Krishnamurti Subtitles home


RV81DS2 - 君は、腐敗しないよう、責任を持つのでしょうか。
インド、リシ・ヴァレーでの学校討論、第2回
1981年12月15日



0:20 クリシュナムルティ: 君たちは私に、何について、話してほしいでしょうか。
0:26 学生: 僕たちは前回、止めたところから、つづけられますか。それから進んで・・・
0:35 K: 分かりました。 私たちはどこで、止めましたか。
0:37 学生: あなたは、僕たちの今の生き方に、代替案があることを、仰りました。 そして、あなたは答えを提供しないだろうこと、そして、 僕たち自身が、あなたの助けでもって、それらを
0:49 探さなくてはいけないだろうことを、仰りました。 

K: よろしいです。 初めに、私が話したいことについて、少し話してもいいですか。 それから私たちは、君たちの話したいことを、つづけられますか。 私は質問をしたいと思います - 私たちがいう学びとは、どういう意味ですか。 私たちはほとんど、書物から、 印刷された言葉から、学びます。 または、教育者により、教示されたり、言われたり、情報を与えられたりします - すでに自分の特定の教科に、ぎっしり満ちている教師から、です。 私たちは、聞くこと、見ることをとおして、 学びます。 また私たちは、 その言葉を使っていいなら、 自分たちの心をとおして、学びます - すなわち、慈しみ、同情、寛大さ(をとおして、)です。 で、生について、 幾つもの学び方が、あります - 生は、とても複雑な過程です。 ほとんどの学校と、ほとんどの教育機関は、 書物の知識にのみ、関心を持っています。 その知識は、私たちの精神、 頭脳を、制限します。 私たちは、自分たちの頭脳の全体ではなく、 頭脳の一部を、使っているだけです。 君がそれに興味があるなら、私たちは、入れます - 全包括的な精神、全包括的な頭脳でもって 生きるとか、行為するとは、何であるかの観念や、 または、実在へ、入れます。 すなわち、君の頭脳の小さな一部分でだけではなく、 その全体でもって、ということです。 その小さな部分は、 蓄積した知識です - 経験から、書物から、 出来事から、観察などからの 学びと呼ばれるもの、です。 で、学びは、見たところ、 今、教えられたり、学ばれたりしているように、 特定の主題、科目や、特定の分野へ - 科学、生物学などのへ - 制限されています。 で、特定の視点に限定されていない、 学びが、ありますか。 眼でもってだけではなく、 聞こえることでもっても、また 学びが、ありますか - 感覚的な耳でもって、だけではなく、 はるかに深く聞くのです。 そして、私がその言葉を使っていいなら、 君の心からの学び - その意味ですが、 それは、私が言いましたように、寛大さ、同情、 大変多くの慈しみ、配慮、 親切、大きな愛の感覚です。 それら三つすべてが、完全な調和にあり、ともに働いているとき、 それは、全包括的な、 または、頭脳の全体の作動です。 なぜなら、私たちのほとんどは、とても利己的であり、 自分自身に関心を持ち、 自分の試験、 自分の未来を心配し、 自分の特定な小さな問題を心配し、 自分の成功などを心配しているからです。 私たちのほとんどは、きわめて自己中心的です。 君たちは、その言葉、「自己中心的」を、理解しますか。 すなわち、きわめて利己的です。 見たところ、 私たちは、動いて、その区域の外へ出ることを、 ひどく困難だと見るようです。 確かに教育は、いわゆる学業的な側面に 関心を持つだけではなく、 またそれは、人の発達全体に、関心を持っています - それは、君の心、君の聞くこと、君の見ることと、 君自身について学ぶことです。 君が何であるかを、学ぶことです。 そして、その学びをとおして、君自身を越えていく。 これが、確かに私たちの教育の一部です - 単に君の目を、書物に固定するだけではない。 この広大な美しい谷、 この田舎、国が、あります。 この国で、何が起きているかを、見る。 腐敗は、生の道であるように、思われます - そこでは、部族主義が、ますます成長しています。 分離主義、 南北の対立、東西の対立などです。 政府が何であるかについて、学ぶこと、 君の行為の仕方、 君の学び方、生き方について、学ぶこと。 で、それらが、私たちの学びの一部です。 誰も、君自身についてどう学ぶのかを、君に教えられません。 心理学者、精神科医と 哲学者たちは、 君が自分は何であるかと考えるのかを、指摘してきました。 で、私たちは、彼らに付いていくなら、君は、自分が何であるかに、ではなく、 君は何であるかと、彼らが考えるものに、付いていっています。 これが明らかであってほしいと、願っています。 で、教育は本当に 基本的に、君自身と、 世界への君の関係について、学ぶことです - 兄弟へ、妻へ、夫へ、姉妹へ、隣人などへの 君の関係について、(学ぶの)です。 なぜなら、私たちは、互いとの自らの関係を 理解するよう、学ばないなら、 私たちは、とうてい、新しい社会を創り出せません。 それが、私たちの教育の一部です。 また、私たちが良い人間であるよう 見計らうことも、私たちの教育の一部です。 私たちは、その言葉が何を意味するかを、説明しました。 で、これが、世界と君自身についてと、 君自身と世界との間の関係について、 学ぶ過程全体です。 さて、私は、君たちに質問をしましょう - 私たちが先日、話していたことを継続するように、です。
10:23 学生: 僕は、一つのことを訊ねたいと思うんです。 あなたは、同情と慈しみをとおして 学ぶことが重要であると、仰りました。 僕は、それを理解できません。
10:35 K: 彼は、訊ねています - 同情、慈しみ、寛大さと それらについて、学ぶことは、 重要である。 そして彼は、「あなたがそういう意味が理解できません」と言います。 (気前よく)寛大であることは、 とても困難ですか。 君は、それについて、学ばなくてはいけませんか。 君はシャツを持っているなら- 余分のシャツを、です - 君はそれを、誰かに与えるでしょうか。
11:14 学生: いいえ。

K: いいえ。
11:17 全くそうです。 君たちのまわりには、これら広大な貧困が、あります。 君たちは、相当にいい暮らしをしているように、思われます。 または、君たちの両親は、いい暮らしをしています。 君は、余分なシャツを持っています。 または、余分のスカートを、です。 君はそれを、自分より貧しい誰かに、与えるでしょうか。 君は、そうしたことがありますか。 すなわち、見返りに何をも求めずに、それを誰かに与えてしまう。 それが、(気前よい)寛大さです。
11:59 学生: 僕はありますが、僕は一つのことに、注目してきました - 僕たちが、その種のことをするよう促されるのは、一定の時にだけです。
12:06 K: もう一回、お願いします。
12:08 学生: 僕は、それをしたことが、ありますが、一つのことに、注目してきました - 一定の時にだけ、僕たちは、その種のことをするよう、促されるのです。
12:17 K: 彼は、一定の時に、(気前よく)寛大であるだけです。
12:21 ナラヤン: 彼は、自分は一定の期間にのみ、 そうするよう促されると、言います。
12:28 K: 彼は、いつの時も寛大ではない。 彼は、それが自分に適うとき、寛大です。
12:34 学生: 僕は、そうとも言わないでしょう。
12:36 K: 君は、そうとも言わないでしょう。 すると、あなたは、いつ(気前よく)寛大ですか。 私たちはこれを、彼一人に、限定していません。 君はいつ、(気前よく)寛大ですか。 君は、どの時にも、寛大ですか。
13:01 学生: 自分が幸せであるとき、です。
13:06 K: 君は、幸せであるとき、(気前よく)寛大です。 そうですか。 君はいつ、幸せですか。 で、君は、こう言っていますか - 私たちは本当は、それが自分に適うときだけ、(気前よく)寛大である、と。 いいですね? それが、私たちに都合がいいとき、です。 私たちは、与えてしまうべき古い衣服を、何か持っているとき、とても寛大です。 いいですね?

N: 彼は、いいえ、と言っています。
13:45 K: 君は、いいえ、と言っていますか。 

学生: はい。
13:48 すると、君はいつ、(気前よく)寛大ですか。
13:50 君はいつ、慈しみふかく、 親切に、寛大に、同情的に 感じていますか。 または、君は、けっしてそれを感じませんか。 または、時折だけですか。

学生: 時折だけです。
14:10 K: なぜでしょう。 君が、時折、と言うとき、 その言葉は、どういう意味ですか。 めったにない。 そうですか。
14:24 学生: 僕は、そう言えます。
14:27 K: 君は、そう言うんでしょう。 それは、一年に一回です。
14:31 学生: どの時もないです。

K: どの時もない。
14:35 君はいつ、(気前よく)寛大に感じますか。
14:39 学生: 自分が、何かにより動かされるとき、です。
14:47 K: 君が、何かにより動かされるとき、です。 それは、変な現象でしょう。 昨夜、君たちは、 あの美しい舞踊を見ました。 君たちは、それにより、動かされましたか。 君はその動きを感じた、君自身がほとんど踊れそうだと 感じた、という意味で、動かされましたか。
15:31 学生: はい。
15:33 K: 君は、リズムに付いてゆきましたね。 何が君に、そうさせましたか。 君は、その美しさを見ました。ですね? そのリズム、 姿勢、 活力、 強さを、です。 それは、君に訴えかけました - 君の美的感覚 美しさの感覚が、目覚めました。 ですね? あの瞬間に、君は、何かを与えていたのでしょうか。 君は、自分自身を忘れたでしょう。
16:21 学生: 僕はほぼ、そうなりました。
16:32 K: 君は、動機なく、(気前よく)寛大でありえますか。 動機なく、誰かに何かを与えるのです。
16:42 学生: そう思いません。

K: ええ。
16:46 で、君は寛大ではない。 それは、それが君に適うときだけです。 君ではないよ。 私は一般的に話しています - 私たちのみんなが、です。 で、私たちは、それらの側面を、全的に無視します - 土地の美しさを、です。 私は君たちに、質問してもいいですか- 君たちのみんなに、です。 君たちは、この国が、 腐敗の状態にあることを、知っています - ここでは、腐敗が生の道です。 ですね? 君たちはみんな、それに同意しますか。

学生: : はい。

K: いいです。 君はそれについて、何をしようとしていますか。 君は、その腐敗に加わるのでしょうか。
17:51 学生: 僕は本当に知りません。

K: 君は知りません。
17:54 ですが、私は君に訊ねています - 君は何をするのでしょうか。 今、それについて考えてください。 この国への君の関係を、見出すことは、 君の教育の一部ではないですか - この国は、政治的に、宗教的に、 経済的に、腐敗の状態にあります。
18:32 学生: この国だけではありません。 起きつつあることが、多くあります。 例えば、人が環境に介入してきた。 人口が増大している。 資源が、使い切られようとしている。
18:46 K: ええ、そうです。私はそれらを知っています。 君はそれについて、何をするのでしょうか。 それについて、君の責任は、何ですか。
18:55 学生: 僕は、自分がそれについて何かをできることを、知りもしません。
19:03 K: 君は、腐敗している政治について、何かをできますか。
19:08 学生: できるとは思いません。

K: 君はできない。
19:12 君は、他の人々の腐敗を、止められますか。 君はできないでしょうね。

学生: ええ。

K: では、君は、自分自身が腐敗しないことに、責任を持つのでしょうか。
19:27 学生: それはできます。

K: 君はそれをできます。
19:30 で、君は、腐敗しない責任能力が、あります。
19:38 学生: でも、そのように、あなたはまたもや、利己的になります。
19:50 N: 彼女は、そうして、あなたはまたもや利己的になると、言います。

K: ああ!その女の子は、言います - そうして、あなたは、またもや利己的になる、と。
20:03 すなわち、「私はこの腐敗の一部にならないだろう」と 言うことは、利己性でしょうか。
20:11 学生: 自分自身だけについて、考えはじめます。

K: いいえ。君は、自分自身について考えるかもしれませんが、
20:22 確かに、君は、身の回りに腐敗を見るとき、 その腐敗に加わらないことは、利己性ではありません。
20:32 学生: ですが、それは、腐敗を終わらせないでしょう。
20:37 K: もちろん、そうでしょう。 ですが、少なくとも君は、腐敗していません。 いいですか? それは、なかなかのことでしょう。
20:49 学生: ですが、先生、そういう状況において、自分は、 何が正しいのかと、何が間違っているのかを、知らないでしょう。
20:55 K: 君のいう、何が正しいのかとは、どういう意味ですか。
20:59 学生: 自分の行為が、正しい行為であるのか、ないのかを、知らないだろう、
21:04 という意味です。

K: はい。ただ聞いてください。 君は、腐敗が何であるかを、知っていますか。 君は、その言葉が、何を意味しているかを、知っていますか。
21:14 学生: 僕は今日、それが何を意味しているかを、知っています。
21:20 K: その言葉(コラプション)は、ラテン語から来ています。 それは、壊すことを、意味しています。 「ロムペレ」は、壊すことです。 理解できますか。 何かを壊して、ばらばらにする。 君が断片的に行為するかぎり、 腐敗は存在します。 私が言ってきたことを、理解できますか。 いえ、気をつけて。 君が、自分自身で 矛盾した行為をするかぎり - 一つのことを言い、別のことをする。 それが腐敗です。 約束をして、その約束を守らない - それが腐敗です。 一つのことを考えて、他の何かをする - それが腐敗です。 それは、君が断片化している、壊れてしまっている、 自己矛盾している、という意味です。 いいですか?それが腐敗です。 腐敗はそれです。 また、理解されているような腐敗は、 賄賂、だまし取る、不正直。 それらが腐敗です。 さて、君は、腐敗しているその集団に、加わるのでしょうか。

学生: 僕は、彼らに加わりたくないですが・・・僕には分かりません。
22:56 学生: 先生、すみません。
22:57 この段階で、古いことわざを、思い起こします - 彼らをやっつけられないなら、彼らに加われ、と。
23:09 K: そのとおりです。 私はそれを知っています。 君は彼らをやっつけられないなら、彼らに加われ、と。 それを持ち上げられないなら、塗りつぶしてしまえ、と。 さて君は・・・私は君たちに、とても真剣な質問を、しています。 なぜなら、私たちはみんな、この国で、それに向き合っているからです - ここでは、腐敗は生の道です。 君は、教育を受け、 同情的で、寛大な人物として、 君は、それに加わるのでしょうか。 「いいえ」とか「はい」とか言わないでください。 それについて考え、それを見つめ、 それに入ってください。 なぜなら・・・君は、一人の人物が、 ものすごくたくさんできることを、悟りますか。 君たちは、ヒットラーについて、聞いたことがあるでしょう。 ごらん。一人の人が、彼が何をしたか、です。 彼は、狂った人でしたが、彼がやったことを、見てください。 で、君が絶対的に 腐敗不可能であるなら、 君は、流れ全体に、立ち向かうでしょう。 それはできますか。

学生: 先生・・・ 

K: 他の何かに答えないでください。私は君に、訊ねています。
25:04 学生: その生に、 それに、耐えようとしているなら、 それは、とてもさびしい生になろうとしています。
25:11 K: さびしい生を送りなさい。 君が正しいと考えることに、拘りなさい。 これが正しい - 腐敗した世界に、加わることではない。

学生: その流れは、この国では、とても強いんです。
25:32 ナラヤン: その腐敗の流れは、この国では、とても強いんです。
25:36 K: それは存じていますよ。私たちはみんな、それに同意してきました。
25:39 君はそれについて、何をするのでしょうか。 君は、それに立ち向かうのでしょうか。 見出すことが、君たちの教育の一部ではないですか - 君が、そのすべての醜さに、耐えられるのかどうかを、です。 君たちは、導師たちが腐敗していることを、悟りますか。いいですか。 宗教は、腐敗しています。 政治は、腐敗しています。 私たちの関係は、腐敗しています。 君は、それらに加わるよう、教育されていますか。 どうか、私に答えてください。 君たちはみんな、議論、論争がとても上手です。私に言ってください。
26:38 学生: 僕は、自分が腐敗するだろうか、しないだろうか、 自分が腐敗に抵抗できるか、できないかは、言えません。 でも、僕は、一つのことを言えます - 僕は、腐敗しないだろう、と。 すなわち、僕は、自分を腐敗させる仕事を、しないでしょう。 それにより、僕は、腐敗へ抵抗するでしょう。 僕は、自分が腐敗しない職に、就くでしょう - 農業のように。
27:04 K: 君は、成長するにつれて、それらに、立ち向かうのでしょうか。
27:09 学生: はい、先生。
27:12 K: 聞いてください。 君が、「はい、先生」と言うなら、 本気でそうだし、それに拘ります。

学生: そうします。
27:19 K: 君は、飢えるかもしれません。 職がないかもしれません。
27:23 N: 彼は、自分は、そこに腐敗がない仕事をするだろう、と 言いました - 農業のように、です。 そして、腐敗の連中に、加わらないだろう、と。
27:33 K: で、君は農民になるんでしょうか。
27:37 学生: はい、先生。

K: それは正しいですね。
27:39 学生: 農民の間にも、また腐敗があります。
27:44 K: もちろんです。もちろんです。 そうね、私たちはみんな、流れに逆らうこと、 一人で立つことを、恐れています。 ですね? なぜですか。
28:01 学生: なぜなら、奥深く、あらゆる人間の中に・・・
28:04 K: いえ、いえ、一般化しないでください。君について、です!
28:07 学生: いいですよ。僕について。 僕は、自分自身について、話しています。

K: ええ。

学生: 奥深く自分の中に、僕は、 自分が群衆の一部でありたいとの感情を、持っています。
28:15 K: 連中の一部に、ね。

学生: ええ。
28:17 学生: 大多数は腐敗しています。 あなたは、腐敗していない、ただ一人の個人であるように、思われます。
28:22 学生: あなたは、その地位において、全く安心です。
28:29 学生: 先生、群衆に逆らいたいと思うなら、 たくさんの精神的な強さを、持たなくてはいけないと、感じます。 それが、欠けているものです。
28:38 N: 群衆に逆らうには、たくさんの精神的な強さが、必要です。 それが、欠けているものです。
28:48 K: 君は、これらに立ち向かうには、たくさんの強さが、必要です。 君は、それについて、学ぶでしょうか - これらに立ち向かう強さを、どのように持つか、です。 そうね、君たちは本当に、流れとともに、行きたいのです。 そうですね? で、君たちは、みんな臆病者です。 そうなんです。 さて、君たちは先日、訊ねましたね - 試験、職とそれらに、 代替案が あるのかどうか、です。 君は、代替案がほしいですか。 君たちが、その問いを始めました- 君たちの何人かが、です。 君は、代替案がほしいですか。 君は見出したいですか。
30:12 学生: はい。
30:13 K: はい? 仮に、私たちが100エーカー(の土地)を得る、とします。 君は、どう農業をするかを学び、 その訓練をするのでしょうか。 そして、君たちの二、三人が一緒にまとまり、 自分たちで農業を始めるのでしょうか。 そうするのでしょうか。 質問を理解できますか。 私たちは、どこかに100エーカーを得ることを、考えています。 そこで、連中(ギャング)とか腐敗したビジネスに 加わりたいと思わない君たちは、 そこに行き、農業についてすっかり学べます。 そして、外に出ていき、一切れの土地を買えます - おそらく君たちの二、三人が、一緒に、農業を始めます。 君たちは、それに取りかかるんでしょうか。
31:36 学生: ちょうど今、僕は金銭的に、父親に依存しています。
31:41 K: 君はそうです。 で、君のお父さんに、言いなさい。 勇気や根性を持って、君のお父さんに、言いなさい - 「僕は、この愚かなビジネスへ行って、加わりたくない。 僕は、仲間の二、三人で農業を始めたい」と。 君はそうするのでしょうか。 先日、君たちは、代替案は何なのかと、訊きました。 君は、それにもまた、怯えていますか。
32:16 学生: 農民になる代替案 - それは、あまり望みがありません。
32:27 N: 彼は法律家です。 彼は、農民になる代替案は、 あまり望みがあるように聞こえない、と言います。
32:40 K: 分かります。法律家になることは、大いに望みがありますか。 君は、法律家になりたい人々が、 どれほど多くいるのかを、知っていますか。 君たちは、先日、代替案を求めました。 この代替案が、あります - 普通に試験に通り、就職し、余生の間、填まり込むのより他の、 何か別のことです。
33:13 学生: でも、その職には、安全が見られません。
33:20 N: 彼は、この職には安全がないと、言います。 つまり、農業に安全はない、ということですか。
33:27 学生: はい、先生。他の、給料をもらう職ほどには、ないです。
33:33 N: 君は本当は、そういうつもりではない。 彼は、農業には、給料をもらう職ほどの 十分な安全はないと、言います。
33:42 K: 君は、何について話していますか。
33:47 N: 今日、農民に訊ねなさい。
33:50 K: それはすべて、事に依存します。 もしも、君たちの二、三人が一緒にまとまって、 多くのエーカーか、100エーカーを買ったなら、 そこから、すばらしい生活をできるかもしれません。

学生: すみません。 話を遮って、ごめんなさい。
34:07 でも、僕自身について話すと、 僕は一種、持っています- 自然な・・・
34:15 N: 傾向を。

学生: いえ、そうではない。
34:17 学生: 僕が言っていることは、この生活は、あまりに良すぎて、 本当だと思われない、ということです。 当然、僕は用心しています。
34:24 K: あまりに良すぎて、本当ではないって、どういう意味ですか。
34:26 学生: すなわち、僕は、自分のほしいものすべてを、得ています。
34:29 N: 彼は、ここで、というんです。

K: ああ、ここか。
34:32 学生: いえ、僕は、農業を言っています。 もし僕たちが、農業をしようと しているなら、生活は、あまりに良くて、本当だとは思われません。 で、当然、僕は用心します。
34:44 K: 何ですか。彼は何を・・・
34:46 N: 彼はこの意味合いで、言っているようです - もしも自分が農業を始めたなら、 自分の生活は、あまりに良くて、本当にならないだろう。 自分には何も挑戦がない、と。

K: ああ、挑戦はたくさんありますよ。
34:55 学生: いえ、僕はそう言っていません。

N: どういう意味ですか。
35:00 学生: 出されている代替案ですが、 あなたは、幾らか土地を得て、そこで農業をできるかも、と仰りました。
35:10 K: 君たちのグループが、ね。

学生: 僕らのグループが、です。
35:12 K: 理解できますか。 初めにアイディアを分かってください。 君たちのグループが、親たちの助けでもって、 良い農民になる訓練を受けた後 - そうね、現代の農業者です。 自分たち自身で、一切れの土地を買う - 親たちの助けでもって、です。彼らは君たちへ、それを与えてくれるでしょう。

学生: ええ。

K: そして、それに取り組む。 君たちはそこで、完全に安全です。
35:41 学生: はい、先生。それが、僕が言っていることです。 で、僕は人間です。当然、僕はそれに用心しています。 なぜなら、僕たちは、自分たちに差し出されるすべてのものが、 他の何かを持っている段階、何か紐付きのところへ、来たからです。
35:55 K: ああ、これには、何も紐は付いていません。 

学生: これにはない。
35:58 僕は、これにはないかもしれないと、言っています。
36:00 N: 彼が言っているのは・・・彼は懐疑的です。なぜなら、彼の経験は、 いつも何か紐が付いている、ということであったからです。
36:07 K: 何も紐は、付いていません。 それは、君たちの土地です。 お兄さん、君たちはみんな、怯えています。 それが、そのことなのです。 

学生: ええ。 違ったほうへ動くのを、怯えています。
36:22 学生: ですが、僕は、農業が嫌いです。 代替案はありますか。
36:26 K: 君は、農業が嫌いです。 なぜですか。
36:28 学生: それが好きではない。
36:30 K: 君がいうのは、どういう意味ですか- それが好きではない、とは。
36:35 N: まだ代替案はあります 君は、舞踊家になれます。 君は、音楽家になれます。

K: こんにちは。

N: 君は芸術家になれます。 君のお父さんが法律家であるから、といって、 君は必ずしも、法律家にならなくていい。
36:51 学生: それだけではありません。 法律家になることの何が、いけませんか。
36:55 K: 君は、写真家になれますよ - 君がそうなりたいなら、 トップの写真家に、です。 芸術家、舞踊家 - 君が、自分の人生をそうしたいもの、何にでも、なれます。
37:06 学生: でも、僕は法律家になりたいです。
37:09 K: じゃあ、そうしてください。 腐敗に加わりなさい。
37:19 学生: 政治家や法律家になって、 腐敗しないことは、可能です。

K: ああ。政治家になって、腐敗しないでいられますか。
37:36 N: 彼は、法律家と政治家になって、そうならないのは、可能だと・・・
37:41 K: ああ、はい。何でも可能ですが、君は、そうなるでしょうか。
37:53 進んでください。
37:56 学生: 僕の父がするだろう最初のことは、僕を精神病院へ入れることです!
38:08 N: 彼の父親がするだろう最初のことは、 彼を精神病院へ入れることでしょう!
38:16 K: おそらくね。 精神病院の陰で、君は最も健全な人であるかもしれません。 世の中がどんなに狂っているのか、理解されますか。 戦争の準備をしている- ですね? それは狂気でしょう。 ですね? 他の共同体すべてに抵抗しながら、 小さな共同体に生きることは、狂気です。 部族主義は、間違っているでしょう。 民族主義は、間違っています。 それは腐敗して、破壊的です。 ですね? ちがいますか。 そうね、君たちは、これらのほうに考えません。 君たちは書物漬けです。 法律家の息子は・・・ 君のお父さんは、法律家でした。 君は、法律家になろうとしています。 君のお父さんは、政治家でした。 君は、政治家になりたいと思います。 君は、「違った生き方を見出そう」と、言いません。
39:37 学生: でも、それは、僕にとって、新しい経験です - 僕が法律家になることは、新しい経験です。
39:44 K: それは、新しい経験です。 いいですよ。 殺害は、新しい経験です。
39:51 学生: それは、一つの形です。 それは極端です。
39:54 K: 分かります。で、君はどうやって法律が今のように腐敗していないと、知りますか。 君は、見出すために、それを通って行きたいですか。
40:04 学生: おそらく。

K: おそらく。待ちなさい。
40:07 君は、酔いが何であるかを、見出すために、酔っ払うのでしょうか。 君は、薬物を摂るのでしょうか。
40:14 学生: いいえ。

K: そのとおり。
40:16 で、君は、自分がしたいこと、自分が楽しいことを、取ります。 君のお父さん、君のおじいさん、 君のひいおじいさんが、肉屋、法律家、 何らかの者であったから、君は加わります。
40:38 N: 法律家のモットーについては、とても興味深いジョークが、あります - 進みなさい。信義をもちなさい。 正直でありなさい。
40:47 K: ああ、神様! 進んでください。君たちは、先日別の質問をしていました。 それは何でしたか。
41:13 学生: 代替案です。
41:17 K: 私たちは、そう言いましたよ。 私たちは、君たちに代替案を、差し出しています - 教育を受けた人々のため、 いわゆる教育を受けた人々のための、 普通の伝統的な轍に、ただ従うだけより、むしろ 他の何かすることを、です。
41:42 学生: 僕は、一時に二つのことを、できませんか。 僕は、写真家であり、なおかつ、法律家になれないんでしょうか。 僕は一時に、二つのことを、できませんか。
41:49 N: 彼は、自分は法律家であり、なおかつ写真家になれないんでしょうかと、 言っています。彼は、二つのことをできないんでしょうか、と。
41:56 K: ああ、君は、たくさんのことを、一緒にできますよ。 ですが、それらの中で、君の心は、どこにありますか。 私は、写真家、舞踊家、法律家、政治家でありえます。 君のおもな興味は、何ですか。 なぜ、これらのことのどれかを、しますか。 なぜ法律家でいますか。 正義を求めていますか。 または、お金を儲けていますか。
42:24 学生: どちらも、です。
42:28 K: どちらも、です。 私は、或る人を知っていました。 彼はかつて、私に会いに来ました - 年配の人で、白いあごひげで、 彼は、この国の或る種の裁判官でした。 どうぞ、私が言っていることを、聞いてください。 講話の一つの後、彼は、私に会いに来ました。 彼は、こう言いました - 「私はかつて裁判官をしていて、 何が正しいのかに則って、判決を下していました」と。 で、或る朝、彼は目覚めて、言いました - 「私は本当は、何が正しいのか、正義が何なのかを、知らない。 私はそれに入らなければならない」と。 で、彼は、家族を離れて、森に入ってしまいました - 古き良き伝統です。 彼は、正義とは何か、真理とは何かを見出すために、 十一年間、冥想しました。 君は、そうするのでしょうか。 もちろん、しないでしょう。君たちは、何をするための根性をも、持っていません。

学生: でも・・・ 

K: ちょっと待って。 私の物語を終了させてください。 十一年の後、彼は、講話の一つへ来ました。 彼は後で、私に会いに来ました。 彼は、「私は、十一年間、真理とは何なのかを見出すことができなくて、 自分自身に催眠をかけてきたんですよ」と、言いました。 彼は老人でした。理解できますか。 これらすべての年の後、 「私はそれを見つけていませんでした」と言う勇気を、持つ。 理解できますか。 君たちは、他に何について、質問をしたいんでしょうか。
44:41 学生: どうか、正しい行為とは何なのかを、議論できるでしょうか。
44:54 K: 君のいう「正しい」と「行為」という言葉は、どういう意味ですか。 ただそれを、考えぬいてください。 初めに、考えぬいてください。 頭に思いつく何をも言わずに、 自分のいう「正しい」とは、どういう意味かを、考えぬいてください。
45:21 学生: ちょうど今、僕が「正しい」と考えることは、 僕はそれを、「間違っている」と考えることと、比較します。 そのとき僕は、それは正しいと、言います。 それはいつも、何か正しくないこととの比較です。
45:31 K: 全くです。 で、それは正しいですか。 待って、気をつけて聞いてください。 何か、比較する。 君はこれを、あれと比較します。 君は、あれが正しいと、考えます。 さて、これは間違っているかもしれません。君は、あれと比較します。 君の比較もまた、間違っているかもしれません。 で、あれは、正しくないかもしれません。 で、比較を消去してください。 いいですか? いいですか?
46:09 学生: 世界は、比較から作り上げられています。
46:13 K: いえ、私は、世界は比較から作り上げられているのを、知っています。 私は八十六歳です。 私は世界に生きてきました。 で、私に対して、世界は比較から作り上げられていると、 言わないでください。 私は君に訊ねています。
46:25 学生: 先生。ですが、いつも僕の思考は、比較により、損なわれます。
46:29 K: 比較する - それは、どういう意味ですか。 ごらん、君は、論点を逃しています。 私は、ここから動かないでしょう。 私は君に訊ねています - 何が正しいですか。 それは、すべての境遇のもとで、正しくなければなりません。ですね? それは、境遇に応じて変われません。 正確ですか? それは、すべての圧迫のもとで、正しくなければなりません。 それは、この気候にあっても、別の気候にあっても、 そうであり、的確でなければなりません。 それは、すべての境遇のもとで、正しいのです。 ですね?で、それは何ですか。 君が「正しい」と使うとき、それは、精確である、という意味ではないですか。 的確であり、 真実である。 何かの理想、何かの人々に応じて真実なのではなく、 君自身の知覚に応じて、真実です。 その知覚は、的確で、 論理的で、健全で、理性的なので、 君はそれを、そしてもっと多くを、正しいと呼ぶのでしょう。 さて、君がいう「行為」とは、どういう意味ですか。 進んでください。君がいう行為とは、どういう意味ですか。
48:26 学生: 僕がすること、何でも、です。
48:29 K: 君がすることすべてが、行為です。ですね?
48:32 学生: 先生、行いです。

K: で、君がすること - それは、何か未来の観念に、依存しますか。
48:51 進んでください。答えてください。

学生: それは、自分の未来の観念と過去の観念に、依存します。
49:00 K: ええ。それで、君の行為が、過去や未来の観念に、基づいているなら、
49:08 それは行為ですか。 君は、行為が何を意味するかを、知っていますか。 することです。 過去に沿ったり、未来に沿ってするのではなく、することです。 いいですか?それは、今起きつつあることです。 で、君の行為は、信念に基づいていますか。 君の行為は、何か伝統の結果ですか。 君の行為は、君のお父さん、お母さんに、依存していますか。 君の行為は、他の人々が言うことに、基づいていますか。
49:58 学生: そのとき、それは正しい行為ではないと、言えます。
50:01 K: もちろん、そうです。 で、正しい行為は、的確で、客観的で、 非個人的な行為です。 いいですか。それは、境遇に応じて、変わっていません。 行為は、過去や未来の圧迫なしに、 することです。 それが何を意味するかを、見出してください- そのように生きることが、です。
50:43 学生: 先生。でも、精神は、記憶を持っています。 過去はいつも、記憶に蓄えられています。
50:50 K: 君はここに来なさい。 君は、何を言っていましたか。
51:00 学生: 僕たちは、記憶を持っています。 僕たちは、物事を憶えられます。
51:05 K: ええ。それで、君は記憶です。 気をつけて。君が言ってきたこと、それに拘ってください。 君は、何か的確なことを、言ってきました。それに拘ってください。 すなわち、君のすべて、 君が考えること、君の行為、君のふるまい、 君の関係は、記憶に基づいています。 君は記憶です。 君は、霊的ではありません。 君は、神聖ではありません。 君は、何者か、何か優れたものではありません。 君は、全面的に記憶です。 それを理解できますか。 それを理解しましたか。 保ってください。保ってください。 記憶は、過去を意味しています。 ですね? 過去に基づいていない行為は、ありますか - すなわち、記憶に、です。 考えぬいてください。 法律家くん、 よく気をつけて考えぬいてください。 私たちの行為は、記憶に基づいています - 過去の記憶が 現在と未来を 曇らせています。 その記憶は、本質的に、過去の思考の結果です - 過去の、です。 さて、過去から出てきたものでない 行為が、ありますか。

学生: それは、記憶が間に入って来るべきではない、という意味です。
52:49 K: 「べきである」、「べきでない」と言わずに、
52:51 見出してください。 それに入り、究明して、 記憶に基づいていない行為があるのかどうかを、 自分自身で発見してください。 見出してください。 それが何なのかを言ってくれるよう、誰かに訊かないで、 そういう行為があるのかどうかを、君自身で見出してください。 または、そういう行為は、ないかもしれません。いいですか? で、見出してください。時間を掛け、それについて考え、それについて悩み、 君の教師に訊ねなさい。 たぶん彼も、知らないでしょう。 で、それに入ってください。

学生: 先生、思考は、行為でありえますか。
53:41 K: 思考は記憶です。
53:43 思考は、記憶の応答です。ですね?

学生: でも、先生、・・・

K: 聞いてください。初めに聞いて、見出してください。

学生: ええ、理解できます。

K: 君はそれを捉えましたか。 思考は、経験、 知識、記憶です。 記憶の応答が、思考と行為です。 さて、私は訊ねています - これに基づいていない行為が、ありますか。
54:16 学生: 考えることについては、どうですか。
54:18 K: 考えること自体が、過去です。
54:22 学生: 学ぶことについては、どうですか。
54:25 K: 私は、君がそれについて学ぶよう、助けています。 見出しなさい。 時間を掛け、労を厭わず、 考え、それに入り、見てください - 過去の重荷すべてなしの行為といったものが、あるのかどうか、です。 理解できますか。これが教育です。 なぜなら、それは君を、はるかに微妙にするだろうからです。 理解できますか。 君たちみんなは、眠っていますか。
55:07 学生: いいえ。

学生: 先生、あなたが仰った、もう一つのことは、比較を消去しなさい、でした。
55:15 K: ええ。

学生: それは、どういう意味ですか。
55:20 K: 君は美術館へ、行ったことがありますか。 

学生: はい。
55:24 K: 絵画を見たことが、ありますか。

学生: はい。

K: 君は、一つの絵画を、 別の絵画と比較せずに、見つめられますか。
55:37 学生: それは、僕は、初めのものの記憶を持たない、という意味です。
55:40 K: いいえ。私は、質問をしています。 ただ聞いてください。
55:42 学生: 僕は、一度もそうしたことが、ありません。 

K: してください!
55:46 学生: それはできません。

K: どうして分かりますか。
55:50 君はそれを試したことが、ありますか。

学生: 僕は知っています。

K: それを試したことが、ありますか。 君は法律家です。 君は、自分が試したことがない発言を、してきました。 腐敗があるよ! それが腐敗です。 検討せず、理解せず、 それに入らずに、何かを言う。 で、君は、自分自身を、自分の兄弟と比較します - 彼のほうが、背が低いのか、高いのか、 利発なのか、智恵があるのか。 なぜ君は、そうしますか。 なぜ君は、自分自身を、より利巧かもしれない他の一人と、 比較しますか。なぜですか。
56:47 学生: 自分がどこにいるかを、知りたいんです。
56:51 K: なぜですか。いいえ。 もう少し、それに入ってください。

学生: それにより、僕はもっと一生懸命、勉強するでしょう。
57:02 K: ああ、君は、それにより、自分はもっと一生懸命、勉強するだろう。
57:05 なぜなら、自分は、あのようになりたいから、と考えますか。 彼は白痴なのかもしれません。 それで、君は勉強します・・・

学生: 僕が考えられる・・・

K: 待ってください。 君たちはみんな、速すぎます。 君たちは、これらの意味を、捉えません。 君が、自分自身を、もっと利発な兄弟と比較するとき、 比較の中で君は、自分は彼ほど利巧でないと、考えますね。 ですが、もしも君が、比較しなかったなら、何が起きるでしょうか。 君は、利巧になるのでしょうか。 君は、鈍くなるのでしょうか。
57:41 学生: 自分なるものになるでしょう。
57:44 K: まさにそうです。 君は、君なるものです。ですね? 君は、それを言いました。 それに拘ってください。 君は、君なるものです。 そこから動いてください - 君の兄弟のほうが、賢いからではなくて、です。
57:59 学生: ですが、先生、僕は比較をするんです。僕は訊ねています -
58:02 なぜ僕らは、比較をしますか。

K: 私は君に訊ねています。 それが、私たちの伝統の一部であるからですか - 君たちの学校は・・・ で、専門校、大学、ビジネスへ入ること、 上へ上がる、上へ上がる。 で、それらは、君が君なるものではないことを、指示しています。 君は、自分が何であるかを、自分自身でけっして、見出したことがありません。 君はいつも、他の誰かを模倣しています。 ですね?よろしいですね? で、君は、受け売りの人間になりますね。
58:45 学生: どうすれば僕は、自分が何であるかを、見出しますか。
58:50 K: それは、違った問いです。 私は君に言うでしょう。 ですが、初めに悟ってください - 君自身を誰かと、比較することにより、 君はけっして、自分が何であるかを、見出さないのです。 いいですか? そのとき、その質問をしてください。 君は何ですか。 進んでください。私に言ってください。 君は何ですか。 (大学卒の)文学学士ですか。
59:21 学生: 僕はそう思いません。 それに答えられるかって、ことですが、 あなたが仰る、君は何であるかとは、どういう意味ですか。 またもや、他の何かと比較しなくてはいけないでしょう。
59:29 K: いいえ。君が、それを言いました - 君なるものです。君は、君なるものです。
59:33 学生: ええ。自分が何であるかは、言えないって、いうことです。
59:35 K: 待って、待って。君は言いました - 君は、君なるものです。 さて、君は何ですか。 君だけではなく、あらゆる人は、です - 君は何ですか。 君の名前、 君の形態、君の見かけ。 進んでください。私が君に言っています。 私に言ってください!
1:00:03 学生: 自分の思考です。

K: 自分の思考。
1:00:07 学生: 自分のイメージ。
1:00:09 K: 自分自身についてのイメージ。
1:00:12 学生: 自分の信念 - 神とかについて・・・

K: そのとおり。ええ、君の信念。
1:00:19 進んで!
1:00:23 学生: 先生、それは、僕がまったく自分自身ではない、という意味です。
1:00:28 K: それに拘ってください。君は、何か良いことを、言ってきました。 お願いですから、見出してください。 ただ何かを言って、それから、去ってしまわないでください。 君は、これらすべての物事でしょう。 で、君は、これらすべての物事でしょう。 で、君は、これらすべての物事ですか。 明白にそうです。 いいですか? 君の名前、君の形態、 君の身体的なあり方、 君が学んできたこと、 君のFA、BA(文学学士)、MA(文学修士)、それが何であれ、 MAD(狂気)でも、です!いいですか? 君はそれらでしょう。 それが、君なるものです。 君はそれらです。

学生: すると、僕は、僕なるものではない。
1:01:30 または、僕は、僕なるものと思われているものではない、 ということですか。
1:01:37 K: 君なるものであると思われているものもまた、それの一部です。 そうね、君は、すべて君の名前、君の形態、 君が試験に通ること、(大学卒の)文学学士とか、それが何であっても、です。 君は、伝統です。君は、信念です。 君は、それらです。
1:02:08 学生: で、なぜ僕は、それらですか。
1:02:11 K: 君はそれです。 「すると、私は何なのか」ではない。 君は、それです。
1:02:17 学生: 僕がそれであるなら、何ですか。
1:02:22 K: 私は、「なら、何ですか」とは言っていません。
1:02:24 学生: 僕は知りたいです。

K: 君はそれです。
1:02:27 学生: そうです。僕はそれです。

K: さて、ちょっと待って! 君が、それらを越えることは、可能ですか。
1:02:35 学生: とても困難です。
1:02:41 K: なぜ君は、「とても困難です」と言いますか。
1:02:44 学生: 先生、それは、あまりに深く埋め込まれています。 

K: 何が埋め込まれている?

学生: 僕は、比較なしに生きられないんです。僕は、そうせざるをえない。 さもないと、自分がどこに立っているか、どこを漂っているか、知らないからです。
1:02:59 K: 比較することにより、安全に感じる、ということですね。 ですね?そうなのですか。 一人の法律家を、別の法律家と比較することによって - それが安全ですか。
1:03:16 学生: 先生、自分にとって、そうではありません。 時々、さらに不安全に感じるかもしれません。それは、事に依存します。 時々、比較をするとき、不安全なのかもしれません。
1:03:25 K: もちろん、そうです。 君は不安全であるところ、比較をします。 君は安全であるなら、比較をしません。 ですね? 君が、最も偉大な写真家であるなら - このお方が、インドでそうであるように、です。 彼は安全です。 彼は、自分がその職業のトップであると、知っています。

学生: でも、彼は生きなくてはいけません。 同時に彼は、とても不安全です。
1:04:09 なぜなら、彼はそれに沿って生きなくてはいけないからです。
1:04:11 K: いいえ。彼は、自分の職業が上手です。 君が大工の名匠であり、君がそのトップであるなら、 君は安全です。
1:04:23 学生: でも、あらゆる人が、自分の職業のトップには、なれません。
1:04:33 K: で、すると、君は何が上手ですか。 すると君は、何をしたいですか。
1:04:40 学生: トップになろうとします。
1:04:45 K: お兄さん、君はけっしてトップになれないよ。 

学生: なぜですか。
1:04:49 K: 君は、トップになろうとしつづけるなら、けっして、そうならないでしょう。 ですが、君は何かが上手であるなら- 理解できますか。比較するのではない。 ちょっと待って。 もし君が、 僕は大工になるのが大好きだ、と言うなら - 君が、ではない。君たちはみんな、トップの誰かになりたいんです。 私は、良い一流の大工、 大工の名匠になりたいと思います。 なぜなら、私はそれを愛しているからです。 私は、自分自身を比較しないでしょう。 なぜなら、私は、自分がしていることを 愛しているからです。

学生: 僕が法律家になりたいなら、
1:05:26 そして、僕が敵対者の論議を比較しないなら、僕はどこにいません。
1:05:30 K: ああ、神様!法律家にならないでください。
1:05:36 学生: 何かを抜群にするためには、それに興味を持たなくてはいけません。

K: そのとおりです。 

学生: では、自分の興味が何であるかを、どうやって 見出すのでしょうか。この世界には、とても多くの物事があります。
1:05:44 K: この世界には、とても多くの物事があるのを、私は知っていますが、 自分が何に興味を持っているかを、見出してください。 君の思考を、注いでください。 「僕は、庭園作りに興味がある。 農民になることに興味がある。 お金持ちになることに興味がある」と言わないでください - 何であれ、君が望むものになることに、興味があっても、です。 自分が深く望むのは何であるかを、見出してください。
1:06:11 学生: 僕は深くは、自分は全体的に安全でありたいんだと、思います。
1:06:19 K: 何ですか。物理的に安全ですか。

学生: 物理的に、です。

K: 考えぬいてください。 考えぬいてください。 初めに、物理的に、ですか。
1:06:28 学生: はい、先生。衣服、住居です。
1:06:30 K: それは、持たなければなりません。 君は、衣食住を持たなければなりません。 それは、絶対的に必要です。 それから、それを終了させてください。 君の興味は、何ですか。 君は、何に興味がありますか。 これは、君たちのみんなに、適合します。 後生ですから、聞いてください。 君は、何に興味がありますか。 興味を持つのではなく、君は、余生の間、 何を愛して、したいのでしょうか。 あらゆることが、君に開いています - 法律家、政治家になる。 宗教にのぼせる人になる。 すばらしい画家、詩人、何にでもなる。 君がしたいと思うことは、何ですか。 そうね、君たちの教師は、 ここで君を助けてくれません。 ですね? 頼みなさい。要求しなさい。ともに見出しなさい。それについて議論しなさい。
1:07:32 学生: 先生、ごくわずかの人しか、進んでそうしようとしません。
1:07:36 K: お兄さん、私は今、君に頼んでいます。
1:07:42 学生: 僕は、自分が何に興味があるかを、知りませんが、 僕は、自分が変化しつづけることは、知っています。
1:07:50 K: ああ、いいえ。私は少年のとき、パイロットになりたいと 思っているかもしれません。ですね?私は、少し年を取るにつれて、 「ああ、それはバカらしい」と言って、それを放り出します。 後で私は、「私はビジネスマンになりたい」と言います。 で、私は、死んで行くときまで、つづけるし、私はけっして、見出さないでしょう。 なぜなら、君は、自分が何を愛して、するかを、訊ねたことがないからです。 比較しない - そちらのほうが、もっとお金が儲かるからとか、 お父さんがそれやあれを望むからとか、いって、です。 君が本当に、心から愛して、したいと思うことは、何ですか。
1:08:27 学生: 先生。私が絵を描きたいと思うなら、人々は、私をバカと呼ぶでしょう。
1:08:31 K: 彼らには、自分をバカと呼ばせなさい。 誰が気にしますか! 君が、何かを愛して、するなら、人々が何と言うかは、大事なことではない。 見てください。私は、自分が愛して、したいと思うことを、しています。 ですね? 私は、人々が何と言うかを、気にしません。 それは、大事なことではない。 なぜなら、私はこれを愛しているからです。 見出しなさい。君たちは若い。 見出しなさい。君の注意を、それに注ぎ、訊ねなさい。

学生: 先生。僕は、何かをすることに、興味があります。
1:09:23 大きな興味を持っていますが、 同時に僕は、責任のために、それをできません。
1:09:29 K: 君は、その年齢で、責任を持っていますか。

学生: いえ、僕が言っている・・・

K: 君は、責任を持っていますか。
1:09:39 学生: はい、先生。
1:09:43 K: 何ですか。 君のお母さんを養う、お父さんを養う、 弟を養う、叔父さんを養うのですか。 君は、その「責任」という言葉が、どういう意味かを、理解できますか。 君は、樹を植えます。 君は、その樹が保護されるよう、責任があります - 水をやられ、見守られ、気づかわれるように、です。いいですね? 君は、そういう責任を持っていますか。 または、それは、自分は責任があるという観念だけですか。
1:10:36 学生: 親たちはここに、たくさんのお金を、使ってきたし、 彼らは、何かを期待します。 仮に、僕が、何か違ったこと、彼らが傷つくだろうことを、する、とします。
1:10:44 K: ええ。 君のお母さんとお父さんは、君を誕生させました。 で、彼らは、君に責任がある。 だが、それは、 両親が君にしてほしいことを、そのとおりに君がすべきだ、という意味ではありません。 君は、自分自身へ、自分の生き方へ責任を、持っています。

学生: 彼らが僕のために、こんなに多くをしてくれてきたとき、
1:11:13 どうして僕は、とうてい彼らに逆らえますか。 

K: ああ、本当ですか。
1:11:17 君は、これを言う中で、真剣ですか。

学生: 僕は真剣です。
1:11:19 K: 彼らが君のために、こんなに多くをしてくれてきたとき、
1:11:22 君はどうして、彼らに逆らえますか。 いいですね? 君は今、彼らに逆らっていませんか。
1:11:29 学生: いいえ。

K: ああ、気をつけて、気をつけて!
1:11:35 君は、語り手が言っていることを、聞いているとき、 彼らに逆らっていませんか。 それは、言葉のごまかしだけです-僕は責任がある。なぜなら、 彼らは僕のために、そんなに多くを使ってきたから、と言うことは、です。 君はまさしく、何か、彼らが君にしてほしくないことを、しています。 それらの種類のごまかしを、やらないでください。 いいですよ。それで十分でしょう。 いいですか? よろしいですか。 君たちは今、二、三分間、静かに座るでしょうか。 本当に静かに、です。 眼を閉じて、 絶対に静かに座ってください。 みなさん、よろしいです。