいえ。君は、そうでないと言っていますか。
44:13 君たちはみんな、事実に向き合うのを、恐れていますか。
44:19 学生: はい、もちろんです。
44:21 K: もちろんです。私はうれしいです。 少なくとも君は、何か実在のことを、言います。 で、君たちはみんな、事実に向き合うのに、怯えています - すなわち、自分は利己的である、 自分はただ、経歴を得るために、頑張っているだけである - それとお金のために、教育を受けている、という事実、です。 それが、君がほしいものですか。
44:46 学生: それが、ほぼあらゆる人がほしいものです。
44:51 K: それが、君がほしいものです。
44:53 学生: はい、そうです。
44:56 K: 君は、そう言うことに、怯えていますか。 で、あらゆる人が、これがほしい。ですね? 私は初めに、それを言いました - あらゆる人が、自分自身に関心を持っている、と。ですね? 君は、あらゆる人が自分自身に関心を持つとき、 何が起きるのかが、見えますね。 世の中で、何が起きますか。
45:21 学生: 戦争です。

K: 戦争。 それから、他に何ですか。
45:26 進んでください。眠らないで、私に言ってください。
45:31 学生: 破壊です。

K: 破壊。他に何ですか。
45:37 学生: 各人が、他の誰のためでもなく、
45:40 自分自身のために、生きます。
45:42 K: それは、事実です。 彼らは、そうしています。
45:44 学生: でも、あなたは私たちに、別の道がある、と仰りました。
45:49 K: 私は、君たちへ言いませんでした。
45:51 学生: いいです。私は、別の道があることを、知っています。 でも、そのとき、私は、どうやって別の道を行くかを、知りません。
45:58 K: で、私たちは、見出そうとしています。 初めに、君は、別の道を行く前に、 自分が何をしているかが、明らかでなければなりませんね。
46:06 学生: 私は、別の道がどうなろうとしているかを、知りません。 で、私は、自分が別の道を行きたいのかどうかを、知りません。
46:12 K: 全くそうです。 で、君はこの道が見えます。 それは、教育を受けること、 試験に通ること、学校、専門校、大学、職ですね。 それが、君たちみんなが、知っている道です。 すべての親、すべての隣人、あらゆる人が、それを知っています。 彼らは、それが生きる道であると、考えます。ですね? さて、それのどこが、間違っていますか。 明らかにしてください。
46:44 学生: そこで私は、自分自身のために生きています。
46:47 K: それは、どういう意味ですか。 それの結果は、何ですか。
46:50 学生: 不幸せです。

学生: 私は、一人で生きています。
46:53 K: ええ。進んでください。 彼女は、不幸せ、と言います。 明らかにしてください。 君自身が感じて見なかったことは、何も言わないでください。
47:03 学生: 私は、他の誰にも関心を持っていません。
47:06 K: ええ。そのとき、何が起きますか。
47:08 学生: 鈍感になります。
47:11 K: 鈍感になる。そうです。 進んでください。どうぞ、進んで、動いてください。
47:18 学生: 自己中心的になります。
47:22 K: 自己中心的になります。 そのとき、それらの結果は、何ですか。
47:28 学生: 私に見える、最も重要なことは、 これらの結果として、 私は誰とも、どの種の関係をも、持たないことです。
47:35 K: そのとおりです。で、君は、誰とも、何の関係をも持ちません。 で、君が、誰とも関係を持たないとき、何が起きますか。 進んでください。考えぬいてください。 帰結を考えぬいてください。
47:48 学生: で、自分自身を破壊しています。
47:55 学生: 自分自身を破壊している、と彼は言いました。
47:59 K: 君が、他の一人と関係を持たないなら、君には何が起きますか。
48:07 学生: いつも恐れの中に、生きています。 他の人々と関係を持ちたいのですが、 それを持てません。

K: 聞こえません。
48:16 学生: いつも恐れの中に、生きています。
48:18 なぜなら、他の人々と関係を持ちたいのですが、 それを持てないからです。
48:24 K: で、君に、何が起きますか。
48:28 学生: 自分は安全だと考えるとしても、 そうではありません。 自分は完全に、不安全です。
48:33 K: で、君は、それを見出したのですか。 君が見出したということは、すっかり確かですか - すなわち、他の一人との関係がないとき、君は、 全面的に、不安全である、ということです。

学生: はい。でも、そのとき・・・

K: 待って。その事実を見てください。 そのとき君は、何をしますか。 いえ。気をつけて見てください。 君は、他の一人と関係を、持ちたいのですが、 それを持てません。なぜなら、君は、壁の中にいるからです。 君は、壁の中にいるかぎり、さびしくて、不幸せで、 不安定で、不安全です。 それは、事実です。 そのとき君は、次に何をしますか。
49:26 学生: でも、そのとき、それは、安全への探求になります。 僕たちは、絶対的な安全を見つけるために、問うていますか。
49:33 K: 君は、絶対的な安全があるのかどうかを、訊ねていますか。
49:36 学生: いえ。でも、なぜ僕たちは、これらを覗きみていますか - もし僕たちが、関係を持たないとき、不安全であると知っているなら、です。 僕たちは、絶対的な安全を、探求していますか。
49:46 K: 私は君に、訊ねています。
49:50 学生: たとえ、壁を破りたくて、最終的に何とか破れても、 関係を持ちたくて、別の人物へ行きます。 別の人物は、構っていられません。 彼は、自分自身のために、生きています。 誰も、話を聞いてくれる準備が、できていません。
50:22 学生: 僕は、こう言いました - たとえ、関係をほしくて、 それを探しに出かけて、別の人物へ行って、 「僕は関係がほしい」と言っても、 別の人物は、何についても構っていられません。 彼は、自分自身のために生きています。 で、彼は、こちらについて構っていられません。 彼は、「僕は関係をほしくない」と言います。自分は、何をしますか。
50:42 K: それが、私が君に訊ねていることです。
50:47 学生: それは、一種の悪循環です - どこかで破らなくてはならないものです。
50:51 K: それが、私が言っていることです。 君は、それが悪循環であると、悟りますか。 私は、君と関係を持ちたいです。 なぜなら、私はさびしく、不幸せであり、 相手の人物もまた、さびしく、不幸せであるからです。ですね?
51:10 学生: それは基本的に、同じことで、終わります - イメージを築いて、捕らわれるんです。
51:17 K: 何ですか。
51:19 学生: それは基本的に、同じことで、終わります - 自分自身のまわりに壁を築いて、終わりに捕らわれます。
51:26 K: で、君は何をするのでしょうか。
51:31 学生: 自分自身のまわりに、壁を築かないでしょう。
51:35 K: そうね、一般的に私たちがすることは、それを受け入れる、それに慣れる、 そして、ただゆっくり死ぬ。 それが、私たちがすることですね。 私たちは、社会がこのようだと、言います - あらゆる人間が、自分自身に関心を持っている。 社会は腐敗している。私もまた、その社会の一部である。 私は、腐敗するだろう。 私は、不幸せになるだろう。 私は次第に、それに慣れるし、それに呑み込まれるだろう、と。ですね? 君は、そうしようとしていますか。 私の質問を避けないで、答えてください。
52:25 学生: ちょうど今、自分は、馬に似ています。 目は、一つの道だけを、まっすぐ見させられています。 それを何とか開けるなら、 たぶん、別の考え方ができます。
52:37 K: そのとおりです。それが、今私たちがしていることでしょう。 私は、自分の利己的な生活を、してきました。 あなたがやってきて、それを私に指摘しますね。 私は、これらを放り出したいです- 自分の目隠しを、ね。
52:58 K: で、私は、何をするのでしょうか。
53:00 学生: 広い精神を、持たなくてはいけません。
53:06 K: 私は、広い精神を持っていません。 私は、何をするのでしょうか。
53:10 学生: そうであるという事実を、見る。 自分自身のまわりに壁を築いてきたことを、見る。
53:15 K: 君は初めに、それが見えますか。 お兄さん、君は、それが見えますか。 または、それについて話すだけですか。 そうね、私たちは、それについて話をするのが、とても上手ですが、 私たちは、それについて、けっして何もしません。
53:31 学生: それは、僕たちはそれについて議論しはじめるときにのみ、 それについて、本当に考えはじめるからです。
53:37 K: ええ。私は君に、今、それについて考えるよう、頼んでいます。 これが、君の教育の一部でしょう。 で、それについて、話しましょう。 それについて、考えましょう。 今、11時です。 それを見つめましょう。 私たちの教育は、学業面で、私たちが職を得るのを、 妻、子、住宅とそれらを得るのを、助けています。 私は、その小さな狭い家に、生活します。ですね? 私は、動揺したくありません。 なぜなら、私は、それが自分にとって、完全な安全であると、思うからです。 君は、これらに付いてきていますか。 ですが、それは安全ですか。
54:45 学生: そうではありません。
54:47 K: 君は、どうやって知りますか。
54:50 学生: 同じことをしている人々が、多くいますし、 自分は、彼らに付いていきます。 自分は、次に何が来るかを、知りません。 いつ自分の破壊へ繋がろうとしているのかを、知りません。 で、それは、安全ではありません。
55:04 K: 君は、後ろで、あの子が何を訊ねたのかを、知っていますか。 彼は言いました - 私たちは、安全を探し求めていますか。 絶対的な安全といったものが、ありますか、と。
55:20 学生: それが絶対的な安全でなくても、 少なくとも、自分は部分的に安全です。
55:25 K: で、君は、部分的な安全で満足しています。
55:31 学生: まったく何もないのより、比較的、そのほうがましです。
55:34 K: そのとおりです。で、あらゆる人が、そう言っていますか。
55:38 学生: 僕は知りません。

K: もちろんです。
55:41 君は、これについて考えます。 彼らすべてを、見守ります。 彼らはみんな、同じことをしています。
55:47 学生: それは、安全という言葉の意味、使い方に、依存します。
55:52 K: いいですよ。君のいう安全とは、どういう意味ですか。
55:55 学生: 或る人々にとって、それは、たくさんのお金を、意味しているかもしれません - 自分たちの余生の間、扶養する十分なお金、ですが、 或る人々にとって、それは、何か違ったことを、意味しているかもしれません。
56:05 K: 私は知りません。それは、どういう意味ですか - 何か違ったこととは。 私に言ってください。

学生: 或る人々にとって、それは、
56:12 良い社会の中に生きることを、意味しているかもしれません。
56:15 K: どれが、良い社会ですか。

学生: 人々が腐敗していないところです。
56:21 K: それらは、どこにありますか。

学生: 僕は知りません。 僕は、腐敗していない社会を、見つけたことがありません。
56:31 K: 君は、この社会が腐敗していると、言っていますか。
56:35 学生: 僕はまだ知りません。

K: 君がいう知らないとは、どういう意味ですか。 君は、賄賂が行われているのを、知りませんか。 

学生: 知っています。
56:50 K: で、君たちが生きている社会は、腐敗しています。
56:55 学生: ほぼ間違いなく、そうです。
56:57 K: 君のいう「ほぼ間違いなく」とは、どういう意味ですか。
57:00 君は法律家ですか。

学生: いいえ。
57:02 K: 君のお父さんは、法律家ですか。

学生: いいえ。 

K: ああ、ありがたい。
57:08 学生: 或る人々は、愛に安全を見つけるかもしれませんが、 私は、愛が何であるかを、知りません。 彼らは、関係に、安全を見つけるかもしれません。
57:17 K: そうなんです。 ただ気をつけて、聞いてください。 君は、お金に、人物に、観念に、信念に、 安全を見つけるのか、 または、彼ら自身が創り出してきた何か概念に、です。 で、何ですか。彼らは、お金に、人物に、安全を見つけます。 彼らが、人物に安全を見つけようとするとき、安全はありますか。
58:01 学生: 僕は、お金に、人物に安全を探す、とします。 実際に、僕は、そのお金に依存します。 僕は、その人物に依存します。 それは、安全ではないでしょうね。 何かに依存することは、安全ではありません。
58:14 K: いえ。私は君に訊ねています。 私は全く同意しますが、 ただ、一分間、私が言っていることを、検討してください。 君は、或る人物に、安全を見つけます。 さて、その安全の意味合いは、何ですか。 帰結は、何ですか。 何が続きますか。 私は君に依存します。 私に、何が起きますか。
58:41 学生: 私は、あなたに依存します。 安全のために、あなたに依存するなら、 私は、いつの日か、この安全を失うだろうことを、恐れています。
58:49 K: それが、第一のことです。 ですね? で、私は、君を失うだろうと、恐れています。それは、どういう意味ですか。 私はますます、君へ縋り付きます。
58:58 学生: またもや、不安全だと感じます。
59:00 K: またもや、私は、不安全だと感じるでしょう。 で、君は、人物に安全がないことを、悟りますか。 君はそれを、事実として知っていますか。 で、そのとき君は、依存しないのでしょうか。 で、君は、人物に安全を見つけないのでしょうか - 夫、父親、母親、導師。他は何?政治家に、です。いいですか?
59:36 学生: それは、関係には安全がない、という意味ですか。
59:41 K: 君は見出そうとしています。 それは、そういう意味です。
59:44 学生: それは、安全を見つけられる唯一つのものは、 自分自身だ、という意味です。
59:49 K: さて、自分自身とは、何ですか。 気の毒な子どもたちです。 そうね、君たちはみんな、考えぬかずに、これらの言い回しを使います。 彼は、「なぜ私たちは、これらについて話していますか」と、言いました。
1:00:07 学生: なぜなら、彼は、私たちは絶対的な安全を 探求しているのかどうかを、訊ねたからです。
1:00:12 K: ええ。さて、彼はその質問をしました - なぜですか。
1:00:26 学生: あなたは、教育は利己性だと、仰います。
1:00:30 K: ごらん。私は、教育は利己性だと、言いませんでした。 私は、今、君は教育されつつあるので、 何が起きつつあるかを、見てください、と言いました。 君が結果的に、どうなるだろうかを、見てください。
1:00:46 学生: 教育は、僕たちの知識を向上させることです。
1:00:53 K: ええ。教育は、知識を向上させる・・・取得することですね - 数学について、生物学について、建築について、 工学について、住宅の建て方、 車の組み立て方、などなど、知識を取得する。 その知識は、君が行為するのを、助けてくれますね - うまくか、まずくか、上手にか、下手にか、です。 ですが、その行為において、君は利己的になりますね。 それが、私たちが話しているすべてです。 そのときこの子は、言っていました -なぜ私たちは、安全について話しますか、と。
1:01:44 学生: 他の人たちを助けたいなら、 僕たちは、自分自身に、関心を持たなくてはいけないでしょう。 なぜなら、彼らを助けたいのなら、僕たちは生存しつづけなくてはいけないでしょう。
1:01:53 K: もし彼らを助けたいのなら、君は、生存しつづけなくてはいけません。 何もはや! 私は彼に、訊ねています。 彼はまだ、答えていません。
1:02:06 学生: またもや、それは、利己性へ戻ってきます。 僕は安全がほしいです。またもや、それは、利己性へ戻ってきます。
1:02:14 K: いいえ。ですが、彼は、違った質問をしましたよ。 なぜ私たちは、安全について話していますか。 そして、絶対的な安全が、ありますか。 それが彼の質問です。ですね? 彼に訊ねてください - なぜ彼は、安全について、話していますか。 君は、安全を探し求めていませんか。
1:02:36 学生: 僕は、自分はそうだと思います。 もしも自分がそうでなかったなら、 もしも自分が安全を探し求めていなかったなら、ここにいないだろうと、思うからです。
1:02:47 K: 君はいないんでしょうか。
1:02:49 学生: ええ。僕は、自分が安全であることを、しているだろうと、思います。 仮にたぶん、それがここに座っていることなら、僕はここにいるでしょうが、 もしも、僕がそこで完全に安全であるのが他の何かであったなら、 もしも疑いや恐れを持たなかったなら、僕はここにいないでしょう。
1:03:06 K: で、君はここで安全です。

学生: いいえ。僕は、
1:03:11 自分が不安全だと言っています。 そういうわけで、僕はここに来たんです。
1:03:13 K: さて、待って。君は、自分が不安全であることが、すっかり確かですか。 または、それはただ、たくさんの言葉、利巧な議論だけですか。
1:03:27 学生: はい。僕は、自分が不安全であることは、すっかり確かです。
1:03:30 K: 君は、利巧にしていますか。

学生: そうだとは思いません。
1:03:35 K: いいです。で、君は、自分が利巧にしているとは、思いません。
1:03:38 そのとき、君は、「僕は不安全です」と言いますね。 何に関して、不安全ですか。
1:03:47 学生: 仰ることが、どういう意味なのか、分かりません。
1:03:49 K: 君のいう「分かりません」とは、どういう意味ですか。 不安全 - 君は、何により、不安全だと感じますか。
1:04:03 学生: 僕は傷ついているなら、痛みを感じるなら、明白にそれをほしくありません。
1:04:09 K: 私は、質問をしています。 君は、私に答えておられない。 私は君に、訊ねています - 何により、君は不安全に感じますか。
1:04:18 学生: ええ、なぜなら、僕は痛みを感じるから、傷つくからです。
1:04:20 K: で、傷つくことにより、君は、不安全に感じますか。
1:04:24 学生: 不安全とは、そういう意味だと、思います。
1:04:27 K: で、不安全は、傷つくという意味です。ですね?
1:04:31 学生: 恐れを持つこと、疑いを持つこと、ええ。
1:04:33 K: 傷つく。その言葉で通してください。何が傷つきますか。
1:04:41 学生: 僕の感情、僕の情動、です。

K: ええ。それらは何ですか。
1:04:47 学生: 自分が築いてきた観念です。
1:04:49 K: そうね、彼は利巧にしています。 彼は、これらの問いに、答えません。
1:04:53 彼は、それに入りません。 彼はただ、言葉を放り出すだけです。 私は見出したいのです - 彼が「僕は傷つく」と言うとき、何が傷つきますか。 彼はただ、情動と言い、止めてしまいます。 ですが、それに、もっと深く入ってください。何が傷つきますか。
1:05:12 学生: それは、自分の精神の中に築いてきた一定の観念ですか。
1:05:18 K: 進んでください。 それに入ってください。

学生: たとえば・・・自分は一定のものである、と考えますね
1:05:27 - 自分は一定のさまである、と。 誰かが、君はそうでないと言ってくるなら、傷ついた気持ちです。
1:05:32 K: ええ。それは、どういう意味ですか。
1:05:36 学生: 特に、わずかな人々が、「君はこれがとても良い、 あれがとても良い」と言い、 別の人物が、「いや、彼はさほど良くない、こっちの人のほうが、彼よりはるかに良い」 と批評するとき、彼の感情は、傷つきます。
1:05:48 K: それは、どういう意味ですか。

学生: 彼のイメージは、傷つきます。
1:05:50 K: ゆっくり行ってください。 君が言ってきたことは、理解できます。 それは、どういう意味合いですか。 それを検討してください。
1:05:56 学生: それは、彼の誇りが傷つく、という意味です。 

K: 誇り。他に何?
1:06:03 学生: イメージです。
1:06:05 学生: で、彼が、自分は何であるかと考えるもの - それが、傷つきます。
1:06:10 K: 私は、自分は大物であると考えます。 仮に、私はそう考える、とします。
1:06:14 君がやってきて、「ばかは止せ」と言います。私は傷つきます。 「私は傷つく」というのは、どういう意味ですか。 彼が、その問いを出しました。 彼は、私に答えていません。
1:06:29 私は、彼に訊ねています。 

学生: 僕は、それについて、考えています。 僕が即時に答えるなら、それは、利巧にしていることかもしれません。
1:06:41 K: 君は、私の問いに答えていますか。

学生: 僕は考えています。
1:06:44 K: どれほどの間?
1:06:46 学生: いつでも、自分は答えられると感じるかぎり、です。
1:06:49 K: 私は君に、質問しています。 さて、君は、その問いに答えるために、どれほどの間を、掛けるでしょうか。
1:06:56 学生: 僕は、自分が答えを知っているのかどうかを、知りません。
1:06:58 K: で、君は、答えを見つけようと待っています。どこからですか。
1:07:04 学生: 自分が知っていることから、いわば、自分の経験から、 または、自分がたぶん、あなたが仰るのを聞いてきたことから、です。
1:07:10 K: 経験、他の人たちが言ってきたこと。 で、君は、なぜ自分が傷つくのかを、自分自身で、見出していないのです。
1:07:19 学生: それはまたもや、問いを出すでしょう - 自分自身とは何ですか、と。
1:07:22 K: 私はそれへ、行こうとしています。 利巧でいないでください。 私は、君が「僕は傷つく」と言う時点へ、行こうとしています。 君がいうそれは、どういう意味ですか。
1:07:34 学生: 自分が、傷つくことの原因です。 なぜなら、仮に、僕は自分が大きいと考えない、とします。 そのとき、誰かが僕に、僕は大きい、と言いました。 僕は傷つかないでしょう。ですが、僕は、自分は大きかったと考えていて、 誰かが、そうでなかったと言うから、僕は傷つくでしょう。
1:07:47 K: そのとおりです。 それが、私が言っていることです。
1:07:50 学生: それはまたもや、利己性です。 自分が一番大きいと、考えるし、 自分より、誰も大きくあってほしくないんです。
1:07:59 K: 君は、自分より誰も大きくあってほしくない。ゆえに、君は傷つきます。 君と私より大きな人々が、たくさんいますね。 しかし、なぜ私たちは、傷つきますか。 彼らのほうが、大きい。 彼らのほうが、知的だ。 より美しい。お金が多い。 これが多く、あれが多い。 なぜ私たちは、傷つきますか。
1:08:22 学生: それは、自分は大きいという自分の感情のせいです。 一人の人物は、君は大きいと、言ってくれました。 自分はいつも精神の中で、自分はとても大きいと、思っています。 別の人物は、「いや、君は大きくない」と言います。 君より大きな人々は、何百もいる、と。 当然、自分は傷つきます。

K: それらは理解できます。
1:08:39 学生: それは、自分自身を一種、上に持ち上げるからですか -
1:08:42 誰かが来て、自分を押しのけ、自分は落っこちます。
1:08:45 K: 部分的には、そのとおり。 それが、その一部ですね。 私は、自分自身を上に持ち上げます。 上に持ち上げるとは、私は、何らかのことをやってきた、ということです。 それは、私に地位を与えてくれます。 君がやってきて、私をその地位より押しのけます。私は傷つきます。
1:09:03 学生: それは、問いを出しませんか - 上に持ち上げられてきた「私」とは、誰ですか。
1:09:08 私は、それへ行こうとしています。 君は、私の問いに答えていません。
1:09:15 学生: 僕は、それについて考えています。
1:09:22 K: 何ですか。
1:09:24 学生: 数分前、あなたは、こう仰っていました - 或る人物は、自分のまわりに壁を築くが、最終的に彼は、それを探ってみる。 そして、壁を壊すために、彼は、別の人物へ行く。 彼が僕たちを助けるのに、乗り気でないなら、僕たちは何をできますか。
1:09:43 学生: 彼は、数分前、あなたは壁について仰ったと、言います。 そして、最終的に、それが間違っていると、理解する。 壁を壊したいと思う。 助けを求めて、別の人物へ行く。 その人物が、助けることに乗り気でないとか、 助けたくないのなら、何をしますか。
1:10:01 K: 誰かが、壁を壊すよう、君を助けてくれるのでしょうか。
1:10:05 学生: それは、自分自身でしなくてはいけません。
1:10:07 K: それがすべてです。 彼に、そう言ってください。 誰も、壁を破るよう、君を助けられません。 君が、そうしなくてはいけません。なぜなら、君が、それを築いてきたからです。
1:10:29 学生: ですが、教育は、完全に利己性へは繋がりません。 なぜなら、自分自身を教育するにつれて、 ますます利巧になって、他の人たちを、助けようとするからです。 他の人たちを助けるにつれて、そのとき、利己的ではありません。
1:10:44 K: そうですか。利巧な人々は、他の人たちを助けていますか。
1:10:51 学生: 教育を受ける人々すべてが、他の人々を助けるわけではない。
1:10:54 K: ええ。まさにそうなんです。 さて、私たちは、止めたほうがいい。 今、1時間と45分です。 ですね?止めましょうか。
1:11:08 学生: はい、先生。
1:11:32 K: 分かります。 教育を受けた人々は、 教育を受けていない人たちより、大いに面白いことが、ある。 いいですよ。私たちは、止めたほうがいい。 今、君たちは、静かに座るでしょうか。 とても静かに座ってください。 動かないで、 目を動かさないで、口を動かさないで、 手を動かさないで、可能なだけ、静かに座ってください。 いいですよ、みなさん。