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RV85DS1 - 恐れの味とは何か
第1回、学生たちとの討論会
インド、リシ・ヴァレー
1985年12月5日



1:04 K: 君たちは私に、何について話をしてほしいのでしょうか。 手を上げなくてもいいよ- ただ私に言ってください。
1:22 学生: なぜあなたは、優っていて、私たちは、あなたより劣っているのでしょうか。

学生: なぜ私たちは、そのように感じるのでしょうか - 私たちの多くが、です。
1:33 K: 優っている、劣っていると感じる?

学生: はい、先生。
1:37 K: やれまあ!私はけっして、それについて考えたことがありません。 なぜ私たちは、ここに座って -そこには、反響があるね。(笑) 私たちはなぜ - それであれは止まりました- 私たちはなぜ、 君たちはなぜ、あなたは残りの私たちより、優っていると感じるのでしょうか。 そういうことですか。
2:12 学生: 私たちの多くは、それを感じます。

K: 私たちの多くは、そのように感じます。 なぜでしょう。 なぜ君は、考えるのですか。
2:24 学生: たぶん、誰もがみな、あなたについて、話しているからです。
2:28 K: ああ、誰もがみな、私について話している。困ったものだ。 そのとき、それを別として、なぜ君は、そもそもそのように考えますか。
2:40 学生: 僕は知りません。

K: 君は知らない。
2:42 学生: それは僕らの精神に入ってくるだけです。

学生: それは僕らの精神に入ってくるだけです。
2:46 K: 同時に二人でなくて。 君は何と言いましたか。 言ってください。恐れないで。
2:59 学生: それは、僕たちの精神に入ってくるだけです。
3:03 K: 僕たちの頭脳に入ってくるだけ。 なぜでしょう。 私は世界中に行ってきました。 そこらへ君は行ったことがありません。 私はあります - 戦前、第二次世界大戦の前、ヨーロッパ中へ、 オーストラリア、ニュージーランド、フィジー、南アメリカへ、です。ですね? アメリカ中、ヨーロッパなどへ、です。 それで、何か違いが出ますか。
3:36 学生: いいえ。

K: いいえ。 では、何により、君は他の誰かより、違ってくるのでしょうか。
3:44 学生: 先生、たぶん私たちは、他の人物について、意見を形成します。 私たちは、或る種の意見を築き上げます。
3:53 K: なぜ君は、他の人々について、意見を持っていますか。 君は私に言ってください - なぜ君は他の人たちと違う意見を持つのかを、です。 意見とは何でしょうか。 君たちは利巧な少年です。さあ! お歴々の中で、きちんと座っている人たちも、です! 意見とは何でしょうか。 なぜ私たちは、意見を持つのでしょうか - 私について、お互いについて、年上の人々について、です。 君は、なぜ意見を持つのでしょうか。 君のいう意見とは、どういう意味でしょうか。
4:41 学生: イメージ、観念・・・
4:45 K: 他の人々についての、イメージ、観念。 なぜ君は、それらを持っていますか。 君は、私を知りません。 ですね? ですね?

学生: (聞き取れない)

K: いいえ、ダーリン、一分間、待ってください。 君は私を知らないでしょう。 ええ。 私は時たま、ここへ来ます。 それについては、たくさんの騒ぎがあります。 ですね?でも、君は本当に私を知りません。 なぜ君は、私について意見を持っていますか。 私は、ひどいいかさま師かもしれません。 ですね?私は、ペテン師かもしれません。 そうですね、 ほら吹き、何でもお好きなもの、です。 でも、君は私を知りません。 ですね?ですね? で、なぜ君は、私について意見を持っていますか。 意見は、初めに、示唆を意味しています。 またそれは、君が彼について、予め構想された観念を、持っていることを、意味しています。 また君は、彼についてイメージを、持っています。ですね? そのイメージに沿って、君は、彼が言うことを、翻訳します - 彼がどう見えるのか、その他すべてを、です。ですね? で、なぜ君は、これらを持っているのでしょうか。 私は、君たちみんなに、訊ねています -なぜ君は、意見を持っているのでしょうか。
6:21 学生: 好奇心です。それは好奇心です。
6:25 K: 好奇心です。なぜ君は、私について好奇心を、持つのでしょうか。 私は君たちへ、君たちが私について知りたいことすべてを、語りましょう - 君たちが、私について知りたい、あらゆることを、です。 ですね? で、なぜ君は、私について好奇心を持つのでしょうか。 私はどう、櫛で髪をとかすのか、 私はどう、歯磨きをするのか、私はどれほど、眠るのか、ですか? ですね?君たちは、それらについて知りたいのでしょうか。 いいえ、そうではない。 正直でありなさい。 君は知りたくない。ですね? で、君たちは、私について何を知りたいのでしょうか。 君は知らない。 で、なぜ君は、私について意見を持つのでしょうか。 なぜ君たちは、互いについて意見を持つのでしょうか。 それは、私が、君について意見を持っている、という意味です。 その意見は、私が君を見つめるのを、阻止します。 意見は、私と君の間に、介入します。 ですね?で、なぜ君は、それを持っているのでしょうか。
7:45 学生: では、あなたはどのように、他の人物を、見つめるのですか。
7:47 K: 君はどのように、他の人物を見つめるのですか。私を見つめてください。 私は君を見つめます。なぜ君は意見が、要るのでしょうか。 私は君を見つめます。 君は、ここまで髪を刈り上げています。 私は自分の髪に櫛を入れました。(笑) 君はたぶん、私の写真を見たことがあるでしょう。でも、何ですか。 なぜ君は、意見を持っていますか。 進んでください。 それを考えぬいてください。 君は本当に考えていますか。 または、沈黙しているだけですか。 君は、唯一つの意見をももたずに、誰かを見つめられますか。 誰かに聞けますか - それで、彼が言うことが、聞こえるように、です。ですね? 君は、彼が言うことを、理解します。 君は、他の一人が言っていることの 意義、意味を掴みはじめます。 ですね? しかし、意見を持っているなら、聞こえません。 ですね?で、私が話をするとき、君は私に聞くでしょうか。 耳でもって実際に聞く。 そして、彼が言うべきことを、聞く。 彼が君に言おうとしていることを、解釈せずに、です。 それは、実際に他の誰かに聞く、という意味です。 ですね? 実際に聞く。 君は、自分の先生に聞きますか。
9:40 学生: はい。

K: 嘘をついてはいけません。 ふりをしないでください。 君は、自分の教師に聞きますか。

学生: いつの時もは聞きません。
9:52 K: いつの時もは、聞かない。よし! 君はいつ、彼らに聞きますか。 彼らを見ないでください。 君はいつ、彼らに聞きますか。

学生: (聞き取れない)

K: 君たち四人が、話しているね。 他の人たちにも、話をさせなさい。 君はいつ、自分の教師や自分の教育者に、聞きますか。
10:19 学生: それが自分に合うとき、です。
10:21 K: それが自分に合うとき。 完璧に正しい! それが自分にとって快適なとき、 それが自分にとって、すてきなとき、それが自分に合うとき、 君は彼に聞きます。ですね? それは聞くことではないでしょう。 君は、聞くとは何を意味するかを、知っているでしょう。 すなわち、君は音が聞こえます。ですね? それは、君の頭脳へ伝えられます。 そのとき頭脳は、 君の慣習になっている言語へ、翻訳して、 「これが、彼が私に言っていることだ」と言います。 ですね?ですね? で、君は誰かに聞くのでしょうか。 気をつけて。 ただ普通にだけではなくて、 そうですね、 君は実際に誰かに、聞くのでしょうか - 君のお父さんに、 君のおじさんに、おばさんに、君のお母さん、先生、 友だちに。君は実際に、誰かに聞くでしょうか。
11:31 学生: 私たちは、あなたに聞きます。

K: 君は私に聞いています。なぜでしょう。
11:38 君は本当に、私に聞いていますか。 または、ふりをして、「はい、それをつづけましょう」と言っていますか。 君は実際に聞いていますか。 君は、鳥たちを聞きますか。
11:59 学生: 私たちは、散漫がないとき、聞きます。
12:04 K: いつ、そうしますか。 散漫として。

学生: いいえ。
12:08 散漫がないのなら、自分の聞くのが好きなことを、聞きます。
12:12 K: で、なぜ君は、散漫という言葉を、使うのですか。 私に言ってください - あそこに静かに座っているあなたたち、大人。 なぜあなたは、「散漫」という言葉を、使うのでしょうか。 君は、その言葉が何を意味しているかを、知っていますか。
12:30 学生: 他の何かの妨げになる何か、です。
12:34 K: 君、私は訊ねていますよ - 君のいう散漫とは、どういう意味ですか。 惹きつけられる - ですね?そして、散漫になる。 君は、何により惹きつけられますか。 君は、私に聞いていますか。 それはおもしろいですか。 君は強いられて、私に聞いていますか。 誰も君に、来て私に聞くよう、頼まなかったでしょう。 それはすっかり確かですか。 彼らを見ないでください。 君たちは、年上の子たちがまったく話をしないのが、見えます。 彼らは、お高くとまっているからです。 君たちもまた、成長して、少しお高くとまるとき、 話をするのを止めるでしょう。 しかし、君たちは、自分たちの中で話をするのを、止めません。 でも、君たちは、私へ話をするのを、止めるでしょう。ですね? ですね?なぜでしょう。 君たちは、私が言いたいことへ、好奇心がありますか。 君たちは、私がどこに行ってきたのかを、私に語ってほしいですか。 君たちは、私が誰に会ったのかを、私に語ってほしいですか。
14:11 学生: いいえ、先生。

K: いいえ。君は興味がないでしょう。 これらの三羽の鳥はいつの時も、話しています。 私は、君たちが話しているのが、うれしいです。 でも、他の人たちは、静かにしています。なぜでしょう。 私は、(インドの)君たちの首相に会いました。 私は、副大統領に会いました。 彼らは、昼食と晩餐を行いました。私たちは、 ぺちゃくちゃ喋りました。ぺちゃくちゃ喋るという言葉は何か、知っていますか。 話をする。 私たちは、他の人々に何人か、会いました。 政治家とは何でしょうか。
15:00 学生: 選挙に勝つためと、高い役職で 国や国家の世話をするために運動をする人です。
15:19 学生: 国を導く人です、先生。
15:22 K: 国を導く。 彼らは国を導いていますか。
15:32 学生: いいえ、先生。
15:35 K: では、なぜ君は、「国を導く」という言葉を、使うのですか。
15:41 学生: 国を助ける人です。
15:45 K: 君のいう「国」は、どういう意味ですか。

学生: 私たちが生きる場所です。
15:51 K: 君がいう「国」は、どういう意味ですか。どの国ですか。
15:57 学生: どの国でも、です。

K: どの国でも。
16:00 で、政治家たちは、国を導いていますか。
16:05 学生: 彼らは助けようとしています。

K: 何を助けようとしていますか。貧困を?
16:11 学生: 問題を解決するのを、助けようとしています。
16:14 K: 何の問題を?

学生: 様々な問題を、です。
16:18 K: 問題が何なのかを、私に言ってください。
16:21 学生: 先生、人々の不平不満を解決するため、です。
16:26 K: 他の人々の不平不満を、ね。ですね? 君は不平不満を持っていますか。 誰に対してですか。 私は、彼らの何人かが、話をしてくれたらと、願っています。 君たちは何に興味がありますか。 君たちは、私に話をしたいですか。または、私は私自身に、話をしつづけましょうか。
17:07 学生: すみません。私はあなたへ、恐れについて、訊ねたいです。
17:13 K: 恐れ。 それはものすごい主題でしょう。 君は、何かを恐れていますか。 正直でありなさい。

学生: 時々、私はそうです。
17:31 K: 時々、君はそうです。 君のいう恐れとは、どういう意味ですか。 気をつけて、考えぬいてください。 気をつけて、恐れというその言葉の意味を、聞いてください。 君は、自分のお母さんとお父さんを、恐れていますか。 時々です。
17:54 学生: 時々、彼らが怒るとき、です。

K: ええ、時々ね。 さて、君が怯えるとき、恐れを持つとき、 君が持つ感情は、何ですか。 その感情は何ですか。 進んでください。 気をつけて、考えぬいてください。 何も言わないでください。 君が恐れを持つとき、それの感じは、何でしょうか。 それの味は、どうでしょうか。 君たちは、バナナを味わったことがあります。 君たちは、様々な種類の食べ物を、味わったことがあります。恐れの味は、何ですか。 特に、年上の人々、年上の学生たちにとって、です。 彼らは、きわめて怯えています。 なぜなら、彼らは試験に通らなくてはならないし、 彼らのお父さんは、彼らに何かすべきかを、語るだろうからです。 ですね?ですね? 君もまた、何をすべきかを、語ってもらおうとしています - 試験に通る、職を得る。 そうね、それらですよ。 で、恐れの感情は、何でしょうか。
19:08 学生: 自分を怯えさせているものから離れて、 何かへ引っこみたいように、感じます。
19:20 K: ええ。君はコブラを見ます。 ここには、それらが幾匹もいる、と私は思います。私は彼らを見ていません - 長いもので、かなり有毒です。 君は怯えています - ですね?そして君は、引っこみます。 それの感じは、何なのでしょうか。
19:41 学生: 受けようとしている痛みです。
19:51 K: 痛み。ええ、その言葉で通してください。 もしコブラが咬むなら、君が受けるかもしれない痛みです。 さて、その感じは、どのようなのでしょうか。 君は、咬まれたことはない。 でも、何が起きるかもしれないと、想像します。ですね? または、何が起きるかもしれないと考えます。そして君は、恐れを持ちます。 私は君に訊ねています -大変丁寧にお聞きしてもいいなら - それの感じは、何でしょうか。 おそらく年上の世代が、私たちに加わってくれるでしょう。 恐れの感じは、何でしょうか。 考えぬいてください。 朝早くに眠らないで、 進んでください。
20:53 学生: 先生、たぶん精神が、悩まされています。
20:57 K: 頭脳が悩まされている。君がいうそれは、どういう意味ですか。
21:03 学生: 先生、何をすべきかを、理解しないんです。
21:06 K: 君は、自分が何をしているかを、理解しない。 ですね? 君は道路に、コブラを見ます。 または、小道に、です。 君は、それが毒蛇であることを、知っています。ですね? 君はそれから、逃げ去ります。 または、叫ぶ、喚きます。 私は君に訊ねています -その裏の感じは、何でしょうか。
21:33 学生: 先生、わずかに落ち着かなく感じます。
21:42 K: 君は、落ち着かなく感じます。 君は、心配を感じます。 ですね?君は怯えます。 その怯える感じは、何でしょうか。
21:54 学生: 不安全に感じます。

K: 不安全。
21:59 君のその「不安全」という言葉は、どういう意味ですか。 進んでください。 一歩一歩、それを検討してください。
22:07 学生: 保護なし、です。

K: 保護なし。
22:13 君は、コブラに咬まれたことはない。 ですね? 君たちはすでに、これらを予め構想したのです。 ですね? 私が言っていることを、理解できますか。 君たちは、自分が傷つくかもしれないことを、想像しました - 君は、寝込むかもしれない。 君は、死ぬかもしれない。 君は怯えます。 私は君に訊ねています。 君たちは、私の問いに答えていません - 私がそう言うのを、気にされないなら、です。 それの感じは、何ですか。 これらの言葉の裏には、何がありますか。
22:56 学生: まるで、自分の筋肉が 固まってしまうかのように、感じます。そこには・・・ 私は、それをどう叙述すべきかを、知りません。

K: 私に語ってください。
23:10 学生: ちょうど、心臓が打つのを止めたかのように、感じます。 時々、僕のような人々にとって、それは、さらに速く打ちはじめるんです。
23:19 K: 話が理解できません。
23:21 学生: 彼は、心臓がより速く打つことを、言います。
23:24 K: それが、私が君に言ってほしいことです。心臓は、より速く打つ。
23:29 学生: 彼は、筋肉が引き締まる、と言います。

K: 筋肉が固まります。 神様!君は、ここに上がってきなさい。 私の隣に座ることは、気になりませんか。

学生: いいえ、先生。
23:40 K: 君は気になりますか。

学生: いいえ、先生。
23:42 K: それなら、私の隣に座ってください。 二匹の猿だ! 心臓はより速く打つ。 君の筋肉は、収縮します。ですね? 他に何が起きますか。 進んでください。私に言ってください。 君は、恐れについて議論したいと思いました。 それが、私がしていることです。 ですね?
24:17 学生: 石や何かでもって、それを叩きたいように、感じます。
24:22 学生: それを処置してほしいように、感じます。
24:29 K: 聞こえませんが・・・

学生: それを取り除きたいように感じます。

K: 君はそれを、殺してしまいたい。
24:40 よろしい。君の筋肉は、収縮します。
24:54 学生: まるで自分の内側でベルが鳴っているように、感じます。
25:09 K: 君の内側でベルが鳴っている。 君のいうそれは、どういう意味ですか。
25:19 学生: その種の気持ちがします。
25:22 K: 君は本当に、怯えたことがありますか。
25:26 学生: はい、先生。
25:29 K: それは疑わしい。
25:33 学生: その瞬間に、何かをしたい、逃げたいと思います。 でも、それをできません。

K: はい、娘さん。 しかし、私は君に、何か他のことを訊ねています。君は私に語っていません。
25:43 学生: 汗をかきはじめますね。
25:45 K: 彼は私に、筋肉が収縮する、と言いました。そうね、縮みます。 君の頭脳は一秒間、痺れます。 それは考えません。 それは怯えています。 ですね?
26:09 学生: それは、過去のイメージについて、考えます。
26:18 K: それは、過去のイメージについて、考えます。 君が怯えている瞬間に、そのコブラが見えるとき、そうなりますか。 または、一秒後に、「やれまあ、何と危険なのか」、 君は、それから逃げ去ります。 君は、遠方からそれへ 石を投げるみたいなことなどを、します。 しかし、君は私に語っていません。 私がそれを反復するのを、気にされないなら、その裏の感じは、何でしょう。 君は、傷つくとき、その感じを知ります。ですね? 君は、指をやけどするとき、その感じを知ります。 ですね?君は、誰かに叩かれるとき、その感じを知ります。 誰もそうしないことを、願います。 しかし、誰かが君を叩きます。 ですね?君は、その感じを知ります。 で、恐れの感じは、何でしょうか。 私に語らないでください。 気をつけて、考えぬいてください。 その感じ。 誰かが君を侮辱するときの感じ。君は、それが何を意味するのかを、知っています。 誰かが君にお世辞を言う。 君は得る・・・ですね? で、君は、それらの感じを知っています。 でも私は、君に訊ねています -恐れの裏の感じ、 感受は、何ですか。
27:41 学生: 怯える感じです。
27:45 K: そうだね、私は、君は怯えた感じがする、と言いました。 しかし、その裏の感じは、何ですか。
27:54 学生: 先生、それは、完全な混乱の感じだと、思います。
28:04 K: 混乱の感じ。 「混乱」というその言葉は、どういう意味ですか。 そうですね、君たちは考えぬきません。
28:16 学生: どうすべきかを、知りません。
28:20 K: 君は、どうすべきかを、知らない。 まったくそのとおり。 進んで、進んで。 もう幾らか言ってください。
28:35 学生: 何かをするなら、それが正しいだろうか、間違っているのだろうかを、知りません。 その経験をしたことがありません。

K: ええ。 で、君の筋肉は、収縮します。ですね? 君の頭脳は、混乱しています。 孤立の感じがあります。 それがどういう意味かを、ご存じですか。

学生: はい。
28:57 K: 他の人たちより、完全に孤立した感じです。 君は、コブラに向き合っています。 何か危険なものに、向き合っています。 君は、自分が縮むのを、感じます。ですね? その感じ、です。
29:17 学生: その瞬間に、まさに唖然としています。
29:29 K: 唖然としている。そのとおりです。 唖然としている。 君は、恐れを持つとき、唖然とした感じです。 君の神経はすべて、縮みます。ですね? 君は、自分が孤立している、などなどと、感じます。 さて、一分間、待ってください。 君は、それらを感じます。 そのとき君は、何をしますか。 彼女は、その質問をしました。 彼女は、「恐れについて話せ」 と言いました - 試験に通ることや通らないことへの恐れ。ですね? 失敗への恐れ、自分の両親への恐れ、 自分の教育者への恐れ、蛇への恐れ - 恐れ。 ですね?君は、何十もの恐れを、持っています。 ですね?それらを何十も、です。 同意しますか。 いいですね? さて、何が、恐れを引き起こしますか。 原因は何ですか。 私が「原因」という言葉を使っているとき、君は理解しますか。 私が「原因」を使うとき、その言葉を理解できますか。
30:53 学生: はい。 動機づけは、何ですか。

K: 動機づけは、何ですか。 恐れの始まりは、何ですか。 何から恐れは始まりますか。 恐れの原因は、何ですか。 根は何ですか。 基礎は何ですか。 私は、幾つもの言葉を、使ってきました。 「原因」、「動機」、「根」。 ですね?
31:20 学生: これが起きるかもしれないと考えるとき、仮定します。 「仮に私が試験に通らないと仮定すると、私の両親は、何て言うだろうか」と言います。 で、これが起きるかもしれないと考えます。 それで、恐れを感じます。 私が試験に通らないなら、両親は私を何と思うだろうか、と。
31:38 K: はい、はい。

学生: その種の考えが、恐れを創り出します。

K: すなわち、君が試験に失敗するなら、他の人たちは、君について、 何と思うだろうか、と。 君たちがみんな、失敗するだろうことを、願っています!
31:58 学生: 未来について考えるなら、そのとき、怖くなります。
32:05 K: 今、一人、二人、三人が一斉に、話をしてます。

学生: 未来について考えて、そのとき・・・
32:24 K: ちょっと待って、ちょっと待って、一分間、待ちなさい。そこで止まりなさい。
32:28 君のいう未来とは、どういう意味ですか。
32:32 学生: 自分に起きようとしていることです。
32:35 K: 起きるかもしれないこと。ですね? 私が試験に失敗するなら - 君たちみんながそうなることを、私は願っています - 君は、未来について考えます。 両親が何を言うのか、教師たちが何を言うのか。 ですね?君のいう未来とは、どういう意味ですか。
33:01 学生: 何が起きるかもしれません。誰かに叩かれるかもしれないし、品位を下げられるかもしれません。
33:04 K: 未来。理解できますよ。 君のいう未来とは、どういう意味ですか。
33:11 学生: 過去に起ころうとしていること?(笑)
33:21 K: 過去は、過ぎさりました! 私は君に訊ねています -未来とは何でしょうか。 君のいうその言葉は、どういう意味ですか。 どうか、聞いてください -これは、君にとって重要です。 君のいう未来とは、どういう意味ですか。
33:38 学生: 起きるかもしれないこと。

K: 起きるかもしれないこと。 すなわち、君は病気に - 君がそうならないことを、願います - 私は病気になるかもしれない。 私は死ぬかもしれない。 私は、けがをするかもしれない。 それはすべて未来でしょう。 「私はなるかもしれない」ですね?
33:59 学生: 怖くなるとき、それが起こるだろうと、考えます。
34:05 K: ええ。 さて、一分間待ってください。 未来とは何ですか。私は君に訊ねています。 明日は未来でしょう。 ですね?

学生: はい、先生。
34:16 K: 次の秒は、未来です。次の秒。 次の時間。ですね? で、私は君に訊ねています -君のいう未来とは、どういう意味ですか。 気をつけて。 気をつけて、考えぬいてください。 何か思いつくことを、ただ言わないでください。 未来。
34:39 学生: 未来は、何が起きようとしているかを、知らないときです。
34:42 K: 私はそれを言いました。 それが、未来という意味です。 ですね?起きるかもしれないこと、起きないかもしれないこと。 私は、それが起きるだろうと願います。私は、それが起きないだろうと願います - そのすべてが未来です。 ですね? 君のほうが、背が高くなるかもしれない。 私のほうが、低くなるかもしれない - かもしれない、かもしれない。 で、「かもしれない」という言葉は、未来、可能性を、含意しています。 ですね?それは、起きるかもしれません。 屋根は、崩れ落ちるかもしれません。 私は、病気になるかもしれません。 そのすべてが、含意されています- 未来。 ですね?それに同意ですか。

学生: はい、先生。
35:27 K: さて、未来は何でしょうか。 それは明日です。 今日、今、10時5分過ぎです。 もう5分で、10時10分過ぎになるでしょう - 未来。 考えぬいてください。これは、君にとって重要です。君のいう未来とは、どういう意味ですか。
35:51 学生: 明日、起きようとしていることです。
35:53 K: ダーリン、私たちはそれを言いましたよ。 私たちは、言いました - 未来は、起きるかも、起きないかもしれないことです。 未来は明日です。ですね? 未来は、次の秒です。ですね? で、それは、どういう意味ですか- 未来は。 それは、君にとって、あまりに錯綜しています。
36:19 学生: 未来は、何か自分に知られていないものです。
36:25 K: それは、君に知られていませんか。
36:32 学生: 時には、それは自分に知られているかもしれません。 何が起きようとしているかもしれないのを、知るなら、 自分が大学やどこかへ入ろうとしているのを、知るなら、 そのとき、自分に何が起きるだろうかを、知るでしょう。
36:48 K: ええ。君が試験に通るなら、です。 ですね?
36:54 学生: 誰かが、何が起きようとしているかを、語ってくれるとき、 そのとき、未来を知ります。

K: ええ、そうだね。 私たちは、それらを通ってきました。 私たちが、「それは起きるかもしれない」と言ったとき、それはいつも、未来にあります。 ですね?ですね? または、それは起きないかもしれません - それは未来です。 それは君たちにとって、あまりに困難です。 で、恐れは、今、実際の今の恐れを、 意味しているか、あるいは、未来の、です。 ですね?ですね? 君は今、恐れていますか。
37:37 学生: 今は恐れていません。

K: なぜです?
37:40 学生: なぜなら、何も恐れることが、ないからです。
37:43 K: 何も恐れることがない。ですね? しかし、君は、授業に入るとき、恐れるでしょう。 ここでは、誰も君に、何をすべきか、何をすべきでないかを、語っていません - 何を考えるべきか、何を考えるべきでないかを、です。 誰も、君にそれを言っていません。 ゆえに、君は気にしません。 または、君は、見出そうと本当に聞いています。 ですね?いいえ。君たちは、あまりに若すぎます。小さすぎます。 恐れは、理解することと、 それから自由であることが、最も困難なものの一つです。ですね? 人々は、恐れのために、戦争に行って、互いに殺し合ってきました。 理解できますか。「私は、自分の国を失うかもしれない。 私は、自分の資産を失うかもしれない。 私は、この集団に所属していないかもしれない」 - 理解できますか。 で、戦争、殺すことは、二百万年の間、つづいてきました。 これを理解できますか。 二百万年の間、人間たちは互いに殺し合ってきました。
39:06 学生: なぜですか。
39:08 K: なぜなら、彼と私は、一つの部族に所属しているし、 君と他の一人は、別の部族に、所属しているからです。 ですね? 君たちは、私たちの土地が欲しい。 または、私たちは君たちの土地が欲しい。 または、私たちは、君たちの資産を盗みたい。 付いてきていますか。 この種の闘い、互いに殺すこと、けがをさせること、 不具にすることは、二百万年の間、つづいてきました。
39:33 学生: 先生、私たちの間には、分割があります。
39:39 K: 分割。 国家的に・・・インドとパキスタンが、あります。 それは分割でしょう。 で、彼らは進んで、互いに殺そうとしています。
39:53 学生: 先生、でも、なぜでしょう。
39:56 K: なぜでしょう。 とても単純です。 私はパキスタン人ですし、彼はインド人です。 私は彼に、イスラム教徒になってほしい。 ですね? または、私は、自分の国のほうが彼の国より、大きい、 貴いなどと、考えます。

学生: 彼らはその中で、何を獲得しますか。
40:26 彼らは、人々をイスラム教徒とか何にでもする中で、何を獲得しますか。
40:30 K: まさにそれなんです。私たちはそれから、何を獲得しますか。 君が私に答えてください。 彼らはバカな人々です。ですね? いえ、気をつけて聞いてください。 これは、イングランドで起きています。 ドイツで、アメリカ、ロシアで、起きています。 それは、あらゆるところで、起きています。 この国は貧しい国です。ですね? 村を行くと、おぞましい貧困が見えます。 けれども、彼らはものすごい軍備を、築いています。 ですね?なぜでしょう。
41:11 学生: 先生、なぜなら、彼らは望む・・・

K: いえ、気をつけて聞いてください。 君がインド人であり、 自分はインド人であると感じるかぎり、誰かを殺そうとしています。 ですね? で、国家主義、民族主義、人種主義、部族主義 - それが存在するかぎり、君は誰かを、殺そうとしています。 または、誰かが来て、君を殺すでしょう。
41:45 学生: 先生、もし民族性、国籍を持たないなら、 そのとき自分自身を、何と同一視しますか。
41:54 K: 君は、民族性、国籍を持たないなら、 どうして自分自身を、何かと同一視できますか。 ですね? なぜ君は、同一視したいのでしょうか- インドと、 アメリカと、ロシアと。なぜでしょう。
42:11 学生: 先生、私は、それの一部だとして、安全に感じます。
42:14 K: 待ってください。一分間、待ってください。君は安全に感じます。 ですね?感じますか?
42:20 学生: でも、そのときもなお、自分の国が闘いとられることへの恐れを、持っています - 自分が何かの一部であるなら、自分が一人物であり、 自分はインド人とか何かそのようなものである、と言えるとき、 いつも、人々が来て、攻撃してくることへの恐れを、持っています - または、自分は、ちょうどあなたが言われたばかりのものとか、 イスラム教徒とか、そのようなものであるべきだと、言うことへ、です。
42:47 K: 私は理解できません。
42:49 K: 彼女は、民族性、国籍を持たないなら、自分は不安全だと感じることを、 言いました - または、自分はインド人やアメリカ人であると言えないなら、です。 それを言うとき、やはり攻撃されることへの恐れを、持っています。
43:06 K: ええ。で、君は進んで、イスラム教徒としての私を、殺そうとしていますか。 はい?君は、間抜けにちがいない。 なぜ君は、私を殺したいんですか。 私が何か他の神を、信じているからですか。 でも、君はなぜ、私を殺したいんですか。
43:27 学生: 先生、良い名前を得るためです。
43:34 K: 私を殺すことにより、良い名前を得るため?
43:40 学生: その後では、もっと力を持つように、見えます。
43:48 K: 君は、私を殺すことで、より幸せに感じますか。
43:51 学生: いいえ。なぜなら、そのとき自分は、もっと力を持つと感じるからです。
43:54 学生: より安全に感じます。なぜなら、そのとき得たからです。
43:56 K: 君たちはみんな、かなり狂った群衆ですね! 私は、それについて話していいなら、国連に・・・ 君たちが気にされないことを、願っています。 私は、国際連合で話をするよう、招待されました。 君たちは、それが何かを、知っていますか。

学生: はい、先生。
44:14 K: はい?はい? 確かですか。

学生: はい、先生。
44:22 K: 自分がここに座っていることは、確かですか。

学生: はい。
44:32 K: 私は、国際連合で話すよう、招待されました。
44:39 私は四十五分間、話しました。 その組織の主催者の一人は、 私が話をした後、立ち上がって言います - 「あなたにお会いできて、大変光栄です」等々と。 そして彼は、「私はこの組織のここで、 四十年間、一生懸命働いてきました」と言います。 私が言っていることを、理解できますか。 四十年間、彼は、国際連合を創設し、維持し、 動かすよう、一生懸命、働いてきました。彼は、 「四十年の後、私は、他の一人を殺さないことを、学びました」と言いました。 私が言っていることを、理解できますか。 君たちは、国際連合と同じように、だんまりですか。 私が言っていることを、理解できますか。 他の一人の人間を殺さないことを、学ぶために、彼には四十年が、掛かりました。 四十年! 私が言っていることを、理解できますか。 君たちは、同じことをしようとしていますか。
46:03 学生: いいえ、先生。
46:05 K: 私は確かではありません。
46:06 学生: 少なくとも今、僕は、それをしようとしていません。 少なくとも今、僕は、自分が他の一人の人物を、殺そうとしているとは、思いません。 しかし、僕が成長するとき、分かりません。

K: そのとおりです。 君は、同等に間抜けになるでしょう。でしょう?
46:19 学生: 僕には言えません。

K: 君は、まったく正しいよ。 それは、君が理解するには、あまりに困難です - 恐れの根が何なのか、です。 あまりに困難です。 恐れがあります。 君たちはいつも、それを制御するか、それから逃げ去るか、抑圧するか、泣くか、です。 ですね? しかし、おそらく、それを取り扱うすっかり別の道が、あるでしょう。 君は知りたいと思いますか。 しかし、それには、大変多くの考えること、 大変多くの究明が、必要とされます。 君たちは、数学や生物学や理科を学習するのに、 どれだけ長く過ごしますか。 何年ですか。 数年、でしょう。 学校、専門校、大学。 君たちは、それらを通っていくのに、二十年、二十五年を、過ごします。 ですね? 君は、自分が恐れより自由でありうるのかを、 見出すために、十分か五分間を、過ごすことさえ、しないでしょう。 君たちは、何か忌々しい学科に、二十年を過ごしますが、 恐れの本性を理解するために、五分間を過ごすことさえ、しないでしょう。 それは正確です。ですね?
47:57 学生: はい、先生。
47:59 K: で、君は、大変多くを、学ばなくてはいけません。 大変多くを、理解しなくてはいけません - 何が恐れの根なのか、です。 私は君に、ごく短く語りましょう。 恐れは、時に関与しています -明日、起きるかもしれない。 ですね? で、君は、時が何なのかを、究明しなくてはいけません。 それは、君にとって、あまりに困難です。 時計によって、ではなく、時は何なのか。 君は、種子を植えます。 それは成長するには、時が掛かります。 ですね? 君は、赤ちゃんを持つ。それが青年になるには、時が掛かります。 人は不健康です。そのとき、健康になるには、時が掛かります。 ですね? 君は、数学や物理学を学んでいます。 または、何であれ、学んでいるものを、です。 そして、その学科で試験に通ることができるには、時が掛かります。 君が、ここから(最寄りの町)マダナパリへ着くには、時が掛かります。 または、(ここから)君の家に、です。 理解できますか。 時は、自らの人生において、とても重要です。 ここからそこへ行くためだけではなく、また成長するためにも、です - 物理的に成長し、それから内的に成長する。 そのすべてには、時が掛かります。 そして、最初の人から今まで、時が、掛かってきました - 二百万年です。進化と呼ばれます。 ですね? で、君の生全体が、時により縛られています。 理解できますか。 君の生すべてが、時により縛られています。 君は今、生きています。 君は、死ぬかもしれません。 長い年の数が、あります。 ですね? で、私たちの生全体は、時と絡み合い、 関係しています。 君は、試験に通るでしょう。 通らないかもしれません。 時。 それから、私たちは、時が何かを、探究しなくてはいけません。 それはあまりに困難です。
50:31 学生: 時は相対的でしょう。
50:35 K: 私はそれは知っています。 お嬢さん、私はそれを言いました。 私は意図的に、その言葉を使いませんでした。なぜなら、「相対的(レラティヴ)」とは、 また、何か他のことをも、意味しているからです。彼は「私の親戚(レラティヴ)だ」と。 さて、一分間、待ってください。 時は相対的です。しかし、君のいう時とは、どういう意味ですか。 君たちは、そこにおられます-試験に通ろうとしていて、 職を得よう、結婚しようとしている、成長した人々、です。 そのすべてには、時が掛かります。ですね? で、人は永遠に、時へ縛られているのでしょうか。 いいえ、これはあまりに困難です。 あなたは、何と言われますか。 理解できますか。

学生: 僕はよくは理解しませんでした。
51:27 K: 君は、よくは理解しなかった。 ごらん、君は今、とても小さいね。 君は成長するでしょう。 背が高くなり、 そうなるためには、時が掛かるよね。 君が病気であるなら、元気になるには、時が掛かります。 朝に起き上がるには、時が掛かります。 支度を調えるのと その他すべて、入浴するのと、それら。 それには、時が掛かります。 学科を学ぶには、技術を学ぶには、時が掛かります - 庭に種子を植え、それが成長するのを見届けるのを、学ぶには、です。 生におけるあらゆる物事に、時が掛かります。 ですね?

学生: はい、先生。
52:13 K: 人は、時により縛られています - ここからそこへ行くためには。 君はどこに生活しているの?
52:25 学生: ボンベイです、先生。

K: ボンベイね。 君が、ボンベイからリシ・ヴァレーへ来るには、時が掛かりました。
52:32 学生: はい。
52:33 K: 二晩か、一晩か、何であったにしても、です。 また、試験に通ることと、 職を得ることと、それらは、時が掛かります。 で、君は、時によって縛られます。 ですね?明らかですか。

学生: はい。
52:52 K: 明らかですか。よし。 それが意味するのは・・・私は、これらに入らないでしょう。 それは、君が理解するには、あまりに複雑です。 何であれ、君がすることは、時によって縛られます。すなわち、過去は、 「あれをしない」と言います。過去は、「あれをするな」と言います。 するなら、君は処罰されるだろう、とか、獲得するだろう、と。 で、過去は今、君を制御しているのです。 捉えましたか。 初めに、それを、ごく単純に理解してください。 過去は、君が今することを、制御しています。 「私はそれをしてはならない」 -君は同じ経験をしてきた。 過去は、「二度とそれをするな。 病気になるだろう」と言います。 で、過去が、君が考えるのを、形作っています - それは、過去は、時を意味しています。 で、時は、あなたが今することを、形作っています。 未来は、君が今することに、依存しています。
54:09 学生: はい、先生。

K: 明らかですか。 君は、それを考えぬいてください。 気をつけて、考えぬいてください。 過去が、君に教えています -今何をすべきかを、語っています。 君が今何をするのかが、未来を、形作るでしょう。 ですね?で、未来は今、組み立てられ、製造されつつあります。
54:32 学生: この瞬間に。

K: この瞬間に。 捉えましたか。

学生: はい、先生。
54:37 K: 確かですか。

学生: はい。
54:39 K: で、過去が、現在を制御します。 現在は、未来を形作っています。 で、気をつけて、考えぬいてください。 で、未来は今、製造されつつあります。 捉えましたか。

学生: はい、先生。
54:58 K: で、未来は今、形成されつつあります。 捉えましたか。

学生: はい。
55:05 K: そうなのかなと、思われます。

学生: はい、そうです。
55:08 K: で、君が今することが、大変重要です - 君が明日するであろうことが、ではない。 捉えましたか。 君が今することのみが、重要です。 なぜなら、それが、君の未来を作ろうとしているからです。 捉えましたか。

学生: はい、先生。
55:33 学生: 先生、時は制限されていますか。

K: おばさま、思いわずらわないでください。 抽象的な問いを、しないでください。 なぜなら、私はあなたに、抽象的な答えを、出せるからです。 しかし、それは何の意味もありません。 時はいつも、制限されています。 で、時より自由で・・・- これは、はるかに困難すぎます - 時より自由である道が、あるのでしょうか。
56:06 学生: ないです。先生。
56:11 K: なぜ君は、「ない」と言うの?
56:16 学生: 生きているとき、道はありません。 でも、たぶん死んだ後には・・・
56:22 K: 君は、死が何を意味するかを、知っていますか。
56:24 学生: いいえ、先生。

K: それなら、その言葉を使わないでください。 君自身に質問をしてください。 それに答えようとしないでください。 君自身に訊ねなさい。 すなわち、頭蓋骨の内側の君の頭脳は、 二百万年をかけて、組み立てられています。 条件づけられ、形作られ、型枠に入れられていて、経験、知識、 そのすべてが、そこにある。 さて、君は今、正しいことを、できるでしょうか - そのため、道中ずっと、正しくなるように、です。 質問を理解できますか。

学生: はい、先生。
57:18 K: これはあまりに困難です。ですね?
57:28 学生: 先生、集中と注意の真の意味とは、何でしょうか。
57:42 K: 君は本当に知りたいですか。

学生: はい、先生。
57:44 K: なぜでしょう。 考えぬいてください。 考えぬいてください。 他の誰かが君に、その質問をするよう、言いましたか。
57:54 学生: はい、先生。

K: ああ、そうなんだ。
58:00 学生: 僕の父は僕に、あなたは、かつて発言をなさったと、語りました - すなわち、集中より注意が要るのだ、と。
58:11 K: 君のお父さんが、君に語りました。なぜでしょう。 君は、集中が何なのかを、知っていますか。 聞いてください。私は君の教師、 君の教育者です。 君は、窓の外を見つめています。 (書物の)ページより、 はるかに興味深いです。 ですね?ですね?

学生: はい、先生。
58:40 K: 私は教師です。私は、「どうか、ページを見てください」と言います。 君は、ページを見たくない。 でも、君は、外のそこの鳥を、見たいのです。 ですね? で、彼は言います - 「ごらんなさい。 君は学びたいなら、ページを見なさい」と。 君が窓を見つづけるなら、彼は困ってしまいます。 で、彼は近づいてきて、君を揺すぶったり、君の耳を引っ張ったり、 髪を引っ張ったり、君を叩いたりします。 誰もここでは君を叩かないことを、望みます。ええ。 で、何が起きますか。 君は、窓の外を見たいのですが、誰かは、「ページを見なさい」 と言います。 で、君は、葛藤があるでしょう。 君は、そこの外を、見たい。 君は、ページを見たい。 で、君は、葛藤があるのです。 ですね?

学生: はい、先生。
59:41 K: で、葛藤は、必ずしも集中に伴いません。 ですね? 私は、ページに集中したい。 私は、自分自身に強いて、ページへ大変多くの注目を、払います - 大変多くの集中を、です。それは、私が、そのページにあるものより 他の何についても考えようとしない、という意味です。 その過程には、大変多くの抵抗、葛藤があります。 なぜなら、私は、外のそこを見たいのに、 私は、このページを見なくてはいけないからです。 理解できますか。 で、大変多くの葛藤、大変多くの努力が、あるのです。 私はそれに、入らないでしょう。 ところが、注意には、努力がありません。 誰が、君にその質問をするよう、頼んだのであれ、彼らにそれを言ってください。 注意には、まったく努力がありません。 君は注意します。 私たちは今朝、一時間、一緒にいました。 君たちは、つづけたいですか。
1:01:12 学生: はい、先生。
1:01:13 K: はい?なぜです?
1:01:16 学生: 興味深いです。

K: もっと面白い! 授業が、君たちを待っています。 君たちは、授業に行きたくない。 娯楽で楽しみたいのです! ですね? 君たちは、あれらの花々を見つめたことがありますか。
1:01:44 学生: はい、先生。
1:01:47 K: それらを見つめたことがありますか。それらをごらんなさい。 時間と手間を掛けて、あれらの花々を、見つめてください。一分間、 見つめてください。 色の混ざり具合、それの美しさ、それの据え付け、 それへの光を、見つめてください。 さて、それは、君にとって何を意味していますか。 「美しさ」とか言わないでください。 それは、君にとって、何を意味していますか。 君が、あの色の広がりすべてと、あの色の中での 多様さを、見つめるとき - 赤に対する緑、さらに濃い緑と、 それら。それは、君にとって、何を意味していますか。
1:02:48 学生: 先生にとってそれは何を意味していますか。

K: 私は一分後に、君に言うでしょう。 私は初めに、君たちへ質問をしました。
1:02:54 学生: で、それは、なぜ私たちはこれらすべての住宅と、 機械的なものと呼ばれるものを、欲しがるのか、ということを、意味しています - 私たちが、これらを自然の命から得たときに、です。
1:03:23 K: 機械的なものを見つめるほうが、はるかに簡単です。 しかし、自然を見つめること -丘々と、陰、 岩々、岩々の形、 田畑、それらがいかに、すべて一列に種蒔きされるのか、または、育つマンゴー。 そして、鳥たちと蝶々と緑の大地。 陰、水のない川など。 それを見つめてください。 それの美しさ、それの偉大さ、あれら岩々の 荘厳さを、見つめてください。 しかし、君たちはみんな、書物に集中しています。 ですね? 書物に、試験に通ること、 職を得ること、結婚することと住宅を持つことに、です。 それが、君たちが興味を持っているすべてです。ですね? ですね? しかし、住宅の向こうには、地平線がある。 ですね? 住宅の向こうには、これらすばらしい丘すべてと、 美しさと偉大さが、あるのです。 今朝はそれで十分でしょうか。 はい? 君たちは、すてきな一日を過ごそうとしていますか。
1:05:22 学生: はい、先生。

K: そうですか。すてきな一日を過ごしてください。
1:05:28 学生: ありがとうございます。

K: 楽しみなさい。いいね? 学級に、先へ行くよう、言ってください! 私が君に何を誘発しているのか、知っていますか。 君は、それが何を意味するか、知っていますか。

学生: いいえ。
1:05:50 K: 君に誘発する - 吹っ飛ばすように、です。 君にはできない。 人々がやっているように、銃とダイナマイトで、吹っ飛ばさないでください。 良い一日を過ごしなさい。 すてきな一日を過ごしなさい。 いいね?幸せな一日を。 美しい朝です。 楽しみなさい。 よろしい。